ファーストインプレッション
物語の冒頭というものは、読み手にとって一番重要であり、その作品の評価を決めてしまうこともある。ファーストインプレッションは、何事においても重要なのだ。例えば、容姿が優れていたりだとか、もろもろを掻き立てられるナニであるとか、そういったものが十分なインパクトを与えるものだ。
しかし、なろう系は一味違う。主人公たちは平凡な顔つき、貧相な身体など、インパクトを与えるべき部分で必ずといっていいほど低レベルの評価を下されている。またそのように表現されている。何故なのか、答えは簡単である。その方が、メインとしたいなろう系部分を強調できるからである。もちろん例外はある。そのあたりは各なろう系の戦略と言えるだろう。“かっこいい→冷静→強い→さすおに”となったりするわけである。
とまあここまで適当に並べてみた訳だが、今回俺が決めるべき内容はこれだ。主人公自身にインパクトを与えるか否か、だ。
ここに二人の主人公がいるとしよう。一人は精悍な顔つきで小柄だが、芯のある性格をしている男A。もう一方は醜い顔つきで体つきもブヨブヨ。しかし根は優しい性格をしている男B。この二人の展開を少し予想してみる。
Aは銃器、柔術または剣術が扱えるように師匠が特訓してくれたり、それなりに可愛い旅のお供であるとか、それなりに可愛い町の娘であるとか、そういうのが次第に増えていき結局モテハーレムとなっていくことであろう。当然である。今のなろう系はハーレム路線と切り離せない関係にある。そうすることで、行き詰ってもハーレムしておけば時間稼ぎができるし、読み手もそういうのが欲しかったりするしでWin-Winなのである。例外異論は認める。
Bは恵まれない容姿から、序盤こそ劣悪な待遇を受けることであろう。なにかしらのどん底から這い上がっていくサクセスストーリー的なろう系や、特訓の成果からAのように進化していく展開もあり得る。しかしどちらの道を辿ろうとも、結局はモテハーレムに通じていたりするのである。性格が残念な主人公でも、ふとしたキッカケで手のひらを返すヒロインだって居るはずだ。そりゃそうだ。なろう系だもの。プロローグにも書いた通り、俺は批評してバカにしているわけではない。念押しをしておく。
Aから行こうとも、Bから行こうとも、結局はモテハーレムなのである。紆余曲折を経て、物語の核心に迫ったところで、結局はモテハーレムなのである。今回の考察によって、なぜかモテハーレム路線を含むことが決定しそうだが、俺に表現できるかは別の問題なので一旦置いておくことにしよう。
さて、多少逸れてはしまったが、結論からいこう。終着点が決まっている以上、どの道から進もうと大差ないので敢えて決めない、事にする。BからA、AからB、からのAなど展開は自由である。読み手に飽きられた展開であっても、それを貫くことが大切なのだ。王道は王道なのだ。なぜならそれがなろう系だからである。