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魔王と王妃

 高い岩山の頂点に建てられた魔王城は、招かれる客人も限られる。各魔族の長とその家族、それとは別に名の知れた個体。彼らを招くだけで、大広間は程よく満たされる。

 魔界は魔王が治める一つの国で、魔族の長は人間で言う領主の位置づけとなる。鳥族の長一族が空を飛んで大門に飛び入り、犬族夫妻は魔王城前の長い橋をわざわざ歩いてきた。他にも多種多様な特徴を持つ魔族が集う。城の皆が忙しそうにしている物音を、エレノアは聞いていた。

 魔王ルイの就任記念祭。

 ルイがビスを倒した日。この日付に祝宴を開くなんてと若干の意見は上がったけれど、他でもないビス自身がこの日を選んだのだ。ルイが実際に就任した日こそ違えど、ビスは「おれが負けた日からルイは既に王だった。おれの中ではそうだにゃん。異論は認めないにゃん」と意見を曲げなかった。

 細かいことは気にしない魔族たちは、強者の意思を受け入れた。

 かくして本日。就任記念祭開催と相成ったわけである。


「祭りっていうか、ようはパーティーだよね」

「お城の中ではそう思われるのも無理はありませんが、けれど魔界中がお祭り騒ぎと聞きました」

「すごいね、それ」


 エレノアは自分の部屋で、マーシェに着替えさせられていた。

 トルソーに飾られていたドレスを着用し、化粧を施される。

 衣服に興味はないし自分の就任を祝う気もないルイが、彼女のドレスだけは手を抜かなかった。

 光が当たれば青みがかる、月のような黄金の瞳。褪せない金髪。それに魔力の青色。ルイは自分の色を彼女のドレスに用いて作らせた。ホルターネックのぴったりとしたラインだが、太腿から下はチュール素材やシルクで膨らんだマーメイドライン。エレノアが最も魅力的に見える装いだった。

 銀髪は巻いて右肩に流し、いつもの髪飾り――呪われているためにこれだけは外せない――も着用している。ネックレスは白金製だ。耳にも何か着けるのかと思ったけれど、マーシェいわく「陛下が、耳には何も着けないようにと仰せです」とのことだった

 ラメの入ったショールを羽織って、自分を鏡で確認する。普段とは違う装い。勝負服のようだった。

 どうせ行動するなら、この日と決めていた。


「……大丈夫だよね」


 自分がやるべきことを見つけた。それだけでこの数日間、エレノアは変に清々しかった。そのおかげで彼にたくさん甘えたし、甘やかされたし、以前よりは明るく過ごせていた気がする。そんな充電期間も、もう終わりだ。

 覚悟の時間は十分にあった。

 窓の向こう、明るい月光の中に豪奢な金髪が靡く様を思い出して、エレノアは口の端を緩めた。


 ――頑張るからね。


 頑張ってくださいね。

 空耳が聞こえた。


「さて、今日は初めての夫婦喧嘩記念日になるのかな」

「え……?」


 意気揚々とドアを開けた。長い階段がある。高い塔の最上階から最下層までを繋ぐ、途方もない長さの螺旋階段。エレノアはその場からふわりと飛び降りた。太腿までぴったりと沿うスカートだから、変に捲れ上がる心配もなかった。

 上から「エレノア様っ」と呼び止める声も、ほどなく遠ざかって聞こえなくなる。申し訳ないと思いながら垂直に落ちた。羽を大きく広げた。

 侍女の声はもう聞こえない。

 最下層に、苦笑交じりの夫が待っていた。


「じゃじゃ馬ですね」


 言いながら、天から舞い降りた風情のエレノアに手を差し出す。彼女はその手を引いて、覆い被さるように抱き着いた。


「待った?」

「いま来たところです」


 ルイの後ろに控えていたビスが、「万年新婚夫婦」と苦々しい顔でいる。

 彼は普段と似た形だけれど、真っ白な服装をしていた。耳にも青いピアスを着けていて、髪の分け目も替えている。こういう格好してるとほんとに王子様だなあと、エレノアはしみじみ思った。

