1話:入学しろってマジすか
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俺は恋をしている。相手は3歳年上の従姉妹だ。髪は黒髪でロングで上品に、目はパッチリとした二重、鼻はシュッとしていて、スタイルが良く、私立白百合花園女学院という頭が良いと有名な女子校で生徒会長をしている。
この完璧超人とも言える相手に恋をしている。小さい頃からその背中を追いかけて来た。届かないその背中に。
季節はもう2月。雪がパラパラと降っており受験シーズンを迎えている。俺も中学3年生という身分なので受験生という扱いになる。しかし、まだ志望校は決まっていない。それに、俺はバカだ。行けても私立か3流高校であろう。
しかも、今は勉強に集中なんてしていられない。なんて言ったって憧れのあの人が家に来ているんだから!!
「幹くん〜お風呂あがったよ〜次入っちゃって〜」
早速お呼びが掛かる。お風呂が空いたらしい。…ん?まてよ?お風呂?お風呂…お風呂…お風呂空いたよ?てことは、百合姉さんの残り湯!
「うん!百合姉さん!すぐ入るね!」
いつも普段なら面倒臭がり最後に入るお風呂なのだが二つ返事でオッケーをした。
俺は、着替えを持ってお風呂場へ急ぐ。頭の中にあるのは、そう。もちろん。残り湯だ。あの百合姉さんを包んだお湯に俺が包まれる。あぁ、素晴らしきかな。なんて、考えているうちにお風呂場へついた。
「百合ちゃん!お風呂気持ちよかったね!」
「ゲッ…」
リビングから聞こえるその声に思わず声を漏らしてしまった。声の主は妹の椿だ。春野 椿。中学2年。俺の一個下だ。俺らは、とにかく仲が悪い。顔も見たくないレベルだ。あぁ、百合姉さんの神聖な残り湯かと思いきや椿も入っていただなんて…
異物混入とはこのことである。
とりあえず、俺は風呂に入ることにする。
「あ〜」
思わず声が漏れてしまう。全身の疲れが抜けて行く。とても、気持ちが良い。これでこの湯に椿さえ入っていなければ最高なのに…
そんな事を思っているうちに30分ほどであろうか?時間が経ち逆上せそうになり風呂から出る。
風呂から上がり髪を乾かしリビングへと行く。食卓には百合姉さん、椿がおりテーブルの上には味噌汁、ご飯、焼き魚、卵焼きが置いてあった。
「幹くんごめんねぇ。こんな簡単なもので。」
なんて、百合姉さんが言う。いやいや、とんでもない。俺にとってこれ以上の幸せはない。百合姉さんは今、海外に出張へ出ている両親の代わりにこの家で家事をしてくれている。なんでも学校がお休みなんだとか。
高校生って休み多いのかぁ…などと感心する
「いやいや!僕は百合姉さんのご飯が食べれるだけで幸せです!」
俺は、高らかに宣言をする。
「あらあら、ありがとう。」
うふふと百合姉さんが笑う。あぁ…なんて可愛らしいんだろうか。抱きしめたくなる。そんな事を思っていると…
「バッカじゃないの…鼻の下伸ばして気持ち悪い」
横槍を入れてくる奴がいた。これには、流石に俺も怒りを覚え言い返す。
「うるせー。悔しかったら百合姉さんみたいなナイスバディな美女になってみやがれ。」
「はぁ!?別に悔しいとかじゃないし!ただあんたが気持ち悪いって言ってんのよ!」
「うるせー貧乳。」
「ひ、ひひひひ貧乳ちゃうわ!今に見てなさいよ!まだ私だってね中学2年なんだから!これからなんだから!」
妹が赤面しながらこれ以上ない勢いで突っかかってくる。
そんなやり取りを見て百合姉さんは笑っていた。流石に俺も恥ずかしくなってきたので、口論をストップする。口論がひと段落したところで百合姉さんが話しかけてきた。
「ねぇ幹くん。ちょっとお願い聞いてくれるかしら?」
「はい!よろこんで!」
俺はもちろん即答をした。
「あら、ありがとう。確か幹くん志望校決まってなかったわよね?」
あー、と俺は思う。お母さんとかに頼まれて志望校決めろとかそういう催促か…確かに決めなければいけない時期。というよりも決まっていて当然の時期だしな…
「はい…」
と、俺は小さな声で俯きながら静かに返す。
「そう!それは良かった!ねぇ幹くん。うちの高校にこない?」
…え?百合姉さんに言われた斜め上の一言に思考が停止した。
「えぇと…まって下さい。百合姉さん。」
「あ、受験の心配とかなら心配しなくていいわよ。」
百合姉さんが俺の言葉を遮り返してきた。
心配してんのはそっちじゃねぇぇぇぇ!
「百合姉さん女子校ですよね?」
「そうよ?」
これも、即答。むしろ何か問題ある?みたいな目で見てくる。
「俺男ですよね?」
「えぇ」
これも即答。
「えぇと…なんで?ってか無理じゃね?」
「何でって…面白い…から?あ、無理じゃないわよ!私生徒会長ですから!」
うん!意味わかんない!