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ホームレス

 「そういう話を書いて見たかった」と言う気持ちで書き始めたので結構雑なお話になってしまいました。申し訳ありません。

 O氏は若くして資産家であった。特段出自が良かったという訳でもなく、本人に商才があったという訳でもないが、運が周りの人に比べて特段良かった。


 お金は貯まるものだが、これと言って使い道がない。ただある時友人から家に送られてくるものが多くなった。人脈の広さが所得に引っ張られてしまったのだろうか。そんなこんなで家が荷物で溢れかえり、窮屈になってしまったので元々一軒家だったものに倉庫を増築することにした。


 ある時、友人が子供を連れて家に遊びに来た。遊びに来たと言うよりかはO氏が商談の時に相手を大層気に入ったものだから夕食にぜひと招待したのだが。

 家では呼んだシェフがご馳走を振舞ってくれるのだが、いかんせん量が足りないものだから相手の連れてきた子供が満足せず、あちこちを走り回っている。まあ資産家ということで家がそんなに小さい訳でもなく、しっかりとした庭も持っていたのでそれはそれで満足そうだったが、せっかく招待したのにこれでは面目が立たないと思い、夕食が終わった後O氏は子供が満足できるような施設を用意することにした。


 お金は使えど使えど減らず、自然と他の資産家も顔見知りとなった。N氏に可愛いご令嬢がいるという噂があったが、話を聞くとO氏と年齢が同じだという。N氏はO氏を見込み、ぜひ「うちの娘を」と言って嫁にくれた。

 結婚式はそこそこ盛大に開かれ、さまざまな人が来た。ただ夏に行ったせいか日が落ちてもまだ空気が暑苦しく、汗が出てくる。こんな時にお客さんに入らせる浴場のようなものが欲しいと思ったO氏は、流石に今の土地では足りないので周りの土地を買い取り一部を大浴場にした。もちろん商機を逃さないO氏はこれを一般の人にも使えるスパ・リゾートのようにするつもりで、初めはそこまでだったが将来的には大きくするつもりで建てていた。


 O氏に子供ができると、いい教育を受けさせたいと思うのが親の性だろう。ちょうど余っていた土地があったので学校を建てることにした。社会からもらった利益は社会に還元するべきとも聞くし、もちろん一般にも開く学校である。ただ家の敷地内にしたかったので、塀を広げあくまでも自分の家であると言うことは主張できるようにした。


 こんな調子でO氏は家の敷地を広げ、さまざまな施設を増設していくうちに段々そこが街のようになっていった。映画館もあればデパートもある、水族館もあればレストランもある。そんな広い家である。普通から考えればあり得ないであろうが、しっかりと塀で囲まれ、あくまでもO氏の家なのである。


 もちろんO氏の寝室のある、「自宅」も随分と多くの部屋を持ち、とてつもなく大きな豪邸となっていた。その廊下といえばまあ迷路のようなもので、窓のない場所なんて本当にどこにいるのかわからなくなってしまう。

 迷子にならないように普段は端末を持って移動するのだが、この日は酒に酔ってこれを忘れて家の中を彷徨ってしまった。O氏の運が尽きた訳ではないが、ある意味運が悪かった。防犯のために用意していた顔認証で開くドアも、酔ってしまって緩んでいる顔は認識してくれない。何が起きているかもわからず、屋内から出てしまった。もちろん家には入れない。そのまま外で寝落ちてしまった。監視カメラはそんな家のそばには置いてないし、雇っている警備員も敷地内全てを1日で回り切ることはできないから、ずっと夜はそのまま…


家が広すぎて、家の中でO氏はホームレスになってしまったのである。

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