転生してしまった…のか?
初投稿です、拙い点が多々ございますが、生暖かい目で見ていただけると幸いです。
今日の俺はとことん不幸だ、朝は晴れていて傘なんて要らないと思っていた、なのに昼を過ぎると曇り、下校の時間には大雨になっていた。
「時谷、お前どうするよ」
下駄箱でどうやって帰るか思案していると声をかけられた。
「どうするも、走って帰るしかないだろ、昴の方こそどうすんだよ」
「お~お~、頑張るねぇ、俺は彼女と相合傘で帰宅」
俺の横に立った男と話す、名前は堂道 昴、小学校からの腐れ縁だったりする。
「彼女と相合傘とか二次元だけの特権だからな、羨ましいから爆発するかしてくれ」
高校に上がって昴は彼女を作りやがった、それも結構可愛い、お昼は一緒に彼女が作った弁当を食べるのが楽しみだそうだ、滅びればいいのに。
「お前も彼女作れば良いのに、世界が変わるぞ、マジでバラ色だな」
昴の惚気を聞き流しながら雨が弱くならないかと思いながら外を見ていた。
「愛華が来たし、俺は帰るわ、また明日な」
そう言って昴は件の彼女の元に走っていた、帰りにトラックが水を跳ねて昴だけびしょ濡れにならないかな。
「雨は弱くならないし・・・走って帰るか」
そう言って俺は雨が振る中走って帰ることを選択した。
水溜りが多く、水が跳ねて靴の中に入らない様に気を付けながら走った、靴の中に水が入ると臭くて臭くて仕方がないからな。
できる限り濡ないように走っていると横断歩道の信号機が点滅しているので急いで横断歩道を渡り始めた。
それがいけなかったのだろう。
いきなり発進し始めた黒の車にはねられてしまった。
車との衝突の衝撃に意識を手放しそうになったが痛みがそれをさせてくれなかった。
俺の人生此処まで?まだやりたい事も一杯有るのにー―ーー
そんな思いとは裏腹に黒の車が走っていくのを地面に頬を浸けた状態で何処か人事のように見ていた、そして雨の冷たさを段々感じなくなりながら意識が遠のくを感じていた。
☆ ☆ ☆
「ーーーーーー」
優しそうな女性の声がしたので薄く目を開くとそこには長い銀髪の一部を肩にかけて優しそうな眼差しでこっちを見ている明らかに日本人とは違う女性が居た。
「―ーーーーー」
女性が居た逆の方向から優しそうだが何処と無く威厳のある声がしたのでそっちを見てみると短く切られていて燃えるような赤い髪の男性が俺を見ていた。
銀髪の女性が俺のことを持ち上げはじめた。
俺だって17歳の高校生だからそんなに簡単に持ち上げられる訳が無い、そう思っていたが自分の手を見てみるとシワシワで小さい、まるで赤子のような手をしていた。
☆ ☆ ☆
俺は最後に車にはねられて意識を失ったはず、そして目が覚めると赤子になっていた。
これを考えると…考えたくないけど、車にはねられて死んでしまったが転生したということになる。
自分で考えていてなんだが、転生だと分かっても受け入れがたい事実ではある。そういうのはラノベの世界だけの話で自分が住んでいる世界、ましてや自分が体験するなんて思わない。
転生じゃないと自分が納得できる証拠を探そうと抱きかかえられてはいるが見る余裕が少し生まれたので周りを見てみると、周りに現代日本…いや現代社会には無い物が有った。
(…杖と剣だよな、どう見ても)
そこにあったのはゲームの世界でよく見られる木で出来ていて頂点には石がハメられた杖と騎士が使いそうな細身の剣がおいてあった。
(これ、異世界転生確定じゃないっすか)
異世界に転生した事実を目の当たりしてしまった。
☆ ☆ ☆
異世界転生して赤子になって数日が立っていたが、両親らしき人物が変わり変わりに見に来て正直、気の休まる感じがしないが、俺の顔を見るたびに何かを喋っているようでその声を自分なりに解読しようとするのが今のところの楽しみと言えよう。
自分なりの解読でと分かっているのは自分の名前は「トキ」というらしい、北斗神拳を伝承した人か?
自分を抱きかかえてくれた女性は「ニア」というらしい、そして赤髪の男性は「グレン」というらしい、そして言葉のニアさんとグレンさんは俺の両親なのだろう。
今わかったことを総合すると俺の名前は「トキ」で母は「ニア」父は「グレン」ということだけだ。
自分の名前と両親の名前を分かってから数日経ってから、引き続きある程度情報を収集しながら俺の心の中には一つの希望があった、それは杖があるという事は魔法があるという事、そして杖が自宅にあるという事は自分も魔法が使えるんじゃないかという事、これが今心の中にある希望だった。
更新は不定期ですが、あまり日を開けないように努力しよと思っています。
よろしくお願いします。
冒頭を加筆しました。