神器
「…あいつはこれを持てって言ったんだよな」
持ったら黒い粉が手にべったり付くと分かっているから少し躊躇するが、両腕を使ってしっかりと銛を握る。
【ちゃんと約束は守ってくれたようですね】
「うわぁ!」
驚いたせいで銛を手放してしまいそうになった。
【はぁ…あなたいくらなんでも驚きすぎじゃないですか?ビビリにも度がありますよ?】
そう言われましても…
「わたしゃこの世界生後1日くらいなんでね。」
気絶していた関係で詳しい時間は判らないが、意識があった時間は1日程度しかない。
【そうなの?というかビビリは関係あるのかしら?】
ええい黙らっしゃい
【それ、私が神だと承知の上での発言です?】
「そんなことは置いといてなんで銛持った瞬間声出した?」
【なんか釈然としませんけど…で、何故かっていうとその銛が神器だからよ】
「ふーん、これが神器?」
【そうよ。水神たる私の唯一の神器。私が直接干渉できる数少ないもの。まぁ続きは神殿から抜けながら話しましょうか。道案内はするわ】
「うい」
【それじゃ、詳しく話していきましょうか】
【まず最初に、神は縛られるわ。あ、そこ右に行って。】
縛られる?
【ええそうよ、神は基本的に祀られたり、崇められたりすることに縛られるわ】
「じゃああんたあの空間にいるのきつかったんじゃないか?」
【別に直接神殿とかにじゃなくても良いのよ。どこかで崇めたりするだけで私に力が入ってくる。まぁ、神殿とかでやってもらったほうが効率は良いけど。そこ真っ直ぐね】
「じゃあなんであんたはあそこに縛られていたんだ?」
【前提として言っとくけど神殿っていうのは神にとってこちら側を見ることができるテリトリーなのよ。で今回は迷宮の切り取りに巻き込まれたみたいね。】
「切り取り?」
【ええそうよ、迷宮ってのはね、生成のさいに極々偶に世界の何処かを切り取って構造に加えるわ。それにちょーどよく私のたった一つの神殿が巻き込まれたのよ。】
「それは、なんというか…ご愁傷様。」
【そ、私はここしか神殿がないから向こうを見れなくて退屈と信者たちが上手くやれてるか不安になってね。そこ左の階段登って】
「で、この銛がなんか関係あるのか脱出と?」
【先程その銛が神器と言ったように、神器はこの世界における神の器よ。つまりその銛に私は宿れるから銛を持って外に出てもらえれば銛に宿る私の神格も神殿から動けるってわけ。】
なるほどね
「と、話してる間に神殿の外にでてきた。で、どうやってこの空洞から迷宮に戻ろうか。」
【神殿が大きいせいで歪に組み込まれちゃったみたいね。…そうね、とりあえず水辺まで行ってくれないかしら。】
なんかやらかす気配がするぞ…
ありがとうございました
次は9月28日程に投稿したいと思います




