二十歳の
「ちょっとアンタ! 何してるのよ!」
ベランダでしゃがみ込んでいたら、姉が突然叫んだので、思わず顔を上げる。
「ん?」
「ん? じゃないわよ! 何してるのよ!」
姉は凄い剣幕だ。
「タバコ……、吸ってた……」
「アンタ高校生よね! タバコなんて、吸っていいと思ってるの!」
「法律上では禁止されてる」
「法律上じゃないでしょ!」
姉がキレた。
突然姉が部屋から飛び出していった。
『また出るぞ「お母さ〜ん」だろ』
「お母さ〜ん! アイツがタバコ吸ってる〜!」
『ほらね。……ほっとこ』
「ねぇ! お母さん聞いてるの!? 高校生がタバコよ!」
「はいはい。じゃあ、二十歳になったら禁煙するように言っとくわね」
姉の剣幕とは裏腹に、母はのんびりしている。
「二十歳に禁煙! ちょっと! お父さん、お母さんこんな事言ってるわよ!」
姉は納得いかないらしく、父に言い寄った。
「そうか……。タバコか……。俺も吸い始めた頃は十六位だったかなぁ……。まあ、いいじゃないか。【二十歳の禁煙】って言葉もあるんだから」
遠くを眺めるような父と、のんびりした母を交互に見ながら姉は、「何よ【二十歳の禁煙】って! もう知らない!!」と部屋に戻ると、勢いよくドアを閉めた。
『二十歳の禁煙……か……。もう小遣い減るから、止めようと思ってたんだけどな……。ってか、母さん父さん、ナイス!』
タバコは二十歳になってから。
『百害あって一利無し』とも言いますし、お金の無駄遣いになるので、止めましょう。(私も早く禁煙しなくては……)
タバコ吸ってても、かっこよく無いよ。