水色フリフリレース付き!
※オチがあるようなないような……
「…………え?」
お昼、冷凍食品のパスタを温めようと電子レンジを開けたら、パンツが入っていた。
水色のフリフリレース付き……。
母さんはそんな歳じゃないし、姉や妹だっていない。し、一人っ子だ。
もちろん俺は男だし、こんなパンツを穿く訳でもない……。
「……」
とりあえず、摘まんで電子レンジから出す。
そしてパスタを温める。
「…………」
右手のパンツを見て、とりあえずどうしようか考える。
母さんは買い物に出掛けているし、帰ってくるのはもう少し後になる。
──ピー、ピー、ピー、ピー
とりあえず食べてから考えることにしよう。
*
「……ごちそうさまでした──」
さてと……このパンツ、どうする?
さっき椅子に置いたパンツを見て、どうでもいいことを考える。
まず、このパンツは誰のなのか──。
一、この前母さんの友達が泊まりに来た時に忘れてった。
二、母さんの。
三、その他。
母さんの友達……それはないか。母さんと同い年で、水色フリフリレースはキツいと思う。ちなみに、母さんは四十六。だから、一はない。
そして、忘れていったなら、なぜ電子レンジに入ってたのかがわからない。
次、二。二は、ない。うん。
一でないなら、二であるはずがない。
じゃあ、三。その他……。
「……その他って何だよ──」
すると玄関の開く音がして、母さんが帰ってきた。
「ただいま──」
あ、ヤバい。パンツ……いや、別にこれは俺が趣味で買ったとかそういうんじゃないし、電子レンジに入ってただけだし──と一人頭を回転させていると、買い物袋を持った母さんが現れた。
「お、おかえり……」
「あら──」
「……これさ……さっき」
「お父さんのじゃないの」
「え……?」
今、何て……? え?
「それ、どこにあったの?」
「電子レンジにあった、けど……え?」
母さんは買い物袋をテーブルに置きながら、さも当たり前のように水色フリフリレース付きを手にして言う。
「また入ってたの? もう、お父さんったら──」
……また? またって何? え? 初めてじゃないの? 母さん承知済み?! 俺の知らない父さん!?
「あの、その、え? ……えっ?!」
中々言葉に出来ない俺に、母さんは言った。
「帰って来てから、ゆっくり聞けばいいわ。大丈夫よ──」
と母さんはパンツを畳むと、そのまましまいに行ってしまった。
……待って? 何をゆっくり聞くの? 何でパンツが電子レンジに入ってたか? それとも何で女物のパンツを持ってるのか? てか何が大丈夫なの? え? てか……父さん……。
父さんが帰ってくるまで、あと三時間二十分──。
俺は何を知ることになるのか、はたまたそれを知って俺はどうなるのか……。今はまだ、考えたくない……──
父さんが帰ってきた後は、ご想像にお任せします。
よければ他のも読んでってください(^^)