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だめ貴族だもの。~だめダメ貴族の尻敷かれハーレム~  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第七章 他国を平和にすると侯爵が付いてくるとかなんとか編
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第278話 後日談を色々と(追加)

 年が明けて五日目、

 余計な情報で言うとボリ肉ネー先輩の生誕祭? 

 その翌日である。


「あのーすみません」


 御前立の公開が終わっても、

 さらにその前の女神像を目的に並ぶ人々で忙しい合同教会に、

 聖女服を着たおばさんがやってきた、とはいっても三十代前半くらいか。


(これは聖教会の、とはいえ少し古い感じ、しかもパッツンパッツンだぁ)


 特にお胸が。


「はい、なんでしょう」

「領主様がこちらにいらっしゃると」

「僕です、こう見えてミスト=ポークレット侯爵です」


 その侯爵が自ら列の整理である。


「あの、私、こちらへ来るように言われて」

「あ、助っ人ですね、ベルルちゃんは魔法研究所なので、中に聖教会の神官が」

「いえ違うんです、ミスト=ポークレット様に御用が」


 このはちきれんばかりのおばさん、

 間違いなく初めて会う人なんだけれども。


「えっと、どんな御用でしょう」

「それが、私は貴方の物になったらしいのです」

「あっ、はいはいはい、あれですね」


 僕とお近づきになりたい貴族の娘を嫁に出したいっていう、

 それにしても年齢行き過ぎだろう、

 と思ったが愛人(と準愛人)のメンバーを見るとそうも言い切れない。


「それで私は今後、どうすれば」

「ええっと、帰って下さい」

「はぁ」


 あ、名前だけは聞いておかないと。


「ちなみに、どちらからいらっしゃったのですか?」

「はい、冒険者A級パーティー、ジェニュインストーンからです」

「ぼうけ、ん……あれ?」


 どっかで聞いたぞ、その名前。


「そのパーティーの、リーダーさんは」

「ガルボナ=チャイムズベリー様ですが」

「んー、ガルボナ……あっっ!!」


 リア先生争奪トーナメントで、

 一回戦で負けてキンキンキンキンやらされていた、あの!


(インチキストーンの!!)


「確か、アメリア先生と賭けて戦って負けた」

「はい、リーダーが勝てばこちらの、ポークレットファミリーのリア騎士団長を、

 負ければジェニュインストーンの私が、それぞれ賭けの対象に」


 すっっっかり忘れていたよ!

 あ、それで聖女服がパッツパツなのか、

 胸でかっ、おばさんだけれども。


「確か元、聖教会の聖女なんだっけ」

「はい、それで昔の服を着て」

「じゃあ、冒険者はもうやらないの?」


 考え込んでいる。


「申し上げにくいのですが、私はもう年齢的に冒険者を辞めようと思って」

「あーそれで、聖教会の聖女として使ってくれと」

「はい、もちろんあくまで私の希望ですが、お願いしたいと思っております」


 うーん、マジカルリスタートに入れようかと思ったが、

 あそこはあそこで魔法使い2、僧侶2、前衛2、しかも全員男だしなあ。


(あ、大事な事を聞くの忘れてた)


「それでお名前は」

「はい、プリメラと申します」

「プリメラさん、最初てっきり、僕の嫁入り希望かと、ごめんなさい」


 どっかの貴族か聖教会から送り込まれた、

 一方的な自称嫁候補かと思い込んでしまった、反省。


「いえ、もちろんその気もあってきましたが」

「えっ」

「えっ」

「えええっっ?!?!」


 結局、合同教会のお手伝いに納まった。


====================================


「ふう、終わった、ベルベットちゃんは?」

「おわりましたー、お風呂はいってきまー!」

「はい、行ってらっしゃい」


 本日の合同教会業務が終わって掃除を済ませた所だ、

 一番奥の聖域は僕らしか入れないからね、雑巾がけも念入りだった。


(あれ?御前立の前、通称飾り女神像の所に居るふたりは……)


 メイド姿だ、しかも僕の、公爵邸の、しかも階級が高い奴。


(すなわちそれは副メイド長の、と、いうことは)


「御主人様」「お待ちしておりました」

「キリィさん、モリィさん、わざわざ迎えに来てくれたの?!」


 今日に限って帰路の警備かな?


「いえ、実はご相談がありまして」

「大切な、重要なご相談があります」


 なんだろう?

