表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
別れ  作者: 木崎 るか
2/9

CASE 2-1

ショート×2【第二弾】サブタイトル2-1が示すとおり続き物です

「彼女?」

 横で話し終えた男が携帯の電源をOFFにする。

 多分、彼女・・・今は私と付き合ってるから元カノになるんだけど。ヒステリックな声がここまで聞こえた。

「いいの、切っちゃって?」

 彼はただの友達だからっ、て肩をすくめた。言って、私の顔見て笑ってる。携帯をポケットにつっこむと馴れ馴れしく肩に手を回してくる。

 付き合ってるんだからナレナレシイって表現は変かな?

 十二月。

 私の生まれた月。

 目をひくショーウィンドウを覗き込む。

 緑・赤・白・金・銀etc,etc……

 モチーフはクリスマス。

 彼が、急に足を止めた私の顔を覗き込んでくる。

「なに?」

「クリスマス・イブ。あけといてくれた」

 耳許で囁く声。甘く、優しい声。

 まったく、この声で何人の女をおとしてきたんだか。

「どうして?」

「どうしてって」

 首をまわし視線を合わせる。

 彼の目にすねた色を見つけ、視線を再び硝子の向こう側へと戻す。

「ちゃんとあけてるよ」

「よかった」

 腰にまわした腕がきつくしまる。

「苦しいよ」

「則子さん、オレのことどう思ってる。キライ、じゃないよね。キライなヤツと付き合ったりしないよね」

 ガラス越しに不安げな顔で「ご主人様ボクのこと嫌いにならないで」と切実に訴えてくる子犬のような瞳をしている。本人無意識なのか意識的なのか。

「バカね。キライなわけないでしょ」

 困ったように笑う私にまだ不安そうに言い募る。

「ホントに?」

「ホントよ」

 笑顔は穏やかに、作りすぎないよう、くだけすぎないようにあくまでふんわり優しく包み込むように。

 ポイントは目ね。力を入れる過ぎると悪戯っぽくなったり、冗談っぽくなるから注意が必要よ。

「いきましょう」

 いつまでも引っ付いている男を促し街の雑踏の中へ溶け込む。



 期限はクリスマス。

 本当ならアノヒトと一緒にいる予定だったんだけど。

 私は笑顔の下で深い溜め息をついた。

季節感も考えず載せてしまいました(汗

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