 彼はエレノアのドレス姿を眺めて、その場でアクセサリーを作り上げる。青い魔石を用いた耳飾り。


「……これ」

「イヤリングです。耳に穴を空けるのは痛いでしょうし、ピアスはやめておきました。そのドレスに合うものを作ったつもりです。どうぞ見てみてください」


 言われるままに、ルイの手の平のそれをまじまじと鑑定する。


『魔王の魔石A

  魔王作、青い魔石。

  効果:持ち主が一定以上のダメージを受けると、強力な結界を張る。

  売値:50,000,000クラン

  備考:彼が三秒で作った。愛情たっぷりだよ』


「よかった、ごひゃのろじゃない。でも高くなってる」

「以前から思っていたんですけど、その『ごひゃのろ』って何なんですか?」


 彼の手で耳にイヤリングを着けてもらいながら、侍女への指示はこのためかと合点がいった。両耳に装着されたそれは、エレノアが少し顔の角度を変えればきらりと揺れる。


「似合う?」

「とても素敵です。……こうしてドレスを用意しておいてなんですが、無理にパーティーに出なくてもいいんですよ?」

「ううん、出るよ。立ってるだけなら私にもできるから。お飾り王妃はお飾りなりに頑張ろうかなって」


 エレノアの言葉に違和感があったのか、ルイは「はい?」と無防備に聞き返した。

 彼女は穏やかに彼を見上げて、


「あのね、後で話があるの」

「離婚は嫌です」

「え?」

「絶対に嫌です」


 ぷい、と顔を背ける彼に困って、ビスにアイコンタクトで助けを求めた。「ちょっとナイーブなお年頃だにゃん」と死んだ目で返されて、エレノアはそういうものかと納得しておく。


「離婚とかじゃないよ、ただのお願いだから」

「本当ですか? 実は僕も、君にお話ししたいことがあったんです」

「そうなの? なあに?」

「それも後で。時間です」


 時間です。かつて無理に血羽が作られていた時、その言葉はエレノアを深く怖がらせた。苦痛が始まる合図だった。けれど今は、楽しいパーティーの合図。


 ――最初は白いワンピースだった。次に人間の女性の格好もした。一般的に量産されているものだった。次は黒いワンピースで、その新鮮さに喜んだ覚えがある。そして今はこんなに素敵な、特注のドレスだ。


 途中までついてきていたビスが、いつの間にか消えていた。

 エレノアは彼の隣を歩く。城の廊下を、自分の足で踏み締める。


 ――対等になろうと思う。

 ――夫婦喧嘩も家族喧嘩も主従喧嘩もしたことがない私たちは、いつだって、本当の意味での対等ではなかった。


 両開きのドアの前で一度止まり、彼の腕に手をかけた。ドアを一枚挟んだ向こうで、ざわざわと大勢の声が聞こえる。


「ひとつ! 今どんな冷戦中だって、種族間の喧嘩とか禁止!

 ふたつ! 暴れたかったら外に出て!

 みっつ! ルイとエレノアさんを怒らせない!」


 ビスの声だ。ドアの向こうでパーティーの注意事項のようなものが読み上げられる。


「では! 魔王ルイ様、王妃エレノア様、両陛下のご入場でーす! にゃん!」


 少し緊張感の欠けた声にくすりと笑う。猫の少年はこれを言うために先に会場入りしたらしい。小さな体がちょこまか頑張る姿を思うと、微笑ましかった。

 重そうなドアが開いていく。

 会場の煌びやかな灯りが、こちらに射し込む。


 ――対等でなければ伝わらない想いがある。

 これは異種の番だとか主従であるとか、そういう問題ではない。エレノアの気持ちが捻じくれず、正しく伝わる高みに、自分から登っていかなければ。思えば、それは以前からエレノアの中にあった考えだ。同族殺しとして、同じだけの痛みを負おうとした。それも対等には違いないけれど、とてつもない間違いだったと今ならわかる。あれではエレノアの平穏を願った彼の想いを踏み躙っただけで、ただの独りよがりでしかない。


 ――もっと私らしく、清楚キャラは清楚キャラらしく、妖精は妖精らしく。


 前を見る。背筋を伸ばす。俯いてなどいられなかった。

 明かりの中に踏み出していく。こつ、と進み出す足、まるで新しい世界に飛び込んでいくようだ。己の中の小さな覚悟を、エレノアは改めて自覚する。

 壇上から見下ろすと、様々な身体的特徴のある魔族たちが集っていた。獣の耳、尻尾、鱗、他にも様々だ。


「陛下!」

「祝いの場をありがとうございます!」


 彼らが、今のルイの配下だ。ルイと謁見したことのある魔族が多いけれど、エレノアは彼らを遠くからしか見たことがない。

「王妃様だ、初めてお顔を見られた」「本当に妖精なのか」「なんて美しい」「魔王様の魔力で生きているのよね、羨ましいわ」

 様々な声が聞こえる。

 エレノアは王妃として、彼らに祝福の笑みを送った。





 体が大きいのと小さいのでどちらが楽かといえばもちろん「その場の状況による」としか答えられないけれど、室内で飛ぶ時は小さい方が楽だ。体重、羽の大きさ、空気摩擦、様々な条件が複雑に絡み合って飛行するわけだけれど、当のエレノアはそんな難しいことを考えたことはない。なんとなく、小さい方が楽だなあと思う。

