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白騎士と治療タイム。


家に戻ると、早速鳥の治療をする為に柔らかい布にスーリさんに包んでもらい、その間に薬草と餌になりそうな実を持って急いで戻ってきた。


そうしてスーリさんから青い鳥を受け取って、そっと柔らかい体に触れてみる。

翼は大丈夫そうだし、大きな怪我もなくてホッと息を吐いた。



「怪我はしてないみたいですけど、ずっと蜘蛛の糸の中にいたから怖かったんでしょうね‥。好きそうな実をすり潰してあげてみます」

「はい」



キッチンから持ってきたすり鉢で実をすり潰して、少しの水でふやかしてから、指で掬って小さなクチバシの近くに持っていって、


「食べられそう?」


そう、声を掛けるとクッタリしていた小鳥が小さく目を開け、私の指に付いている実にクチバシを伸ばした。スーリさんはそれを見て目を輝かせ、小声で「食べましたね!」と嬉しそうに微笑んだ。


くわ〜〜〜〜!!!騎士さんの笑顔可愛い〜〜。

心の中でじたんだ踏んでもうたわ!


そうとは知らぬ青い小鳥は、私の指に付いていた実をぺろっと食べてしまうと、ピョコっと体を起こして、首を傾げ「もうないの?」とばかりにこちらを見上げるので、可愛らしさに笑ってしまう。


「まだあるよ〜〜。指からのが食べやすいかな?ちょっと待ってね」


指に今度は多めに実を乗せて、口元に運んであげると警戒感なんてどこにもないのか、パクパクと実を食べるので、私とスーリさんは顔を見合わせて微笑みあってしまう。



「エララさんは鳥の治療にも手慣れてますね‥」

「母と暮らしていた時に何度か小鳥が巣から落ちたのを保護した事があって‥。それのお陰ですね」

「素晴らしいです。私ではどうにも出来ない事なので」

「いやぁ、そんな大したことでは‥」

「小さな命を助けたんです。とても素晴らしいですよ」



小鳥を驚かさないように小声で絶賛してくれるスーリさんに、私は照れ臭くて‥でも、そんな風に言って貰えて嬉しくて、ニマニマしてしまう。ええ、おらぁ単純だ!!


「‥ありがとうございます」


照れ臭くて小さな声でお礼を言うと、スーリさんがふふっと微笑んでくれて‥。美女の微笑みはえらい破壊力だ‥と、しみじみ思ってしまった。



「チチチ!」

「お?もう元気になったの?お腹は一杯になった?痛いところとかない?」

「チチ!」

「外に出る?窓を開けるからちょっと待ってね」



青い小鳥はじっと私を見つめるので、何と無く話が通じている気がして、急いで窓を開けると青い小鳥はテーブルの上で翼をパタパタと動かすとサッと空中に飛び上がり、そのまま窓の外へと飛び出していった。



「鳥が‥」

「無事に空に帰れて良かったですね。スーリさんがあの小さな鳥の鳴き声に気付いたお陰です!」

「いえ、それはたまたまで‥」

「小さな命を助けたんです。とても素晴らしいですよ」



スーリさんの言葉を丸っと拝借してそう伝えると、スーリさんは一瞬驚いた顔をして、それから小さく吹き出した。


「魔女様にそう言って頂けて恐悦至極です」

「そんな大層な魔女ではないですよ?」


そう言った瞬間、私とスーリさんのお腹が同時に勢いよく鳴った。

‥そういえば、朝食を取る事もなく村へ行こうとしてたんだった。


「朝食、まず食べましょっか」

「はい!お手伝いさせてください!!」


ううむ、美女の張り切るキラキラ笑顔の眩しいことったら。


「じゃあ、テーブルを片付けたら卵焼きを焼いてみます?」

「‥ぜひ!!完璧に作ってみせます!!」

「いやいや、そんな肩肘張らなくていいんですよ‥」

「魔女様に食べて頂くものですから、張り切りますよ!」


そんな大した魔女じゃないんだけどな〜〜。

でも、そんな風に言って貰えるのは確かに嬉しい。今までの自分の自信の無さが少しだけ慰められる。騎士の言葉の効果は抜群だな。


一緒にテーブルを片付けながら、



「じゃあ、期待してます‥」



ちょっと照れ臭いけれど、そう呟いたらスーリさんが私を見てパッと顔を輝かせた。


「はい!期待して下さい」


なんだかそんなやり取りだけなのに、気持ちがふわふわしてしまう。

うう、こんな美人な騎士さんから「すごい!」とか「素晴らしい!」なんて言われ過ぎたせいかも?すると、そんなスーリさんの体から白い靄が出てきた。


「「あ」」


一瞬で男性の騎士のスーリさんに戻り、我が家がそこだけ王子様でも訪ねに来た?と思うくらいの空間に変わった。そんなドキドキしてしまうシチュエーションなのに、スーリさんは当然知る由もなく、今度は爽やかマックスな笑顔で、



「さ、それではお料理を作りましょう!」



と、声を掛けてくるので私の心臓がそれはもうジェットコースターのように急降下した。う、うわぁああ!今度はイケメンだ!イケメンとお料理だぁああ!!



ちょっとカチコチになりそうな体で私はひとまず頷いたけど、こったら緊張するのあと何度繰り返すんだべ〜〜〜!!




イケメンに何度か出会った人生だったんですが、

申し訳ないくらいその造形美にしみじみと魅入ってしまったことが。

あと骨格!!骨格っていいよね!綺麗な骨格も大好き!!!

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