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(第二章を始めました)だれか溺愛見せてください。ちなみに、溺愛を見たいだけで、溺愛してもらいたいわけではありません。   作者: 水無月 あん
第一章

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来客

今日、2回目の更新になります。

翌日、荷造りの確認をしていると、私づきのメイドのサラがあわてた様子でとんできた。


「リリーお嬢様! 大変です! ラルフ様じゃない、また違ったタイプの、ものすごーく素敵な男性が訪ねて来られています!」

と、かなり興奮気味だ。


ラルフ以外でたずねてくる男性はいないから、驚きがすごい。


「サラ、落ち着いて。それで、だれが来たの?」


「トルイド伯爵家のジャン様とおっしゃる方です」


「ええ? ジャンさん?!」


あわてて、サラに言って、応接室に通してもらうと、私も簡単に、身なりを整えてから、すぐに向かった。


応接室に入ると、ジャンさんが座っていた。

「ごめんね、突然、訪ねてきて。本を読み終わったから、返しておこうと思って寄ってみたんだ」


「え、もう、読んだの?! 早いね!」

と、驚いた私。内容もずっしりで、かなり、ぶ厚い本だったんだけど。


「読みだしたらとまらなくなって、一気読みしたよ。心理描写も繊細で、ひきこまれた。特にラストが感動した」


「そうだよね、感動するよね!! いやー、気に入ってもらえて良かった!」

つい、声が大きくなってしまう。


でも、仕方がないよね。だって、自分の好きな本を気に入ってもらえるのは、すごく嬉しいもんね!


「あの二人の絆がいいな、と思ったよ。それに、あのヒロイン、リリーに似てるね」


「え? いやいやいや、全然似てないでしょ?! すごーく素敵なヒロインだよ」

私は、ぶんぶんと手をふって、ジャンさんに言った。


すると、ジャンさんは、

「リリーは素敵だよ」

と、私の目を見て、とろけるように微笑んだ。


はずかしくて、顔が熱くなった。

本当に、素敵男子はあなどれないわ…。びっくりするようなことを平気で言うんだから。


ここで、開いたままのドアから、メイドのサラが入って来た。


「失礼します。リリーお嬢様、アイシャ様がおみえですが、いかがいたしましょう」


「アイシャが?! ここへ、とおして」

と、私が言う。


「あ、ごめん。約束してたんだ?」

と、ジャンさん。


「ううん、してないよ。でも、アイシャだから、ジャンさんも、ゆっくりしていってね」

そう言ったところに、アイシャが入って来た。


ジャンさんを見て、驚いたように目を見開いた。


「あら、ジャン! どうしたの?」

アイシャが聞く。


「本を返しにきたんだ」

ジャンさんが答えた。


「へえ、わざわざ家までね」

と、意味ありげな微笑みを浮かべるアイシャ。


「すごいよね! こんなにぶあついのに、もう読んだんだって!」


「おもしろかったからね」

ジャンさんが、爽やかに答えた。


「それより、ジャンにもう言った?」

と、アイシャ。


「あ、そうだ。ちょうど、言わなきゃと思ってたんだ! あのね、ジャンさん。私、ロジャン国に短期留学に行くことになったの。四日後に出発なんだ」


「え?! また、急だね?!」

と、ジャンさんは、驚いた顔をした。


「うん、急に決めたの。それでね、三か月いないから、ジャンさんには沢山、本を貸しとくね」


「四日後から三か月? …ふーん。アイシャの行ってる学園なんでしょ?」

と、ジャンさんが、アイシャのほうを向いて聞いた。


「そうよ」


「ということは、王宮のそばだね。寮に入るの?」

ジャンさんが聞いてきた。


「うん、そう。アイシャに全部手続きしてもらったんだけどね。ジャンさん、ロジャン国に詳しいの?」


「まあね。うちの家、ロジャン国でも事業をしてるから。ちょうど、すぐそばに一つ店舗があるんだよね」


「え? なんのお店?!」


「生活用品を色々売ってるんだ。学園のすぐ近くだよ」

と、バッグから小さなカードをだしてきて、渡してくれた。


素敵な柄のカードで、お店の住所や電話番号がかいてある。

ふと、裏を見ると、ジャンさんの名前がのってある。


「ん? ジャンさん、ここで働いてるの? いや、学生よね?」


「そのお店はね、研修も兼ねて、ぼくが経営に参加してるんだ。だから、しょっちゅう行ってる。

リリーが留学するなら、その間は、特に頻繁に行こうかな。向こうで、リリーと会えるなんて、楽しそうだな。それと、そのカード、お得意様に渡すカードだけど、ぼくは使ったことがなくて。初めてのカードをリリーに渡せて良かった。それを見せると安く買えるから、必要な時があれば使ってね」

ジャンさんは恥ずかしそうに言った。


「え?! もう、お仕事してるなんて、なんか、すごいね。ジャンさん! そして、心強いカードを、ありがとう!」


私が喜んでいると、アイシャが、鋭い口調で言った。

「ちょっと、ジャン。私にはくれないの?!」


「あ、いる? アイシャは、いらなさそうだと思って。…じゃあ、これ、どうぞ」

と、ジャンさんが、カードをだして手渡した。


「ついでの2枚目をありがとう。しっかり、使わせてもらうわ。そうだ、ジャン。あなた、卒業したら、ロジャン国に行って、働くつもりはあるの?」

と、アイシャが聞く。


なんだか、すごく前のめりで聞いてる感じがするのは、気のせいかしら?


ジャンさんも突然の質問に少し驚いてたけど、ちょっと考えて、うなずいた。

「うちの家は、今から、もっとロジャン国に事業を拡大していきたいと思ってるみたいだから、ぼくが行くことになると思うよ」


それを聞いて、アイシャは、すごーく、いい笑顔を見せた。

「それは、いいわね! では、ジャン。ロジャン国に来るときは、寮に連絡して。これ、電話番号。いなかったら、伝言を受けつけてくれるから。ジャンが来る時に、リリーと一緒にあなたのお店に遊びに行くわ」


「うわあ、いいね、それ!」

私はワクワクして言った。


知ってる人に、ロジャン国で会えるなんて! 

エルザおばさまも、来てくれるって言ってたし。

どんどん、楽しみになってきた!


不定期更新ですみません! 読んでくださった方、ありがとうございます!

ブックマーク、評価、いいねをくださった方、励みになります。ありがとうございます!

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