 ドレスを脱いで身を清めたエレノアが、ルイの私室に飛んでいく。

 小さな妖精とすれ違った魔族が二度見するが、気にしない。

 大きなドアの前で止まって、


「あけてー!」


 てしてしてし、と手の平で叩いた。

 こうしてわざわざ彼の手を煩わせる。体を大きくすれば普通に開けられるけれど、面倒くさかった。それに忘れていた無邪気さを思い出したかった。自分は彼に遠慮するような水くさい妖精ではなかったと、今だけでも確認したかった。


「エリー?」


 魔王の意思一つで操れる扉を、彼はわざわざ手で開けて迎えてくれた。それだけのことに嬉しくなる。


「君なら僕の許可がなくても入れるようにしているはずですが、弾かれたりしましたか? 何か不具合でも?」

「不具合じゃないよ。入っていい?」

「それならよかった。どうぞこちらに。そのサイズは懐かしいですね」

「でしょ。そういえば就任二百年おめでとう」

「ありがとうございます。と言っても、果たして喜んでいいものか」

「魔界の皆さんは喜んでるね」


 ここは静かだけれど、祝宴は終わっていない。夜通し騒ぐ連中もいるから、階下へ下れば声も聞こえてくるだろう。

 彼はガウンを着ていた。金髪から滴った雫が首筋に落ちて、肌を伝っている。

 見慣れたと思ったのに、ふとした瞬間に見入ってしまう危険な美しさだ。


「今日は疲れたでしょう。小さいままでいる方が楽ですか?」

「ちょっとだけ疲れたけど、まだ平気。髪ちゃんと乾かさないとだめだよ」

「濡れたままでいるのも好きなんですけどね」


 彼が前髪に視線を合わせると、頭髪が一瞬で乾いた。魔術を使ったらしい。こんな初歩的な魔術は視線一つでどうとでもなるようだ。

 彼は椅子に身を沈めて、エレノアが肩に乗っても当然のように受け入れてくれた。

 石鹸の匂いがする。彼の髪をつんと引いて悪戯すると、彼の指がエレノアの小さな頭を撫でた。「ふふ」と優しく笑ってくれる声が嬉しい。ただの人間と妖精でいられる空気感が懐かしくて、ずっとこうしていたい。けれどそれはできないから、


「約束通り、お話をしにきたよ」

「……そうですね」


 彼は残念そうに頷いて、自分の膝を叩いた。エレノアは反射的にそこへ降り立った。よく懐いた妖精は素直なのだ。


「先に君からどうぞ」


「うん」と頷く。

 エレノアは話をしに来たのだ。


「ここしばらく私をたくさん可愛がってくれて、おいしい魔力いっぱいくれたでしょ」


 素肌を密着させて、体液を交わらせる夜が多かった。口からも胎内(おなか)からも、新鮮な魔力がエレノアの全身に巡っている。彼と契約してから常に彼の魔力が供給されているけれど、それよりももっと直接的に与えられる餌は、彼女の至福だ。妻として過分な甘やかしを受けていると思う。


「今の私はすごく体調が良くてね、たぶんいま世界一美人な妖精さんだよ」

「君が元気なら僕も嬉しいです。羽もよく透き通って、輝くようで綺麗ですよ」

「ルイの魔力でいっぱいなんだよ」

「ええ、僕が君をそうしましたからね」

「だからね、少しくらい離れても大丈夫だと思うの」


 ぴし、と空気が凍った。

 ルイは笑顔のまま、瞳を冷たく光らせる。

 エレノアを撫でる指だけが優しかった。


「たしか君は、離婚話ではないと言いましたよね」

「言ったよ、離婚じゃないから。外に出たいってだけ」

「何故ですか? 僕も行きます」

「ごめん、一人がいい。ほしいものがあるの。誰かに取ってきてもらうんじゃダメで、私が自分で探して手に入れなきゃ意味のないものだから。どこにあるかわからないから、たぶん少し時間はかかっちゃうけど」


 帰ってくるって約束するよ、と言い募る。

 けれどルイは考え込みながら、彼女を撫でつけるばかりだった。


「実はしばらく君を軟禁しようかと思っていたんです。十年くらいは」

「えっ……」

「もちろん妖精の育成環境は揃えた状態で、と計画していたのですが……。君のお願いとは真逆になってしまいますね」


 そしてまた沈黙する。

 きっと、彼の中で結論は出ている。エレノアのせっかくのお願いを却下して、その上で彼女の機嫌をどうやって取ろうかと、丸め込み方を考えているのだ。己の都合の良い方向に算段を練り上げているに違いなかった。

 伊達に二百年間夫婦をやっていない。

 ルイのここぞとばかりの小狡さは、エレノアもよくわかっている。


「帰ってくるよ。絶対に逃げたりしないよ」


 エレノアが言った途端、ルイが指を鳴らした。どこからか呼び寄せられたのは、銀の鳥かごだ。スティラス家にあったものと同じデザインで、ご丁寧にお気に入りだったクッションも入れてある。どちらも傷みもなく、新品そのものだった。

