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さやまはうちゅうじん  作者: 青木 香
1/1

退屈はじめの

2時間目が終わり、少し長い休憩に入った。今日はまだ係決めしかしていないが、最近ずっとクーラーにのついた部屋にいたせいだろう、すでに疲れはピークにきている。教室の男子はほとんどがドッヂボールをするための準備をしている。ぼくは球技が得意でないので、おとなしく図書館で借りた本を開く。

「おい。たくとー」

席の後ろから聞きなれた声が近づいてきた。健君だ、多分草太と悠貴も一緒だろう。

「おーい。もしもーし」

「聞こえてるよ、何度もいわないでも」

「じゃあ返事くらいしろよ」

僕が本から顔を上げると、すでに机の横に3人は立っていた。

「このまえ、お前がいなかった時に3人で考えたんだけどさ。ここの4人と佐山とで探検いかない?」

『佐山』

遊びの提案に僕の話したことのない佐山くんがでてきて少し疑問を持った。

「探検に行くのはいいけどさ、なんで佐山も連れてくの?」

「だって宇宙人だから! 」

周りより背の低い草太が教室中に響く元気な声で言った。

佐山君が宇宙人。聞いたことのない話で拓人は訳が分からなくなった。


詳しく悠貴に話を聞くと、事はこんな具合だった。同じクラスの佐山君は滅多に人と話さない男子だ。そんな佐山を健くんと草太は『きっと佐山が宇宙人だからだ!』と言い出し、今回の探検を提案したらしい。今回は佐山くんが宇宙人であることを暴くための計画なので、宇宙人ならUFOを呼べると言うことで、天体観測に行くつもりらしい。

ちなみに拓人は佐山宇宙人だと思う?と悠貴に聞かれたが断固否定した。宇宙人なんて絶対いない。

「でも佐山には誰が誘うの? 俺らの中にしゃべれる人いなくない? 」

健くんが答えた

「おれが朝聞いたけど、行くって言ってた」

「あれ? 佐山何もいってなくなかった? 」

「うるせえ。多分イエスって意味だよ」

「で、探検の続きだけど、俺まだいつどこでの話か聞いてないんだけど」

「俺も」

悠貴が言った。悠貴にさえ言ってないのか。

「今日って4時間だろ? 学校終わったら夜まで寝て河川敷にすぐいこーぜ」

健くんは多分まだ夏休みの気分だ。明日から授業があるのに夜更かしするつもりでいる。普段なら僕と悠貴がこんな提案却下することだが、僕も悠貴も少しワクワクしているんだろう。今日は何一つ忠告しない。

授業開始のチャイムがなった。

「じゃあ今日の夜俺ん家集合なー!」

後で会おう。と付け足した健くんに、はーい。りょうかーい。と散り散りに返事をしてみんな席に向かった。

健くんが下校時間でもないのに後で会おうと言ったのは、夏休みの宿題をやってないため、これからそれをする時間がみっちりあるからだ。

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