食糧工場にて
俺はあの男ロバートと会った後にある食糧製造工場に来ていた。
もちろん付き人2人とともに。
工場はかなりの大きさで色合いは黒色で俺がイメージしていた工場そのものだった。
工場の入り口に守衛室のようなものがあり、入口から入る人を警備している。
俺は守衛室に近づくと警備員に話しかけた。
目を合わせたとたん警備員の表情が変わった。
さっきまでの疑うまなざしからいつもの尊敬に似た目になった。
「俺を早速中に入れろ。」
「は、どうぞお入りください。
私もついていきましょうか?」
俺はどっちも良かったがボーイッシュな髪形をした付き人の一人であるマリーにこう言われた。
「おこがましいかもしれませんが発言してよろしいですか?」
「なんだ、発言を許す。」
「は、この警備員についてこさせた方がいいと思います。
最初にどうしても怪しまれる気がするので。」
「まぁ確かにそうか。
じゃあついてきてもらうか、おい、おまえついてこい。」
「は、ではまずどこに行きましょうか?」
「まず全員集めてくれ。
大きな広場みたいなところに。」
「了解しました。
そうですね、今日社長が来たことにして呼び出します。
すいません、社長と同列にして。
しかし、これしか方法がありませんので。」
「構わん。
俺は何と言われようと作戦のためならいい。」
こういうと付き人2人がなんてことをと言い出したかもうめんどくさいから黙らせる。
「じゃぁ早速呼び出せ。」
そう言うと放送が流れ始める。
「工場に皆さん、
いま社長がいらっしゃったので中央広場に集まってください。」
こう放送すると工場の中にいた人が続々と出てきて広場に向かっていた。
この間に俺は10人ぐらいの人と目を合わせていた。
みんな最初はこいつだれかと言うような眼を向けていたのに最終的には尊敬の目を向けてきた。
「では、そろそろこちらに向かって中央広場に移動していただきたいのですがよりしいですか?」
「もちろんだ。
それで聞きたいのだが、個々の従業員は全員で何人ぐらいいるんだ?」
「そうですね。
まだ来ていない従業員を含めると800人ほどで、今来ているのは600人ほどです。」
「そうか。
まぁじゃぁ移動するか。」
そういって移動していく。
さすがに近づいていくと工場の迫力が増した。
もともと中央広場が守衛室から10分ほどのところにあるのですぐについた。
これから従業員を自分の手ごまにしていく。