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せめてもうちょっとマシなものに生まれたかった

作者: ちる

書きながら背筋がぞわっとした


私は転生した

そう、最近はやりのよくある話だ

私の悲劇を除けば…


生まれて目を開けた瞬間私はあらん限りの声で悲鳴を上げていた


「キーーーーーーーーー!!!!(いやーーーーーーーーー!!!!)」


それに周りのやつらは驚いたようにい飛び跳ねていたが私はそれどころじゃない

今までにない速度でその場から逃げ出した


頭の中はぐちゃぐちゃで何が何だかわからない

その状態で走っているとどこかの部屋に出た

そしてふと横を見ると鏡がある

そこには…


「キーーーーーーーーーー!!!!(いやーーーーーーー!!!!)」


そう、知らない人はいないであろう存在

その名もゴキブリが映っていた

もういっそ気を失いたかったがまあ、さきほどさらにきつい光景を見ても大丈夫だったため気を失うことはなかった


試しに動いてみるがやはり鏡の中のそれも私と同じ動きをする


絶望に染まった

そうしていると部屋の主が戻ってきたらしい

ドアのあく音がした


「きゃーーーーー!!」


部屋の主はかわいらしい悲鳴を上げ部屋から去った

きっと私を殺すための増援を呼びに行ったのだ

気持ちはよくわかる

私でもそうする


(このままだと殺される、殺されるけど…)

いっそ殺されてしまえば私もこの体から解放される

考えているとさっきの子が増援をつれて戻ってきた


「どこだい?」

「あそこ…」


私を指さす

「まだ生まれたての奴か…

他にもいるなこれは」


ええ、とっても沢山いたよ…

気絶したいレベルでね…


「うごくなよ~」

男が武器ハエたたきを持ち上げそのまま…


「キー!(やっぱ殺されるのは怖い!)」

間一髪よけた

しかしもう一撃が迫ってくる

ここで必殺技だ!


ブーン


「くそっ!」

「きゃー!!!!」


悲鳴を上げる気持ちわかります

そのまま空いていた窓から飛び出した


(ああ、外だ)


そう、ゴキブリ屋敷とおさらばした瞬間だった

そして地面の上に着地

(これからどうしよう…)

虫なんて食べたくない

だったらどこかの家の食べかすでも狙うしかない


さっきの家はだめだ

Gの数が多すぎて気持ち悪すぎる

そう考えた私は別の家を狙うことにした


しばらく歩いていると

「シャーーー」

横から何か聞こえた

嫌な予感がして飛ぶ

そして下を見ると大きなムカデがいた

(食べられるのだけは嫌!)


そこからムカデとの追いかけっこが始まった

必死に逃げるがムカデのほうが足は速い

ピンチになったら飛んでいるが疲れてきてもうあんまり持ちそうにない


(もう、だめ…)

その時だった

前足が踏んだ地面の感触がおかしい

(これは…)

気づいた時には遅かった

前からくるタイヤらしきものが見える

私は死を悟った


プチ


来世はもうちょっとマシな生き物に生まれたい

そう思ってしばらくして私の意識は完全になくなった


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