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(第二章を始めました)だれか溺愛見せてください。ちなみに、溺愛を見たいだけで、溺愛してもらいたいわけではありません。   作者: 水無月 あん
第一章

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いざ、パーティーへ

今日、3回目の更新です。

「じゃあ、妖精姫ちゃん、立って!」

ルーニーさんに声をかけられ、椅子から立ちあがる。


「それで、これを履いてね」

と、足元に置かれたのは、ドレスと全く同じ色の真紅の靴。


華奢でヒールも高く、シンプルで洗練された美しい形。


前世も含め、足をふみいれたことのない、大人っぽい靴だ!

かなり怖気づきながら、履いてみる。


おおお、背が高くなって視界がいい! 

そして、サイズもぴったり。だけど、転ばないように気をつけないとね…。


「はい、まっすぐ立って!」

ルーニーさんに言われ、背筋をのばす。


「いいわね! 完璧よ!」

と、ルーニーさん。


「素晴らしいですわ!」

と、おしゃれ部隊の隊長らしき、ベテランのメイドさん。


「リリーお嬢様…、すごいです! すごい、きれい!」

目を見開いているのは、私づきのメイドのサラ。帰らずに見学してたのね。


あれ、アイシャは?


と、思ったら、

「こっちはできたわよ、アイシャちゃん!」

ドアの向こうに向かって、ルーニーさんが声をかけた。


すると、あわいグリーンのドレスに着替えてきたアイシャが現れた。

普段は、はっきりした色を着るので珍しい。

でも、淡い色も、クールな美貌に映えて、とてもきれい! 

それに、体にそったラインのドレスは、すそが広がって、スタイルの良さが際立っている!


「アイシャ、その色も似合うねー! すごくきれいだよ!」

私が言うと、アイシャが微笑んだ。


「すごくきれいなのは、リリーの方よ。さあ、鏡を見てごらんなさい」

そう言って、大きな姿見の前に連れて行かれた。


鏡の中には、見慣れない女性が映っていた。

ドレープが豪華な真紅のドレスを着て、髪は複雑に結い上げられ、きりっとしたメイクをされて、大人っぽい姿。

一旦思考が止まった。


ええと、これは誰ですかっ?!


「あの、これ、詐欺では?! 原型をとどめてないよね?! もはや、別人?!」

見慣れない自分に動揺しまくって、声をあげる私。


すると、メイクを担当してくれたメイドさんが、きっぱりと言った。

「とんでもない! メリハリをつけるメイクをしただけで、さほど、手は加えてませんよ?! 

きれいなお肌も、いかしつつ、お嬢様の良さを存分に引き立つメイクをさせていただきました。

なんとも、やりがいがありましたわ!」


「そうよ! 普段使ってない、素材をいかしただけよー! これを機に、もっと、おしゃれしなさいよねー!」

ルーニーさんが、私に言う。


「思ったとおり、いえ、それ以上の出来栄えね。これで、王女もぐうの音もでないわね! フフ…」

腕をくんで、悪役令嬢のごとく微笑むアイシャ。


それから、バシャバシャと色んな角度で、ルーニーさんのお弟子さんに写真をとられて、着心地など質問に答えていたら、パーティーに出発する時間になった。


おしゃれ部隊のメイドさんたちと、ルーニーさんにしっかりとお礼を言い、いざ出発。

公爵家の馬車に乗せてもらって、アイシャとともに王宮へ向かった。


今の状況に全く慣れないまま、王宮へ到着。

私は転ばないよう注意して、馬車から降りた。


王宮の入口まで歩くと、あっちから走ってくる人が見えた。

あ、ロイさんだ。

正装して、見た目は、きらびやかな雰囲気のロイさんが、アイシャの前に走りこむ。


そして、息を整えて、

「今日は、来てくれて、ありが…」

そこまで言って、固まった。


そして、叫んだ。

「…えええ?! リリーちゃん? ほんとに、リリーちゃんなの?!」

目をぱちくりさせるロイさん。


まあ、別人だもんね…。


「うわ、これはやばいわ。ちょっと、リリーちゃん、…好きです!!」

ロイさんが言った瞬間、アイシャに、すごい勢いで睨まれた。


ロイさん、いくらなんでも軽すぎるよ…。


「それで、肝心のラルフは? 今日来るんでしょ?」

アイシャがロイさんに聞いた。


「2時間前に、ラルフに、リリーちゃんが参加することを知らせた。ほら、早くから言っとくと、来ないようにひきとめたり、邪魔したりするでしょ? 今頃、大慌てで、こっちへ向かってるんじゃない?」

と、ロイさん。


「でも、私が来るって言っても来なかったら?」


「ありえないよ」

「ありえないわね」

私の言葉に、ロイさんとアイシャの声が重なった。


そこへ、見覚えのある馬車が到着。


「ほら、来た!」

と、嬉しそうな声をあげるロイさん。


バンッとドアが開く音がして、すごい勢いで飛び降りたラルフ。

野性味あふれる登場に、皆の目が一気に吸い寄せられている。


ラルフはあたりを見回しながら、猛スピードで歩いてくる。

そして、こっちに気がついた。


あ、目があった。

その途端、ラルフの目が、ぐわっと開いた。

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