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大学生の恋愛

作者: 住処

昨日まで聞いてた音楽が聴けなくなった。

昨日まで大好きだったバンドの曲は全部吐き気を催す程甘ったるかった。

こんな甘々でラブコールを繰り返すような曲を毎朝聞いてたと思うと昨日までの自分にビンタを入れて目を覚ましてやりたい。

なんでそんなやつと付き合ってるんだって。

そいつ浮気してるの気づけよって。

今日の朝だった。

今日はケイちゃんの誕生日で、朝からプレゼントを持って行って驚かせようと思った。

それで朝からケイちゃんの家に行った。モニターに映らないようにピンポンを押した。それが、良くなかった。出てきたのは、

知らない女だった。



そこからは、どうしたんだっけな。

相手の女の人は私のこと知らない感じだったけど。

明らかにお姉さんって感じでかきあげ前髪で。いつも白系統の私とはまるでまた逆な人だった。

お姉ちゃんとかかなって最初は疑った。けど見てしまった。ケイちゃんとおんなじネックレス。

ケイちゃんは大学で初めて会った時からずっとそのネックレスをつけていた。前に聞いたことがあった。そのネックレスいつもつけてるよねって。そしたら地元の親友にもらったんだって。ああなんで。なんでそこで私は詰めなかったんだろう。女の人かなって思った。思ったんだけどさ、聞けなかったよ。いいように言えば信じてた。けど実際は怖かった。


そのネックレスを彼女がつけてるのを見て確信してしまった。だんだん息が浅くなって行くのを感じた。それでまた、私は逃げた。怖かった。とにかくできる限りの早歩きで駅のホームまで来た。出来るだけ目を開いて、出来るだけ息を浅くして。駅のホームについてその時になってやっと全てが理解できた。私は浮気されてたんだって。なんなら私が浮気相手だったのかな。

友達が大学生の3人に1人は浮気してるのらしいよって言ってたのを思い出す。あのとき、少しよぎった不安は当たってたらしい。ケイちゃんはその3人に1人の1人だった。確かに付き合いだしたのはなんとなくでグループワークで一緒になって話が弾んで、それからLINEを頻繁にするようになって、2回2人で遊びに出かけた。2回目のときにケイちゃんから「付き合わない?」って言われて付き合い始めた。そのぐらいありきたりな大学生の恋愛、だった。それでも、6ヶ月付き合って一緒に映画を見たり、大学内で一緒に勉強したりして、私たちは大丈夫だって思ってた。なのに、



突然スマホが鳴った。ケイちゃんからの電話だった。その電話に出たのはほんの少し期待してたから、だったのかな。

「あ、霞?急にごめんな」

「ううん。どうしたの?朝から。」

普通に電話してくるのに驚いた。けどあまりに自然な感じで話してくるから私も頑張って平然を装った。

「あ、いや、今日霞、朝俺の家来りした?」

「...ん?どうして?」

少し声が震えてしまった。まだ浮気がバレてないって思ってるんだ。こいつは。

「あーいや。なんか朝誰か来てたんだけど俺起きるのしんどくて出れなくてさ。霞だったかなーって。」

「...」

「霞?」

言いたいことはたくさんあった。思いっきり怒鳴りつけてやりたかった。けど、もうそうするのは疲れる。もっと穏やかに平和で安全な恋愛だと思ってた。幸せな恋愛がしたかった。


「行ったよ。朝。ケイちゃん家。そしたら知らない女の人が出てきた。」


「あ、あのそれは...」



「私、まだ2人いるから。私、3分の1の1じゃなくて、次は2の方選ぶから。」

「心配しないで。それじゃ。」





電話を切って、一息ついた。リュックからイヤホンを取り出していつものプレイリストを流した。流し始めて、すぐ音楽を止めた。いつものバンドの曲が流れてきたから。全くこんなときに、AIは発達してるのに音楽のプレイリストは空気読めないのかね。そう思って他のプレイリストを流す。海外の女の子の洋楽。歌詞はなんとなくしかわからないけど今の私の心を強くしてくれた。

でも強い歌詞を聞いていると余計自分の弱さが浮き彫りになってきた。疲れちゃったな。もっと恋愛なんてしなくてもいいくらい強い人間になれたらいいんだけど。やっぱり誰かに寄り掛かりながら生きていたくなっちゃうな。少し笑いながら上を向いた。

「なんとなく、じゃダメなんだなあ。」

スマホの上に少し涙が落ちた。

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