くぐった先は…
神によるとんでも破壊行動により空いた風穴をくぐると。そこは……森だった。
「…落ちたところは石造りだったんだが?『太陽』なんてなかったんだが?」
【迷宮は人間の常識が通じる場所じゃないわ。聞いてなかったけど、どんなところから落ちたの?】
「石壁で作られた壁と床で松明がかけてあったり、罠が大量に仕掛けられてるようなところ。」
【そう。その感じからしてここは安全階層か環境階層ね。】
「なんだそれ?」
【安全階層はそのまんまね。環境階層は魔物限定の生態系を作っている階ね。普通の階層は強い魔物を生み出そうとするとそれなりに消耗するものだけど環境階層は上位生物を放り込んでおけば勝手に成長してくれるから中、大規模の迷宮だとそれなりに見るわ。】
「で、これはどっちなんだ?」
【魔物がいたら環境階層だから歩き回るしかないわ。】
「へーい。とりあえず探索するか。ここがどのくらいの深さにあるかすらわからない現状、周辺を把握して食料とか揃えないと地上にすら出れない。」
歩き始めると小さな、すばしっこい、光沢のある、茶色の虫が足元を通り過ぎて草の中に消えていった。
つまりは『G』だ。
「うわぁ…こいつここにもいんのかよ。」
【この虫……この階層が環境階層で確定したわね。】
「…こいつ魔物なの?」
【ええそうよ、そいつは亡者喰らい。少量だけど魔素を持っていて、すぐ増えるうえ、なんでも食べるわ。。】
「でもこいつ魔物っていう割に攻撃的ではないんだな。」
【弱いから逃げるけど長い年月を生き延びた老齢個体なら普通に強いから襲ってくるわ。】
ふーん、魔物って言っても一概に強いとはえないのか。
この森は、自然林らしく地面が凸凹で歩き辛い。
「この階層って夜とか季節の感覚はあるのか?」
【夜はあるでしょうね。あと天気も。ただ季節は恐らくないと思うわ。】
「夜があるなら寝床くらいは確保しとかないとな。」
迷子になりそうな深い森をえっちらおっちら歩いていく。
【ただし、洞窟はおすすめしないわ。】
「雨風共に防げるからいいと思うんだが。」
【そんな好立地に何も住んでいないと思うの?鉢合わせたらあなた、秒殺で即、餌になるわ】
「そう言われれば…」
【そういう感じで木の上で寝ることも最終手段に入れといたほうがいいわ。】
「………なぁ、作るっていうのはどうだ?」
【………あなたどれだけ魔導に慣れてる?】
「えっと、使用したのは2回くらい?」
【……最終手段1本手前ね。】
「木の方が最終手段なのか。」
【だってあなた絶対落ちるじゃない】
「確かに、って、うん?」
それなりに遠いが岩山が見える。樹冠が高いせいで今更だが気付いた。
「大岩を削って拠点にするってのはどう?」 【あなたの魔導で削れるか不安だわ。】
「実践してみないことにはわからんでしょ。」
そうと決まればレッツゴー、と歩き出し順調に麓に到達する目前。目の前に青みのかかったゲル状の何かがいた。
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