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ダンジョンに宝箱を設置する羽目になった人の話  作者: くまぐまさん
第1章 宝箱設置係の苦悩
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第8話 理不尽な設置場所その2:溶岩の真上

「今日の指示……また無茶だな……」


俺は台車を押しながら、指示書を睨む。


第三層、炎の回廊に耐火仕様の宝箱を設置せよ


耐火仕様? いや、宝箱が燃えないだけで俺は燃えるかもしれないだろ!

炎が吹き上がる回廊を進むたび、体が焦げそうな熱気。汗と腰痛が同時に襲いかかる。


「うう……これ、設置したら絶対誰も取りに来れないだろ……」

誰も突っ込まない、俺の心の声。


耐火ベルト? ない。

火よけマント? 持ってない。

俺の武器は……台車と腰痛ベルトだけだ。


「ええい!行くしかない!」


台車を押しながら炎の回廊に突入する。

「ぎゃあああ!熱い!熱すぎる!腰も腕ももう限界だあああ!」


火柱の隙間を縫いながら、必死で宝箱を目的地まで運ぶ。

途中、炎の熱で手が滑る。

「あああ!落とすな!落としたら俺が死ぬ!」


なんとか設置場所に到着。

耐火ロープで固定するも、台車の下が溶岩で少し揺れる。

「やばい……今、ほんの少し揺れただけで死にかけた……」


ふぅ、と一息つくと、背後から声が聞こえる。


「おっさん、大丈夫か?」


振り向くと、ゴブリンが火の間隔を飛び越えながらこっちを見ていた。

「……お前ら、今日も現場監督か!」


俺は腰を押さえながら、スライムやゴブリンに囲まれて無事を祈る。

「……宝箱のために命を削る仕事って、なんなんだろうな……」


しかし、この溶岩の上に置かれた宝箱は、今日も冒険者の夢を待つのであった。

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