スラムの道中にて2
今俺は友好的な他のスラムの組織のリーダーを前にしている。
最初はこいつもいくらロバートと親しくてもと警戒していたのだが、すぐにこいつも尊敬の眼差しに変わる。
いつも思うのだが、この能力は便利だがつまらないものだ。
「お前がここのリーダーか?」
「はいそうです。
ここのリーダーをさせてもらってますダウニーと申します。」
その男は体型はロバートにそっくりだ。
やはり同じスラムを生きてきたからだろう。
「お前は俺をリーダーと崇めるか?」
答えはわかり切っているがおれはあえて聞く。
半端儀式のようなものだ。
ではなぜ聞くのかと聞かれたら気分がいいからとしか答えようがない。
この能力に目覚めてからかなり経つのにまだ気分がいいとはおれも変わっているのだろう。
そんなことはずっと前からわかっていたことだが。
「もちろんでございます。
どうか我らのようなものでも傘下に加えてください。」
やはり予想通りの解答だ。
つまらないな。
「なら傘下に加えてやろう。
その見返りだが、食糧も分けよう。
そっちも老人はいないよな?
使い物にならないやつは必要ない。」
「申し訳ございません。
2人ほどいます。」
「なら、そいつらをおれの前に連れてこい。」
「は。」
そう言ってダウニーは2人の男女の70ぐらいの老人を連れてきた。
最初は何事かわからなかった老人2人だったが、俺と目を合わせた瞬間に大人しくなった。
そしていつもと同じく、俺に尊敬を含んだ目を向けてくるのであった。
「お前たちは役に立たん。
だから死ね。」
そう言うと老人たちは勝手に自分の首を自分で締め出した。
それを1分ほど続けると完全に力が抜けて死んだようだ。
普通ならこれに反対するような奴がでてくるだろうが、全くそんなやつは現れない。
なぜならこの場は俺に本当に心の底から忠誠を誓ったやつしかいないのだから。
「さてと、やることが終わったから帰るぞ。
お前たちダウニーそスラム組織は後で俺たちに合流しろ。
わかったな?」
「は、了解しました。
それでは早速移動の準備をしますのでここで下がらせていただきます。」
そうしてダウニーは下がっていった、
「ちなみにお前たちスラム組織で最大の勢力なのはどこだ?」
「以前ではここから北西に10キロほど向かったさきにあるベクター家の組織が1500名で最大組織でしたが、今はダウニーのところの約1000名を加えて2000名の我々の組織が最大です。」
「そうか。
ならこれからどんどん統合していくか。
と、その前にダウニーのところの奴ら全員と顔を合わせなければいけないな。」
次なる目標に確実にことを俺は進めいく。