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(第二章を始めました)だれか溺愛見せてください。ちなみに、溺愛を見たいだけで、溺愛してもらいたいわけではありません。   作者: 水無月 あん
第二章

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聞いてはいたけれど

不定期な更新なのに、読んでくださっている方、ありがとうございます!


その後、立派な応接室へ通され、お茶の用意をしていただいた。


そして、今、私の目はテーブルに釘付けだ。


「うわあ! 見たことないようなお菓子や、ケーキばっかりなんだけど?!」


「ロジャン国にしかないお菓子やケーキを用意したの。どれも、美味しいわよ」

と、アイシャ。


「アイシャ、ありがとう! うれしすぎる!」

私が感嘆の声をあげた。


「目をきらきらさせて、そんなに喜んでくれて、嬉しいわ。

ねえ、リリー。ロジャン国には、美味しいお菓子もこんなにあって、本も読む環境も充実してるわ。ほら、ロジャン国に、住みたくなってきたでしょ。リリーは、ロジャン国にぴったり合うと思うの。そう、リリーは、ロジャン国にいるべきなのよ。ずーっと、ずーっとね」

アイシャの声が、すーっと心にしみいってくる。


確かに、そうかも…。


「おい、アイシャ! マインドコントロールするな! それに、リリーも、甘いものくらいでつられるな。簡単すぎるだろ…。ほんとに、留学して大丈夫なのか? 珍しい本や菓子をくれるからって言われても、絶対、ついていくなよ。…って、ケーキばっかり見て、全く聞いてないな。心配しかない…」

ラルフが、はあーっと、ため息をついた。


その時、開いたままのドアのところで、「失礼いたします」と、声がした。


ロバートさんだ。でも、さっきと顔つきが違う。


あわててるのか、早足で入ってきて、アイシャに近づくと、小声で何かを伝えた。

とたんに、アイシャの眉間にしわがよった。


「アイシャ、どうかした…?」

私が聞くと、


「…ええ、そうね。…控えめに言って、最悪かしら?」

と、嫌そうな顔で答えた。


え、最悪?! なになに? なにが起きたの?! 


「スケジュールでは、こっちへ来ない予定でしょ? なんで、こんな時に限って来るの?」

アイシャが、ロバートさんに不満げに言った。


「今朝も側近の方に確認しましたが、ご予定に変更はなかったはずですが…」

困惑したような顔で話すロバートさん。


そこに、

「ロバートが珍しくあわてていると思ったら…。アイシャ、いたのか」

恐ろしく冷ややかな声がした。


思わず声のほうを見ると、ドアのところに、すらりとした長身の若い男性がたっていた。

まっすぐな銀髪の髪に、ブルーの瞳。


アイシャに似ているけれど、一切の甘さをぬきさったような美貌。

もしや、この方は…。


「ジョルジュお兄様…。こちらに来られるとは知りませんでした」

アイシャが、冷え冷えとした口調で言う。


「私がいつ別邸を利用しようが自由だ。それより、アイシャ。寮に入らず、何故、この別邸にいる?」

アイシャ以上に、冷たい声で言い返すアイシャのお兄様。


アイシャのお兄様は、貴族社会に疎い私でも、「すごい美貌の氷の貴公子ジョルジュ様」という噂を聞いたことがある。


まさに恋愛小説のヒーローっぽい感じに、ちょっと見たいなー、なんて、アイシャに言ったら、「やめときなさい」と、生気のない目で言われたっけ。


それ以来、お兄様のことを話題にしたことはなかったけれど…。


なるほど…。これは、近寄ってはいけない感じの人だ。


ふと、前世で知っていたことわざが、うかんできた。

触らぬ神にたたりなし…。


アイシャとラルフも冷たい美貌だけれど、雰囲気が全然違う。

なんというか、一気に氷漬けにされそうな冷たさと鋭さだ。

うん、普通に怖い…。


そして、「氷の貴公子」なんて、キャーキャー言う御令嬢たち、すごいな。

そんな甘いもんじゃないと思う。


だって、今、私は、猛烈に、蛇ににらまれたカエルの気持ちに共感している。

本能的に、この場から逃げだしたくてたまらないんだけど…。


新しい登場人物登場しました。癖が強いですが、よろしくお願いします…(-_-;)

読みづらいところも多いと思いますが、読んでくださっているかた、ありがとうございます!

そして、ブックマーク、評価、いいねをくださった方、励みになります。ありがとうございます!

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