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だめ貴族だもの。~だめダメ貴族の尻敷かれハーレム~  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第七章 他国を平和にすると侯爵が付いてくるとかなんとか編
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第276話 後日談を色々と(後編)

 このミスト=ポークレット侯爵邸というお城には地下があり、

 悪い事をした奴を放り込む牢屋があると同時に、城の主や妻など、

 位が高い者専用の収監場所がある、それが軟禁部屋だ、ようは高級牢屋。


(僕やソフィーさんベルルちゃん、リア先生やアメリア先生が罪を犯したら放り込まれる場所だ)


 監禁だと完全に閉じ込める事になるが、

 軟禁だとある程度は部屋から出入り自由だが城から外へ出られない、

 もしくはこの地下階から上へは上がれないといった感じになるらしい。


(でも場合によっては部屋にも鍵をかけるらしいから、その時は監禁って言った方が正しいのかな)


 そのあたりは相手によるというか罪によるみたいだが、

 反省を促す部屋である事に変わりはない、

 だが今は用途が違い、ナスタの王子の治療部屋になっている。


「オプラス王、今日はおひとりですか」

「いや、ウホン、まあそれは後で」

「は、はぁ」


 奥様はついてきていないのかな。


「ミストくん、この奥よ」


 一応鍵がかかっているな、

 入ると僕が貰ったばかりのエルフメイド三人が、

 レブル王子をかいがいしくお世話している。


(あー、ぼーっとした魂の抜けた表情をしている)


 オプラス王が近づく。


「レブルや、父がわかるか、国王じゃ」

「あ……はい、お父上、お元気そうで」

「うむ、体調はどうじゃ」


 なんとなく何もかも上の空な感じ。


「……よくわかりません、雲のように浮いている感覚です」

「ならば良し、もうしばらくしたら我々で引き取る、一緒に帰ろう」

「そ、それじゃあ」


 あ、顔が明るくなった、と、いう事は……


「お前の嫁はもう少しかかるようじゃ、先に帰って待つとしよう」

「はい、父上」

「うむ、では治療に励むのじゃ」


 うーん、嫁ってアレの事だよね、

 と思いながら地上へ出る、オプラス王は合同教会の方へ。


「またのちほどじゃ」


 そして僕らは転移テントで旧教会兼孤児院へ。


「ええっとこっちには、あ、ナリューくん?」

「もう元気で孤児院の方に普通に居ますね」

「ついでにお会いできますわ?」


 ついでって?

 と思って入るとあっという間に群がられる。


「ソフィーさまー」

「ベルルさまー」

「へっぽこさまー」

「おいこら誰だ!」

「えーだれのこととは言ってないようー」


 そうです私がへっぽこ侯爵です、は置いといて。


(奥で子供達と一緒のように座っている五人の女性、異様だ)


 よーく見るとこの微妙な年齢の女性たち、

 どっかで……いや、あんまりよくは……ええっと?


