食べたいんですが…
今日、2回目の更新になります。
涙目のルークさんと離れ、やっと、お料理の並ぶテーブルに到着。
「うわ、どれも美味しそう!」
甘いものも沢山あって目移りするけど、本格的におなかがすいている私。
デザートよりは食事!
まずは、一口サイズで、色々な種類のある、かわいらしいサンドイッチを狙いたい!
給仕をしてくれる男性が、
「どちらのお料理をおとりしましょうか?」
と、聞いてくれた。
「サン…」
と、言おうとしたのをかぶせるようにして、
「そこのサンドイッチを」
隣から答えたのは、ラルフだ。
え? と、思って見上げると、
「知らない男とはしゃべるな」
と、ラルフ。
えええ?! いやいやいや、給仕の方だよ?!
「余裕の全くないラルフも、おもしろいわね」
クスっと笑うアイシャ。
そして、ラルフに、
「私はあそこのカナッペをもらおうかしら。ほら、ラルフ。注文して?」
と、アイシャが言う。
「アイシャは、自分で頼め」
と、ラルフは冷たく言い放った。
給仕の方が、サンドイッチをお皿にのせてくれて、ラルフに渡した。
「ありがとう」
そう言って、私がお皿を受けとろうとするのに、渡してくれない。
「ちょっと、早くお皿を!」
私の言葉を完全に無視して、ラルフは聞いてきた。
「サーモンは好きか?」
「好きだけど…?」
そう答えたとたん、一口サイズのサンドイッチを、フォークにつきさして、私の口の前にもってきた。
「ええと、ラルフ? 何をしているの?」
「サーモンのサンドイッチだ。ほら、口をあけて、食べろ」
真顔で言うラルフ。
…はあああ?!
食べさせるって、本気だったの?!
ちょっと、やめてよ?! 恥ずかしいじゃない?!
「まさか、本気でやるとはね…」
アイシャが笑っている。
「ちょっと、ラルフ! 恥ずかしいから、やめて! 自分で食べるから! ほら、お皿ごと、ちょうだい」
私が小声で抗議する。
「ダメだ。俺が食べさせるか、食べないか、どっちがいい?」
「なに、その変な2択?!」
そこで、おなかが、ちょっとだけ、グーっとなった。
小さい音だけど、ラルフには聞こえたかも…。
恥ずかしい! 思わず、隣のラルフを見上げると、ラルフが、フッと微笑んだ。
「ほら、がまんせずに食べろ」
口の前に、サーモンのサンドを差し出される。
仕方ない! みんなが、見ていないことを祈って!
パクッ。
美味しいー! さすが、王宮のお料理!
サンドイッチとともに幸せをかみしめていると、視線が痛い…。
ふと、まわりを見ると、テーブルの料理をとりに集まっている人たちの、なんとも生暖かい目…。
これは、しっかり見られてたよね…。顔が一気に熱くなった。
そこへ、最悪のタイミングで現れたロイさん。
「うわあ、あまーい! ラルフ君ったら何やってるの?! すごい積極的で、キャラ変わってて、びっくりー!」
「なんの用だ」
冷たく問うラルフ。
「王太子が話したいんだって。リリーちゃんと」
ロイさんはそう言うと、さっと横によった。
すると、ロイさんの後ろから現れたのは、…え、王太子様?!
間近で見るのは初めてだけれど、そうだよね?!
と、思ったら、テーブルの料理をとっていた人たちが、一斉に離れていき、こちらを遠巻きに見ている。
王太子様は、にこやかに、私に近づいてくる。
が、そこで、ラルフとアイシャが私を隠すように前にでた。
背の高い二人の背中に隠されて、私からは王太子様が見えなくなった。
「なんの用だ?」
刺々しい口調で聞くラルフ。
「リリアンヌ嬢に迷惑をかけたからな。挨拶と謝罪にきた」
と、王太子様の声。
「謝罪なら、そこで言え。顔を見なくても言えるだろう?」
ラルフが言う。
ちょっと、王太子様だよ?
いくら親戚でも、失礼ではないかい、ラルフ君?
不敬罪とかで罰せられたらどうするの! 変にドキドキしてきたわ。
私は、二人の背中をトントンと触る。
二人が振り返った。
「私は大丈夫だよ」
そう言って、安心させるように微笑むと、二人の間をすりぬけて前にでた。
読んでくださっている方、ありがとうございます!
ブックマーク、評価、いいねをくださった方、励みになります。ありがとうございます!




