ラルフがおかしい!
今日、2回目の更新になります。
ラルフに手をがっしりとにぎられ会場に入る私。
ただでさえ目立つラルフが、目立つ行動をすると、一気に視線をさらってしまう。
痛い…。視線が痛いよ!
エスコートというより、連行されているような恰好の私…。
ロイさんにエスコートされ、優雅に歩くアイシャとは、えらい違いです。悲しい…。
「そろそろ、王太子が王女をエスコートして、入場してくる時間だな。
じゃあ、俺は行くから。リリーちゃん、楽しんでってね~!」
そう言って、ロイさんは、忙しそうに去っていった。
私の両隣には、アイシャとラルフがぴたりと寄り添い立っている。
二人に、がっちりとはさまれて、しっかりガードされている感じだ。
安心感はあるけれど、視線の集中もすごい。
「やっぱり、二人は目立つねー。みんな、すごい見てるよ?」
私が感心して言うと、アイシャが、あきれたようにため息をついた。
「あのね、今日、一番目立っているのは、間違いなくリリーよ。 みんな、リリーを見てるの」
いやいや、それはない。
いくら、別人にしてもらったといってもね…。
すると、いまだ、私の手をにぎりっぱなしのラルフが、私の顔をのぞきこみ、ラルフもため息をついた。
「くそっ、有象無象の男らがリリーを見てる。見せたくないな」
「え? …いや、見てないと思うけど…? まあ、確かに、このドレスは目をひくもんね。
あれ? ラルフ、顔が赤いよ?」
私はラルフの額に、にぎられていないほうの手をのばして触ってみた。
「熱はないね…。…えっ? ちょっと、ラルフ大丈夫?!」
ますます、ラルフの顔が赤くそまってきた。
「どっか、具合悪いの?」
私が背伸びして顔をじっくり観察すると、ラルフの耳まで赤くなった。
いつもは涼し気な顔をしてるラルフなのに、一体どうした?!
隣で、アイシャが鼻で笑った。
「リリーが、近づけば近づくほど悪化するから、ほっといていいわよ」
「え? そうなの? じゃ、離れとこう…って、手を離してもらわないと、離れられないんだけど?
ちょっと、ラルフ! もう、手を離そうよ!」
「ダメだって言っただろ。今日は、絶対、離さないからな」
「いやいや、あんなに美味しそうなお料理が沢山あるのに、右手がふさがれてたら、食べられないじゃない?! ほら、美味しそうなケーキもいっぱいある!」
私が悲壮な声をあげると、アイシャがクスっと笑って言った。
「いいわよ、リリー。その調子! ラルフにほだされないで。 ラルフより、食べ物よ!」
ラルフはアイシャを完全に無視して、私にささやきかけてきた。
「大丈夫だ。俺が食べさせる」
やたらと美しい顔で、にこりともせずに、ラルフが言う。
「はあ?! ちょっと、何言ってるの、ラルフ! 食べさせるって、おかしいよね? 私、赤ん坊じゃないよ?!」
私が反発すると、ラルフが真顔で言った。
「大丈夫だ。全然、おかしくない。気にするな」
いやいや、気にするよ!
こんな公のパーティーで、ずーっと手をつないだまま、あげくに、料理まで食べさせてもらってたら、おかしすぎるでしょ?
前世でいうところの、まさに、バカップル。あるいは、介護なんですが…。
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