「ソフィーさん、この大きな子供達は」

「記憶を消したメイドですね、レブル王子を快楽洗脳した」

「あー」

「ねえねえ、かいらくせんのーってなあにい?」

「子供は今の言葉は忘れようね?」


 孤児院のお姉さん方が気をきかせて子供たちを剥いで行ってくれた、

 そしてあらためて女帝配下だった、王子を軟禁していたメイドたちを見る。


「絵本読んだり知育玩具やったり、ほんと子供ですね」

「そのレベルまで記憶を消したので、ほぼ全部です」

「ですわ、そして学校卒業レベルまで学習し直して、あとは王都で暗部の教育を施しますわ」


 暗部っていうとキリィさんモリィさんみたいなやつか。


「なぜそっちへ」

「まずおさらいすると、レベル王子の背中に掘られた呪いは女神像でも治せませんでした」

「強い呪いでしたわ、ヤスタ城の魔導書でも解除は不可能とありましたわ」

「それで殺せないからですか、このメイドの、ええっと名前の書いてあった」

「アニェスですね、レブル王子の一番のお気に入りと言うか、快楽洗脳の主犯ですね」


 あと四人は王子が救出のとき名前を呼んでいた、主犯に近いメイドたちか。


「そういえば王子の方は、あれってどういう状況なんですか、王子も記憶を?」

「いえ、記憶を消したのではなく感情を封じたというか魔法で抑えています、よって性欲も」

「そういう薬も飲ませましたわ、レブル王子がメイドにされていたのは、リアさんがエスリンさんに施したような事ですの」


 あー、なるほど。

 それだと確かに治しようが無いのか、

 普通の愛する行為を大人数で執拗にやり続けただけなのであれば。


「アニェスさん達には一旦記憶を消したのち、あらためて、

 王都の城で、その暗部の養成所で『男を虜にする』手法を学んでいただきます」

「そしてそれをレブル王子に改めてすれば、元通りですわ」

「大丈夫かな、女帝んとことじゃテクニックも違うだろうし」


 とまあ孤児院の子に聞かせられない話なので、

 お姉さん方が必死にバリケードになって子供を寄せ付けない、

 何か悪いな、元メイドたちは黙々と子供役みたいなことやってるし。


「重要なのは、このアニェスさんが死ぬとレブル王子も死んでしまうという事実です」

「ですわ、おそらく袋から出して普通にすれば、自害してでも王子の命を奪う危険性が高いですわ」

「ならゴスタだっけ、あそこの奴隷公爵みたいに袋にしまっちゃったままにするのは」

「そうするといずれレブル王子は発狂するでしょうね」

「いつまでも感情を抑え続けるのは危険ですわ、かといって大切な王子の記憶を消す訳にもいきませんわ」


 なるほど、下手すれば禁断症状で発狂するのか、

 おそろしいな女帝配下のメイドのテクニック、ちょっと興味はある。


「どのくらいかかるかなぁ」

「早ければ三か月で王都へ、暗部の教育が早ければもう三か月、ですね」

「最短で半年ですわ、それまでなら王子の精神も持ちそうですわ」


 あえて『もうちょっと待てばあのメイドが帰ってくるよ』って教えるのも良いかも。


「さあ、みなさんもう『聞かせられないお話』は終わりましたわ」

「少しだけならみなさんと遊べますわあ」

「あっ、ナリューくん!」「りょうしゅさま、ありがとう!」


 こうしてしばらく、

 本当に少しの間だけ滞在したのち外へ。


「ってボリネー先輩なにしてるんですか!」

「明日の屋台の場所を決めているデュフ、転移テントが使えないお客用デュフ」


 フォレチトンに馬車で着いた観光客が、

 丁度降りて噴水まで来るあたりか、抜け目ないなぁこの肉。


「丁度良かった、ちょっとご相談が」

「何でも言うデュフ、でも無料じゃないデュフよ?」

「えっ銀貨取るの?」「そういう意味じゃないデュフ」


 ソフィーさんもベルルちゃんも微笑んでいる、

 なんだかんだ言って憎めないというか、頼もしい肉だ。


(そのへん計算してやっているんだろうけれども!)


 転移テントでミストシティの侯爵邸まで戻る間、

 例の合同教会、女神像で一儲けしようとしている公爵について相談した。


「……やろうとしている行動自体、全面的に悪ではないデュフよ」

「ま、まあ遠くて来られない人の足を手配してくれてはいるんですよね」

「ようはボッタクリかそうじゃないかデュフ、ただ商売人は善意よりお金が多いデュフ」


 まあ、そりゃそうだ。


「ボリネー先輩は?」

「善意でお金、両方デュフ」

「あっ、なるほど」

「それに拝観ついでに遊びたい、楽しみたいというお客様は普通デュフ、

 お金の無い、純粋に身体を治したい人には他の観光や土産なしの弾丸ツアーを設定するデュフ」

「お客さんに合わせた料金設定か、先輩かしこいデュフね、あ!」「デュフデュフデュフ」


(口調が移っちゃった)


