メインヒロイン
次は展開を左右する脇役の存在だ。序盤は本当に必要な数名だけで進めていくのが望ましい。その方が、覚えてもらいやすく、愛着も湧くことであろう。主役の次に重要な脇役。それはメインヒロインだ。言うまでもない。なろう系ハーレムの礎となる最初の犠牲者とも言う。ここでも異論を認めよう。つまり、なぜ主役が男でヒロイン扱いが女なのかという問いに対し、こう回答できる。女の逆ハーレムなんて、書けない上に読みたくないからである。女主人公には一途でいてほしい。男主人公にはハーレムでいてほしい(妬むまでがセット)。例外異論はあれど、基本的にはこうなのである。したがって、男主人公にメインヒロインから始まるハーレム物語が大まかな道筋となるだろう。
今この場に、メインヒロイン足り得るキャラを召喚してみる。容姿について今は特に定めない。セリフから各々が想像をしてみてよい。
「わたしにできる事があれば、なんでも言ってね。力になれるよう頑張るから」
優しさがあり、主人公に対して一途な想いを寄せている彼女をAとする。次。
「さっきから一人でブツブツと煩いんだけど。ほんと気持ち悪い。黙らないなら早くどっか行って」
主人公に対して嫌悪すら抱いている彼女をBとおく。彼女は過剰な例ではあるが、このような場合でもハーレム化できるのがなろう系のいいところである。まあなろう系に限らないけれど。
「でも私って、可愛いじゃないですかー。だからメインヒロインてぴったりだと思うんですよねー」
あざとい。かどうかはさておき、彼女もまたハーレム構成員である。計算型天然系かわいいもまた、なろう系が生んだスペシャルな属性であるといえる。Cとおく。厳密にはなろう系ではないのかもしれない。誰と提示することもできない。そう俺はなろう系に詳しいわけではない。いやむしろ新しいなろう系を作っていく側なのだ。多少の誤差も、誤魔化せる。異論は認める。
「は?」「あたしがあんたの手伝いなんかするわけないでしょ。バカじゃないの。」「…まあどうしてもっていうなら…いいわよ」
D。語る価値もない。いや価値がないのではなく、必要もない。と表現するべき。さまざまなメインヒロインテンプレがあるなかで、これ以上わかりやすいものはないだろう。これに異論を唱えるものはいるのか?
あるならば教えてくれ。それが俺の知識となりなろう系の血肉となる。
さあA〜Dまで挙げてみた。至ってシンプルな彼女たちである。これにテンプレ+テンプレで新たなテンプレを作るもよし。独自の路線を作るもよし。ひとまず認められるメインヒロインで、なおかつ愛し愛されるメインヒロインでなければならない。でなければ、展開の行く末が行き止まりとなってしまう。ダンジョンの最奥地に必死の思いで到達したにもかかわらず、その宝箱が空だったときの絶望やいなや、救いようもない。そんな作品が読み手に渡ってはどうしようもないのである。なぜなら売れないから。
結局は王道の王道が一番であろうが、そればかりではつまらないかもしれないので、閃きに頼ることとする。
むしろ、ある程度の描写・セリフに抑えておくことで、読み手に自由解釈をさせる方法も可能か。難しい手法ではあるが、ある意味簡単である。挿絵とか無いし。描いてくれるんならやぶさかではない。ほら誰か描いてよ。
ということで、今回はメインヒロインにこだわってみたが、解決しそうにないため、次回に持ち越しとする。