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銛、 広大無辺の大地より  作者: あま
鯉の門昇り
30/42

成長

 通常階層は基本的に涼しいと同時に乾燥している。環境階層から登ってきたのでその温度差湿度差を強く感じた。階段は涼しいがそう乾燥しているような感じでは無かった。迷宮は一層一層で違う顔を見せてくる。


 この階層は迷路ではなく。一本道だ。とは言っても曲がり角はあるしところどころに部屋もある。


 ここで一つ、持論を言わせてもらうが、迷宮で最も危険な地形はどこだろうか。自分は十字路や部屋だと思う。一本道の構造だった場合襲われても方向が前か後ろに限られる。後ろは今まで通った道で前は斥候がしっかりとしていれば奇襲はされない。壁を建てておけば時間を稼げるし、制圧力がそれなりにある魔導、魔法を使えれば通路や部屋を覆い尽くすほどの攻撃ができる。というように圧倒的な差がついてなければ真っ向からの戦いができる。


 だからこそこの地形はありがたかった。ここでもし迷路型の構造をしていればさらに厳しい戦いになっていただろう。ここが何階かわからない現状、どれだけ微量な無駄な消費でも避けたい。


 歩いて行くと少し先の曲がり角の先から鳴き声が響いてくる。ギャギャッギャと騒がしい。複数体いるようだし都合良く一本道だ。魔導で一掃しよう。


「『氷弾』『装填』」


 『装填』これが自分で作って唯一成功した魔導だ。氷弾は小さい氷を弾丸のように形成して発射するものだ。『装填』は簡単に言えば銃のリロードに近いだろう。氷弾の魔導を発動寸前まで完成させておくものをストックすることができる。


 曲がり角まで歩いて覗くと幼児程度の背丈をした、人型のものがいた。


小鬼(ゴブリン)か。迷宮に出てくるのなら魔物ね。】

「その言い方。迷宮以外でも出てくるみたいに聞こえるんだが?」

【もちろんよ。迷宮外に出た個体のうち外の世界に適応して高い知能を得た亜人の括りに入るものもいるわ。まぁ大半は魔物だけどね。】


 亜人ね…。まぁ、今は目の前の敵だ。氷弾で仕留めきれればいいが。今回の『氷弾』はいつものように、狙って撃つのではなく。いわゆる制圧射撃をやってみる。


 「『解放』」

『充填』した『氷弾』を一気に解き放つ。迷宮の細い一本道に十発程度の弾丸を打ちこむ。体を曲がり道の先に晒し、構えながら敵を確認する。細い道だと通常の銛だと戦いにくいので今回は装着型のものに変形する。


 一体は頭を貫いて即死。二体はそれぞれ胸と首を深く抉り致命傷。一体は右腕の肘から先が吹き飛んでいる。致命傷の奴は血がとめどなく流れており右腕を失ったものはこちらを確認することなく奥に逃げる。


 残ったのは二体、しかもどちらも錯乱している。


 3歩、大股でなおかつ素早く接近。これまでの生活でそれなりに頼れるようになった足で一体を蹴り飛ばす。そのままもう一体の顎にアッパーを入れる感じで銛の刃を突き刺し、ギミックを発動して銛を振動させる。小鬼の顎を振動と鋭利さで破壊しつくし、続く脳まで貫通させる。銛を変形させる。手持ちのものになった銛を蹴り飛ばしたやつの頭に穿ちこむ。


 戦闘終了だ。魔素が流れ込んでくる。いい気分だ。


 しかし数秒後、そんな気持ちは失せて戦場の惨状に目を伏せたい気持ちになった。特に致命傷のやつと顎から脳まで丸ごと壊したやつの後片付けは最悪だった。


 結構時間を食ってしまった、先に進もう。




 

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