表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銛、 広大無辺の大地より  作者: あま
小判鮫と釣り人
40/42

接敵は突然に

 遅くなりました

 俺はなぜかボス部屋だろう場所の前にいる。階層を上ってきたにも関わらず迷宮の最奥みたいな雰囲気を醸すこの扉からわかることは俺はこの迷宮についてまだ理解が足りないのかもしれないということだ。

「これ明らかにボスだよな?もしかして数階ごとにボスがいるのか?」

【そういう迷宮もある。けどこの扉の装飾は最奥のボスね。この迷宮の構造は複雑怪奇、おそらく私たちの通ってきた所は隠してある通路か区画なんでしょう。】

「面倒な迷宮だ。ボスは初めてだけど何か忠告はあるか?」

【部屋の奥にボスがいて、おそらくだけど何体か取り巻きもいると思うわ。難易度の低い迷宮だからそう身構えなくても大丈夫だと思うけど、出し惜しみして死ぬような愚行は許さないからね。】

「サー、イエッサー」

 数と質が分からないため何にでも対処しやすい大きさの銛に変形させておく。赤熱化や爆発を生じるギミックは威力が高いが多くの霊素をもっていくので、使うかもしれないが進んで使うわけにはいかない。これは出し惜しみではあるが、使いたくないものは使いたくないのだ。


 取り巻きが何体かいるなら早々に片付けたい。

 入った瞬間に『氷弾』を叩き込んでやれば取り巻きだろうとボスだろうと倒せると思う。しかし『装填』を使うべきだろうか。『装填』と『開放』は魔導なので魔素を消費する。そう考えると本当は魔導開放抑制(ホールド)を使えれば一番いいが己の技量では魔導開放抑制(ホールド)を幾つも保持できない。諦めて『装填』を使うことにしよう。弾を込めるようなイメージをして言葉で導く。


 『装填』


 氷弾を4発ストックしておく。


 ボスを越えた先のことも考えるとこのくらいが最大の準備だろう。扉を開く前に少し遠目から扉周りをみておく。金属質で堅調な扉と不気味なくらい緻密に組まれた石壁。迷宮の中で最も人工物を感じるこの場所。俺がもしボス戦で死んだらここがエンディングのスチルになるだろう。中身の少ない人生でバットエンドはノーセンキューだ。死ぬわけにはいかない。

 

 覚悟だ。なにがあっても生き残る覚悟をしよう。


「さ、やるか。」


 覚悟も決まったので扉を開けようとしても扉はびくともしない。何故だ?と扉を引いてみたり、スライドしてみたり、前後に揺らしてみたりしたが動かない。そうして原因を探ること十分、扉の下を覗いてみると、石が引っ掛かっていた。それを銛の刃の部分で押し出す。そうすると遂に扉は開く気配を見せた。気を取り戻して、扉は見た目よりも軽くされど腕だけで開けるには重かった。肩を使って体全身で押すように開ける。迷宮内の光が差し込んだ先にいたのは。


 デカい豚の頭をした怪物と取り巻きの小鬼(ゴブリン)の背中だった。


 「は?」

 今の俺の顔はおそらく酷く間抜けな面をしているだろう。奴らは俺の呆けた声でこちらに気付いたのか

「ブブルっ!?」

「ギャ!?」

 魔物どもは魔物どもで驚いている。


 この奇妙な空間はどれだけ俺を混乱させれば気がすむのだろうか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