表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(第二章を始めました)だれか溺愛見せてください。ちなみに、溺愛を見たいだけで、溺愛してもらいたいわけではありません。   作者: 水無月 あん
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/106

埋め尽くされる

今回で第一章は完結となります。

メイドさんに靴ずれの治療をしてもらい、ロイさんが用意してくれた食事を食べる。


「じゃあ、明日の準備もあるし、そろそろ帰りましょ」

と、アイシャ。


「うん。じゃあ、ラルフ。しばらく会えないけど、元気でね」


「なに、早々と別れの挨拶をしてるんだ?!」

と、ラルフのエメラルド色の瞳が私を軽くにらんできた。


「いや、でも、もう帰るしね…」


「リリーは俺が送るから。家まで一緒だ」

ラルフがそう言うと、


「私が送るから、大丈夫。ラルフは、さっさと帰りなさい」

と、アイシャが冷たく言う。


「俺が送るって言ってんだろ」

アイシャをにらむラルフ。


「だから、余計なお世話だって。私が送るって決めてるから」

アイシャがラルフをにらみ返す。


はああ。ほんと、この二人は、すぐにこんな感じになるよね?

この二人の、普段の孤高な感じを見ている人たちにとったら、こんな小競り合いをしている姿、想像もつかないんだろうな…。


…あ! ということは、さっきまでの光景って、相当まずいんじゃない?!


ラルフが私をお姫様だっこしながら、ホールを縦断し、その後ろから、アイシャが文句をいいまくりながらついてきてたよね?! しかも、ロイさんまで、笑いながらついてきてたよね?


非常に目立つ人たちの、非日常な目立つ行動!


「うわあ、どうしよう?!!」

思わず、大きな声をだすと、二人がびっくりして私を見た。


「どうした?」

「どうしたの?」

と、ラルフとアイシャの声がかぶる。


「いや、さっきのホールでの出来事を思い出したから…。すごい噂になるんじゃない?!」


「なんだ、そんなことか…」

と、ラルフ。


「いやいや、そんなことか、…とか言ってる場合じゃないよ! 今まで女性をよせつけなかった、美貌の公爵家御令息が、オタク令嬢をお姫様だっこだよ? それに、アイシャも! 完璧な美貌の筆頭公爵家御令嬢が、その後ろをラルフに文句を言いながら、ついてきてたんだよ? おもしろおかしく、噂されるよね?!」

私があわてふためきながら言った。


「相変わらず、リリーは自分のことが、よくわかってないわね? 訂正させてもらうと、リリーはオタク令嬢ではなく、とても美しい令嬢とはたからは見えてるわ。付け加えると、美貌の公爵家御令息は言いすぎ。ぶっきらぼうな愛想のない男が、嫌がる美しい令嬢を無理矢理抱きかかえて、連れ去った。何やってるの、…って感じかしらね?」

と、ラルフに挑発的に言った。


アイシャ…。まだ、ラルフと言い争う気満々なんだね…。 


「あ?! 何、言ってんだ?! じゃあ言うが、どこに完璧な美貌の筆頭公爵家御令嬢がいる?! 口のへらない、えらそうな女の間違いだろ?」


そして、ラルフも…。受けてたたないでよ…。

だんだん、お互いの悪口になってるよ?!


「とにかく、二人とも噂になるってこと! 大丈夫なの?! 特にアイシャは、隣国の王子妃の婚約者だからね。変な噂がたったらまずいでしょ?」


アイシャの重要な立場を心配して、私が聞く。


すると、アイシャは、

「もし、私の変な噂を流す人がいたら、言いだし始めの人まで調べ上げて、訂正させるから大丈夫よ?」

と、なんとも美しい笑みを浮かべた。


悪役令嬢降臨だ…。うん、アイシャは心配ないみたい。


私は、今度は、ラルフのほうをむいた。

「ラルフも次期公爵なんだから、うかつに、お姫様だっこをしたらダメだよ。あれは、特別な女性にするもんだからね! 誤解されるよ?」


私の言葉に、微妙な空気が流れる。

ラルフがため息をついた。


そして、私のほうへ、すっと手を伸ばしてきたラルフ。

「なんにもわかってないな。リリーは」

そう言って、私の頬をなでた。


えええ?! ちょっと、何するの?! 

また、ラルフのおかしな感じがでたよ?!


と、思った瞬間、ラルフの手が、アイシャの手刀によって叩き落された。


素早いよ、アイシャ…。

そう言えば、アイシャって、護身術ならってたね? 王子妃の教育の一つとして…。


アイシャは、冷たい声で、

「触りすぎでしょ」

と、ラルフに言い放つと、私の方を向いて言った。


「ラルフから離れてましょ。危ないから」


「おい、アイシャこそ離れろ!」


「焦りすぎて、危険人物になってるラルフに言われてもね」


「あ?!」


またもや、白熱していく二人。


「はいはい、ストップ! ちょっと、二人ともやめて。もう帰ろうよ!」


結局、ドレスのこともあり、私は来るときと同じように、アイシャのお屋敷によって着替えてから帰ることになった。必然的に、アイシャに送ってもらうことになる。


帰り際、アイシャの馬車に乗り、扉をあけたまま、

「こんどこそ、ラルフ、元気で…」

と、言いかけたら、


「明日、見送りに行くから、別れの挨拶は言うな」

と、ラルフ。


「え? 明日、出発が早いから、来なくていいよ?!」


「絶対に行く。だから、待ってろ」

そう言って、ラルフが私の手をとって、手の甲にキスをした。


茫然としている私を見て、フッと甘やかに微笑むと、ラルフは馬車の扉をしめた。


隣にいるアイシャが、

「油断も隙もないわね」

と、ぶつぶつ言っているのが、遠くで聞こえる。


動き出した馬車の振動で、はっと覚醒した私。

一気に体中が熱くなる。


…はああ?! なに、今のっ?! どっかの王子が、どっかの王女にするみたいな、あの行動!

一体、なんだったの?!


屋敷に帰っても、もんもんとする私。

明日の出発に向けて、眠らないといけないのに眠れない!


結局、一晩中、私の頭の中はラルフで埋め尽くされてしまった。



(第一章 完)


※ 第二章からはロジャン国編となります。

第一章はこれにて完結です。

次からは第二章として、留学先のロジャン国編を新たに始めます。もしよかったら、読んでいただければ嬉しい限りです。よろしくお願いいたします。

(現在、アルファポリス様では先に第二章を更新しております)


読みづらいところも多いと思いますが、読んでくださった方、本当にありがとうございました!

ブックマーク、評価、いいねをくださった方、励みにさせていただきました。

本当にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