九条と落町と ①
ここの話は思っていたよりも長くなってしまいましたなので2部構成です読んでくれたら嬉しいです
「どうも〜こんにちは〜」
怒りや憎しみを感じ取られないように穏やかに言葉を発する
少しすると憎たらしいあいつの声が聞こえてきた
「はーい!すいませーん今行きます」
さっさとしろ
するとほんのちょっと物の10秒位したら私の方へ向かってきた
だが私の10秒は大きいぞ後で覚えておけ
玄関の前で話を始める
「どうもこんにちは、1つ隣の九条です」
と話しながら笑顔を作る。あまり顔を見ないようにする
そうしないとつい手が出てしまいそうになる
やつを殺すにはまだ早い
「あ、僕は今日ここに引っ越してきた落町です」
知ってるわ
じゃなきゃわざわざここには来ない
「はい!落町..さん」
つい呼び捨てにしてしまいそうになる
「これからもよろしくお願いしますね」
色々な意味でな
「私もつい最近この村に引っ越してきたんですよ」
世間話をする、本当はこいつとは喋りたくないが少しでも仲良くなる
「本当ですか?!なんか親近感わきますね!」
そんなものわくな気持ち悪い
「そ、そうですね、新入り同士仲良くなりましょう!」
すこし強引すぎたか?
「あ、全然いいですよ!とてもうれしいです!」
笑顔で返してきた、うれしがるな
「ほ、本当ですか、ありがとうございます。ではそろそろ..やることがあるので失礼します」
といい逃げ出すように敷地内から出て行った
理由は単純だ我慢の限界がきた
だがファーストコンタクトは成功した..はず
次の日も落町と仲良くなるために積極的に動く
今回は落町の家にはいかない行きたくもない気持ち悪い
服装は昨日と同じで大きなコートに丸メガネのサングラスをかける
落町が家を出たのを確認した後それを追いかけ偶然を装い喋りに行く
「こんにちは落町さん」
たえろよ私
「おぉこんにちは、九条さん」
九条が笑顔でこちらを見る
「今日はいい天気ですね」
見りゃわかるわ
「そうですね、雲一つない青空です」
雲は2、3個あるが適当に答える
「…」
「…」
沈黙に時間が流れる
きまずい...
2人並んで50mくらい歩いたところで喋りかけてきた
「九条さんはこれからどこへ行くんですか?」
素直に答える、ここでをついても意味はない
「村長のところです」
落町の方を見ながら顔を作って笑顔で答える
「そうなんですか!実は僕も村長に会いに行くんです」
顔が少し歪む
「へ、へ〜偶然ですね〜あはは」
「やっぱり村のルールで村長とお話をするんですか?」
てきとうに話題を振る
「そうですそうです、もしかして九条さんも?」
てきとうにこたえる
「はいそうです」
落町がしゃべりだす
「正直、村のルールちょっと珍しいしめんどくさいですよね」
苦笑いを交えながら頭をかいた
「あ、そういえばこれは村長から聞いた話ですけど村のルールの悪口を言ったら天罰が下って死ぬらしいですよ」
「えっ!?」
「冗談です。村長はこう言ってました。引っ越して5年たてばルールをやらないでもいいってでも5年も5年で長いですよね」
半分は冗談じゃないけどな
「5年...か...」
落町が聞こえるか聞こえないかくらいの声でつぶやいた
「はい?」
「い、いえなんでもありません」
「.........」
「........」
またしても沈黙が訪れる
「それにしてもこの村はいいところですね」
周りを見ながらひとりごとのように話し出した
「僕はこの村を含めて三回引っ越しをしたんですけどここが一番好きですね。景色もよく落ち着いていてどこか懐かしい気持ちになります、僕の故郷もこの村ににているんです」
寂しそうにしている落町の顔を見ると無性に腹が立ってくる
お前が悲しむ権利があるのか? 少なからずお前のせいでこの世で一つしかない大切なものを失くした人が一人はいるんだぞ、失くしたらもう話すことも、触れることも見ることもできない
「故郷なんて帰ればいつでも観れるじゃないですか」
少し皮肉のこもった言葉が自然と口からこぼれた
「それもそうですね、けれど昔の景色はもう戻らないんですよ」
死んだ人も戻らないんだよ...
「いつも見慣れた景色も少し目を離すといつの間にか違う景色になる。僕は変わった景色よりも
変わる過程が見たいんです」
「当たり前のように見ていた景色も気が付けはその景色は記憶の中にしかないんです」
この話を聞いて私は昔の記憶を思い出す、すると目から涙と心の奥から憎しみがわいてきた
ほんのちょっと目を離しただけなのに生さていた人が死体になる
「九条さんは変わった景色と過程からの景色どっちがみたいですか?まぁどちらも見れる結果は同じなんですけどね」
あることを想像しながら答える
この想像は景色の想像ではない
「私は..結果を見ないで過程が見たいですね。過程を見ればこの後どうなるのか大体わかります」
「結果は見ないんですか?」
「はい」
「まぁ正解は人それぞれですからねそれも一つの答えです」
何を偉そうなことを言っているんだお前は私の先生か
「この村は変わらずにずっとこのままであってほしいですね」
「はい私も同感です」
本心から出た言葉
この村に何の変化もなくこいつを始末しなくてはならない
「九条さんはこの村で好きな場所とかあります?」
こちらを見ながら笑顔で話しかけてくる
「い、いえ引っ越してきたばかりなので特にないですね」
「アハハそうでしたね」
それにしてもこいつ景色好きすぎだろ
ちょくちょく小話を挟んで数分歩いていと村長の家の前の道に出た
この道のさき50mぐらい先にあるのが村長の家、その隣にはそこまで大きくはない小屋みたいな建物がある
落町と私はその建物へ向かい入口の前へ着いた
「いきましょうか」
入る以外の選択肢ないだろ
「はい、はいりましょう」
と言いながらうなずく
ここまで読んでくれてありがとうございます