 にこ、と彼はわらう。

 これが彼の答えだと察して、エレノアは悲しくなる。

 わざわざ外出許可を取らなくたって、外に出るだけならいつでもできた。妖精はどこへでも飛んでいける。けれど彼に許しを求めたのは、それがエレノアなりの誠意だからだ。そもそも彼に黙って外に出れば確実に迎えに来て今度こそ監禁されるという恐れもあったけれど、それ以上に、彼を裏切るような真似を二度としたくなかった。


 ――だからこんな風に、一蹴しなくてもいいじゃん。


 胸が痛むけれど、


 ――でも、わかってた。


 エレノアは誰よりルイを知っていた。


「ルイは()()()()()()()()()()()よね」


 続けて、と彼の目が言う。

 かごはまだ彼の手にある。そこにぶち込まれれば、エレノアに手段はなくなる。

 けれどここから一歩も引く気はない。


「昔から私のこと、いつでも逃げると思ってたでしょ。何かあるとルイとかルミーナちゃんを置いていっちゃう、薄情な妖精だって」

「…………。」

「大切なことを伝える時はいつも、私が動けない時を狙ってた。ルミーナちゃんの看病が必要な時とか、体が万全じゃない時とか」

「当然でしょう。逃げ道は塞いでおくべきです」


 彼は悪びれることもなく、


「だって君はすぐに逃げてしまうものだと、僕は知っているんです。昔からそれを繰り返し夢に見ているから。だから君を信用していないと言われれば、そうかもしれませんね。あれがおそらく『前の記憶』なのだということも、今ならわかります。無意識の行動とはいえ、僕は過去に実際あったことを警戒していただけなので……君に責められる謂れはないかと」


 窓から見えていた満点の星が、うっすら隠れ始めた。灰色の雲がかかり始めている。

 ルイの魔力が馴染んだ魔界では、彼の感情の高ぶりが天候を左右することがある。


 ――私は彼に愛されているけれど、同時に憎まれてもいるんだろう。


 エレノアが逃げるかもしれない、その程度のことでここまで心を乱すなんて。

 内心を天候に反映させたまま、あくまで硬質な笑みでいる彼に、複雑な想いがこみ上げる。

 ひょい、と飛び上がって、試しに彼の頬に口付けてみる。くすぐったそうに受け入れられるだけだった。ぺち、と叩いても、仔猫に咬まれたようにくすくす笑って「こら」と優しく窘められるだけだった。

 どちらも悪戯したかったわけじゃなかった。

 ただこうする以外に思いつかなかった。

 彼の瞳から伺える愛情は一切揺らぐことなく、妻の脈絡のない行動を受け入れている。


 ――私を信じてなんていないくせに。

 ――きっと私が何をしようと、彼は愛想を尽かしはしない。


 愛した者が逃げてしまうなら捕まえる。

 愛した者が変わってしまうなら、愛したままの形に留めておく。

 それが彼の愛し方だ。攻略キャラクターの中でもヤンデレを担う彼の「病み」だ。


「ルイの愛情は止まるところを知らないんだね」

「こういった愛の示し方を、好む人は本当に好むと思うんですけどね。だからこその僕ですし、ヤンデレキャラってそういうものですよ」

「残念ながら私は正統派清楚の妖精さんだから、ちょっとよくわからないかな。価値観の相違っていうのかな、こういうの」


 そう言いながら、彼の重い執着を心の奥底で喜んでしまうエレノアも、きっとどこか病んでいる。

 今度は彼の唇に自分のそれを重ねた。

 驚く気配はしたけれど、抵抗はなかった。


「お願い」

「…………。」

「私には準備が足りない。頭を冷やす機会としても、少し離れる時間が欲しい。そのために外に出たい。外出許可がほしい」


 そして長い沈黙があった。

 服役までの執行猶予期間のような。今も彼の手にあるかごを意識しつつ、エレノアはルイと真っ直ぐ向き合っている。

 やがて「……………はあ」と大きな溜息が聞こえて、エレノアは小さな体をびくりと震わせる。


「僕の隣にいればいいのに。それだけのことに、そんなに壮大な覚悟が必要ですか」


 そんな労力もかけてほしくなかったのに、と呟く彼は、続いてかごをどこかへ飛ばした。彼の持ち物はどこから来てどこへ帰るのか、エレノアは知らない。

 窓の外に星空が戻った。

 ルイはまたしばらく悩んで、悩んで、長く考え、


「君を軟禁しようと思ったのは、理由があるんです」


 今までエレノアには知らされなかった情報を、ここに開示する。


「おそらく戦争が始まります」

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