 

「立ったままも何だから、あそこの休憩室に」


 宿直も入ってこないように内側から鍵をかけて、と。


「気を使っていただいて」「申し訳ありません」

「いいよいいよ、それでどんな話? すごく真面目な顔しているけれど」


 そういえば最初に会った時は徹底して無表情だったなと思い出す、

 今はそこそこ普通というか、クールは下地にあるが表情はちゃんと変わる。


「……御主人様、私達はメイドであると同時に愛人です」

「そんな私達との間に、子を儲けたいという希望は、御座いますでしょうか」

「ああ、そういう確認? まあ、そのあたりは、授かりものだから」


 うん、できたらできたで、それはおめでたい事だ。


「実は私達、子を生せない身体なのです」

「ですのでそういった事はあきらめていました」

「えっ、そ、そうなの?!」


 元々は国の暗部だ、

 そういった事もあるのだろう。


「しかしながら、おそらく、女神像で治ります」

「そこで、ミスト様のご希望を、お聞きしたいのです」


 あー、そういう事か。


「そんなの決まってるよ、キリィさんモリィさんの意志次第だよ」

「いえ、私達はもう決めております」「ミスト様の希望通りにしようと」

「つまり、僕が二人との子供を欲しがるかどうか、と」


 頷くふたり。

 そう言われても、なぁ。


「やっぱりそこはキリィさんモリィさんが、僕なんかの子供を産みたいかどうかで」

「産む行為自体は何も問題はありません」「ただ、ミスト様の意志次第なのです」


(あっ、これ無限ループになる)


 お互い結論の擦り付け合いに。


「ええっと整理しよう、メリットデメリットは、ってそんなのないか」

「いえ、メリットは男児が、男の跡取りが出来る可能性が増えるということ」

「デメリットは他の奥様方全員が妊娠してしまうと、抱ける相手が居なくなる事です」


 そのあたり、僕はまだ若すぎて『妊婦でも構わないよ!』とは言えない所だ。


(うーーーん、これはソフィーさんベルルちゃん、

 リア先生エスリンちゃんに聞いちゃいけない気がする)


「……よしわかった、子を生せないってようは『病気』みたいなものでしょ? じゃ、治そう」

「本当に、よろしいのですか?」「よろしいのですか、本当に」


 さすがの暗部出身完璧メイドもちょっと感情が漏れている。


「じゃ、行こうか」

「はいっ」「かしこまりました」


 なぜか左右に手を繋いで、ふたりを奥へ。


(眩しいから目を瞑ってね、って僕も防御魔法切れかかってるや)


 領主特権で七色に光る女神像本体の前へ、

 ふたりにひとしきり、治癒魔法を浴びせさせ外へ。


「……これで大丈夫かな、ソフィーさんベルルちゃんに確認してもらって」

「その、ミスト様、ありがとうございます」「ありがとうございます、ミスト様」

「じゃ、じゃあ、子作りは、する方向で」


 ……なんだかふたり、喜んでいるような気がする。


=========================================


 さらにその翌朝、

 寒い領主謁見の間へ連れられてきた少女、

 僕の学友メイソンの妹、カルモなのだが……


「えへ、えへえへえへ、あへへへへへへ……」

「あー、さすがにあれから三泊だっけ、おかしくなっちゃってるね」


 目が完全にイッちゃってヨダレも止まらない。


「俺の、俺の自慢の妹がぁぁ……」

「メイソンそ、その、これじゃあ謝らせられないね」

「ううぅ、カルモ……カルモぉ……」


 あーあ、メイソン泣いちゃった。


(僕、悪くないよね? ねっ?!)


 逃げるように僕の目はソフィーさんへ。


「はいミストくん、何でしょうか?」

「えっと、このカルモって子、いつ正気に戻るの」

「さあ、早ければ明日朝にでも、遅くとも三年後には意識が正常になるかと」


 どんだけ幅があるんだよっ!!


「ええっと、カルモちゃん」

「あひあひあひっ、ひ、ひいいいいいっっ! ……あへあへあへ」

「いやこれ、お仕置し過ぎだよ……」


 おそらく僕の出した条件は守ってくれていたはず、

 痛い事しないのと食事と睡眠はきちんと与えるっていう。


(……逆に言えばそれ以外は徹底的にやったって事か、恐ろしい)


 気付けば後ろの方にアレグも居る、友人思いだなあ。


「メイソン、そんな訳だから、こんな状態で悪いけど、持って帰って」

「はいっ、ミスト=ポークレット侯爵様」

「う、恨まないでね」


 無言で頷くメイソン、なぜかアレグまで。


「うーん、謝りたいけれど」「駄目です」「相手は不敬ですわ?」


 やはりきびしい、

 僕の被害に対して本当に容赦ないなこの奥さんたち。


「キリィさんモリィさん、手伝ってあげて」

「はい」「かしこまりました」

「……いいよ、俺が自分で連れて帰る」


 すっかりアレな、とんじゃっている妹を運ぶメイソン、

 アレグも慌てて協力する、これはソフィーさんベルルちゃんも文句は言わないのね。


(僕も手伝う、は駄目だろうなぁ)


 友情より奥さんを取ってしまう

  だめ貴族だもの。 ミスト


 ――ちなみにカルモは学校再開の朝に正気に戻りましたとさ。



 そして次回、第八章開始!

 物語はいよいよ、終盤へ向かうのだーー!!

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