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4話:クラスメイトは美少女ってマジすか

さて…ここがAクラスか…

紅葉との気不味い空気の中ではあるが無事に教室の前まできた。


「ご、ごめんねぇ。なんか。あはは。とりあえず教室いこっか!」


紅葉が無理に笑ってくれたのがわかった。それを見て俺は何故か胸が締め付けられるような感覚に襲われた。


そんな不安をよそに教室に入った。Aクラスとかランク分けされているくらいであるから、豪華なのかな?と、少しワクワクしていたらそんなことはない至って普通の教室であった。


けれども、違う点というよりも違和感は多かった。クラスにいる人いる人が、なんというのだろうか。オーラが違った。いかにも勉強とかスポーツが出来ますよって人の集まりというのがわかった。


(これやっぱり俺絶対に場違いだよな…)


なんて思いつつ、紅葉と一緒に席に着いた。窓際の一番後ろとは、何ともラッキーな席である。

紅葉は有名なのか、コミュ力が高いのか他の友達の元へ行ってしまった。


暇なので教室の人間観察をしてみる。なるほど…なるほどね。クラスの8割は美少女であった。こんな天国はあったであろうか。しかし、男であるという事実を抱えている俺には生き地獄である。ここが、天国と地獄の狭間か…うーん深い。


その中でも一際目を引く人物がいた。自分の2つ前の席。ハーフなのであろうか、綺麗な金髪にお人形さんのような顔をした人物がいた。窓際の席で外を見ている。春の風が綺麗な金髪をなびかせて何とも幻想的な絵になっていた。


(うーん…ハラショーとか言いそう)


何て思いつつ見惚れていると彼女と目が合った。

彼女は、笑顔で返してくれた。俺は無論心の中でガッツポーズをした。


だって嬉しいじゃん!超絶美少女が目が合っただけでニッコリだぜ!


って、え?あれ?彼女近づいて来てね?

そう気付いた時には、彼女は俺の席の目の前にいた。


「コンニチハ」

彼女に挨拶をされた。やはりハーフか、外国の方なのであろうか?片言であった。


しかし、目の前で見るとやはりというか何というか…

とにかく美人。美少女。聖女である。

うーんスバラシイ。


「こんにちは。私は、春野 美樹って言うんだ。君は?」

簡単な自己紹介を済ませる。


しかし、これは断じてナンパとかそういうのではない。俺は今は女子。近付いて来たのは彼女。

そう心に言い聞かせた。


「えト…ハルノミッフィー?」


「誰がミッフィーだ。私の鼻があんなバツじるしに見えるのか。春野 美樹だ。」


「デルヨ…ミキ?」


「春野 美樹って言ってんだろ!なに?出るよ美樹って!下ネタしか思い浮かばねえよ!?」


「下ネタとかヤメテクダサイ。」


「どう考えても君の聞き間違いが原因だよね!?それになんで下ネタは流暢に聞き取れてんの!?何で下ネタは流暢に喋れんの!?」


「オチツイテクダサイ。焦らなくても、下ネタは逃げマセンヨ?」


「焦ってねえよ!?いや、確かにミッフィーだとか下ネタ振られて焦ってるけど、焦ってねえよ!?てか、下ネタ逃げるって何!?初めて聞いたよその表現!」


「アハハ!日本人やっぱりオモシロイ!」


「何自己解決してるの!?」


「日本すき!!!」


「それは良かった!何かありがとう!ところでお名前は!?」


「トコロテンのオ○ホは?」


「アウトォォォ!アウトだよ!てか、どう頑張ったらお名前がオ○ホに聞こえんの!?僕わかんない!お!な!ま!え!」


「なまえですか。それならそうと初めからイッテクダサイミッフィー。」


「初めから言ってるよ!?ややこしくしたの君ね!あと私は美樹ね!」


珍しく興奮してしまった。

興奮ってエロい意味ではないよ。


少し声を荒げてしまったので喉がイガイガする。しかし、この子は会話を聞く限り日本人ではないらしい。


可愛い顔をしているがここまでボケ倒されると何か残念なものを感じる。まぁ本人は真剣なんだろうが…


当の彼女は何がおかしかったのか、腹を抱えて笑っている。

しかし、冷静になって見るととても可愛い。


「とりあえず、名前を教えてもらえるかな?」


彼女が落ち着いたところで再度質問を投げかける。


「ワタシハ、ロシアから来ました。ヴルーベリ ソフィアといいます。ソフィーって呼んでクダサイ。」


ようやく自己紹介が済ませられる。ここに辿り着くまでにとても体力を使った気がした。


しかし、何はともあれ自己紹介が済んだのだ。これで晴れて友達なはずである。


「よろしくソフィー」

「よろしくミキ」


俺たちは握手を交わした。


そんな時である。

「ほら〜お前ら席につけ」


先生であろうか。教室に入ってきた。その姿を見てソフィーと顔を見合わせた。


どう見ても10歳くらいの幼女にしか見えなかったからである。


「ハラショー」

「ハラショー」


この言葉が2人して綺麗にハモり、初めてソフィーと心が通ったような気がした。






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