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ダンジョンに宝箱を設置する羽目になった人の話  作者: くまぐまさん
第1章 宝箱設置係の苦悩
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第6話 冒険者との遭遇

ガタガタ……ガタガタ……。

台車を押しながらダンジョンを進む俺。

腰痛と戦いながらも、今日も宝箱を設置する使命感(?)に燃えている。


……と思ったそのとき。


「おおっ!宝箱発見!」


……ん? 声の主は……若い冒険者パーティーだった。

剣士に魔法使い、弓使いまで揃った3人組。

見たところ新人っぽい。


「え、ちょっ……俺、まだ設置中なんですけど!」

慌てて台車を隠そうとしたが、間に合わない。

台車は壁にぶつかりガコン! と大きな音を立てる。


冒険者たちは目を輝かせて近づいてくる。


「おっさん、これ俺たちのために置いてくれたんですか!?」

「いやいやいやいや、違う!ただの作業中です!」


しかし、ゴブリンの顔パスで現場慣れしている俺は、全力で逃げるわけにもいかない。

「あ、あの……中身はね、ちょっと……」


その瞬間、スライムの粘液まみれになった宝箱を冒険者が開けてしまった。


「な、なんだこのヌルヌルは!?ポーションが!」

「うわっ、剣もヌメヌメ!?」


「う……すまん!それ俺が置いたやつじゃないんだ!」


冒険者は首をかしげる。

「え、じゃあ誰が置いたの……?」

俺はその場で小さくなる。

「えっと……えっと……俺はただの運搬係で……」


……が、冒険者の目は「怪しいグル?」と疑念を向けている。

そう、ゴブリンと顔パスして仲良くしてるせいで、俺はすでに怪しい運搬人扱いになっていたのだ。


「うーん……まあ、いっか。宝箱はあるし……」

冒険者は結局、笑顔で宝箱を回収して去っていった。


俺は深いため息。

「はぁ……今日も無事じゃない。っていうか毎日こんな目にあってるんだな……」


その後、台車を押しながら心の中でつぶやく。

「明日もきっと、誰かに見つかるんだろうな……」


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