 こうしてお城に戻るとモリィさんの指示で領主謁見の間へ、

 どさくさまぎれ? についてきたボリネー先輩についでに相談だ。


「肉のアーティスト先輩、このくっそ硬い椅子、なんとかなりませんかね」

「これはこれで攻撃された時、すぐ動けるようになっているデュフよ」

「えっ、それでこんな仕様なんですか、じゃあせめてこの冷たさをなんとか」

「椅子の裏に温める魔石をつけたら、逆に熱くなるデュフね、座っていられないデュフ」

「つまり、これで我慢しろと」「国王陛下だってこういうので我慢しているデュフよ?」


 じゃあこの広い部屋の暖房は、とか色々やっていると、

 リア先生が入ってきて僕らに告げる。


「オプラス王が、あらためて感謝を申したいそうだ」

「あっはい、ボリネー先輩はそこらへんに転がってて」

「わかったデュフ」


 邪魔にならない離れた所でお付きの獣人が、

 アイテムボックスから巨大な丸いクッションソファーを出した、

 なんだその『肉をダメにしそうな椅子』は。


「では入られよ」


 オプラス王がレブル王子と一緒に入ってきた、

 とはいっても王子は僕のメイドエルフ三人にガッチリ介護されながら。

 さらに後ろはやや体調が戻った近衛隊長だかのダラスさんと副隊長アルアカさんも。


「このたびは本当に息子が世話になった、

 まだもう少しリハビリをさせてもらうが、いずれは連れ帰らせてもらう」

「うん、いえ、はい、大切なお子さん、王子様ですものね」


 一国の王相手に上の立場みたいにして喋るの、やりにくいなぁ。


「ナスタンもアルドライドとメランの共同統治とはいえ、

 ワシの好きなようにやらせて貰えて感謝しかない」

「その、内戦相手の領地はもう大丈夫なんですか?」

「新たな上が出来ても城ごと消されるとなると従わざるを得ないようでな」


 あービッグバンメテオで一発だからね。


(ここでちょっと無茶振りしてみよう)


「ボリネー=アビタラーナ殿」

「な、何デュフか急に?!」

「貴殿はナスタで商売を拡げたいそうだが、今回の内戦についてどう思うかね?」


 と、侯爵本人と侯爵家長男の、身分の違いをひけらかして聞いてみる。


「そうデュフね、年末、年の終わりに一騎打ちで統一して、

 新年一日や二日で周辺国との調整が終わる、不自然に早すぎるデュフ」

「はっ! 確かに」

「よっぽど裏で手回しを素早く入念に、的確にした人物が裏に、陰に居るデュフね」


 ……あー、それってもしかしてボリネー先輩?

 いや、アルドライド国王の根回しか、

 それともメラン国王が南方諸国へ一騎打ちの前から……


「ミストくん。話を進めてあげて」

「はいっソフィーさん! ええっとオプラス王」

「ミスト侯爵、お礼がしたい」


 おお、何かくれるのかな?

 ベルルちゃんが大好きな甘いお菓子とか!


「まあ、内容によりますね」

「侯爵は『準愛人の座』をひとつだけ空けていると聞いた」


 ぎくり


「も、もしや」

「友好の証、信頼の証拠として我が娘を、涙を呑んで差し出そう」

「い、いやいやいやいや、そんな、もったいない」


 ぜってーあの三女だ!!


「実はもう呼んである、アーチ! 入ってきなさい」

「うっほうっほうほうほうほー!」


 きたあああああああああああああ!!!


 ゴリラが嫁にやってきた

  だめ貴族だもの。 ミスト


「ボリネー先輩。貰ってあげて!」

「えっ、良いデュフ?!」

「どうぞ、どうぞどうぞどうぞ」


 押し付ける事ができるか?!


「……貸しデュフよ」

「は、はいいぃぃぃ」


 とりあえず肉塊様が上手くなんとかやってくれるらしい。


(よかったよかった)

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