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(第二章を始めました)だれか溺愛見せてください。ちなみに、溺愛を見たいだけで、溺愛してもらいたいわけではありません。   作者: 水無月 あん
第一章

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隠してたこと

不定期更新ですみません!

エルザおばさまに、たしなめられて、ラルフは私の隣の椅子にすわった。


少し落ち着いてきたのか、しっかりとエメラルド色の瞳で、私をとらえた。

「…いつから、いつまで留学するんだ?」


「ええと、5日後から3か月間かな…」


ラルフは、はーっとため息をついた。

「そんな、すぐなのか…。なんで、俺に言わなかった?!」


その質問に、なぜか、むかっときた。

「だって、ラルフは、王女様につきっきりで言葉を教えてたんでしょ? 忙しそうだし、言いにくかったんだよ」

と、また、子どもっぽい感じの答え方になってしまった。


「なんで、ここで王女のことがでてくる? 関係ないだろ?」

と、ラルフ。


ん? 関係ない? そう言われれば、そうなのかな?

私がひっかかってるだけなの? 

なんか、よくわからなくなってきた…。 


だまって、私たちを見ていたエルザおばさまが、

「なるほどね…」

と、つぶやいた。


そして、ラルフに言った。

「ラルフ。王女様のこと、ちゃんと、リリーに話したほうがいいわよ。黙っててほしいっていう、ラルフの気持ちもわかるから、黙ってたけど。どんどん、ややこしくなってるじゃない…。

リリーは、もう、5日後には、ロジャン国に行ってしまうのよ?」


「え? なんのこと?」


ラルフは、ちょっと考えていたが、

「黙ってたとことで、何故、こんなことになるのか意味がわからないが…。

とりあえず全部話す。だから、リリー。ちゃんと聞け!」

と、えらそうな口調で言った。


「わかった。では、ちゃんと聞いてあげよう」

私もえらそうな口調で返す。


ふっと、ラルフの目がゆるんだ。切れ長の目に、少しだけ甘さがでる。


「グラン国の言葉をしゃべれる人が少ないので、言葉を教えたりして、王女の話し相手をしてほしいと、ロイに頼まれた。今日までの契約だ。最初は断ったが、交換条件をだされたので、引き受けた。つまり、仕事だ」

淡々と話すラルフ。


「交換条件って?」

思ってもみない言葉がでてきた。なんだろう?


そこで、ラルフが言い淀む。


「ほら、ラルフ。隠してたら、手遅れになるわよ。ここまで待ったから言いたくはないだろうけど、言いなさいな」

エルザおばさまが、もどかしそうに言った。


なに、なに、なに?! ラルフは何を隠してるの?! 

ここまで待ったから言いたくないだろうけど…って、一体なにっ?!

想像がつかなさすぎて、ミステリーみたい…。

ラルフに、どんな秘密があるの? 


ドキドキドキ…。


「来週、リリーの誕生日だろ?」


ん? いきなり、全く、思ってもみなかったことを言われて、きょとんとする。

が、一応うなずく。


「…うん、確かにそうだね? で、それがなにか?」


ラルフは気まずそうに、ぽつりと言った。

「…リリーが欲しそうなものを、母に聞いた」


エルザおばさまを見ると、こくこくと首を縦にふっている。


「すると、リリーが読みたがってる本がいいんじゃないかって言われた。でも、新刊本は自分で買うだろうし、やはり手に入りにくい本にしようと思って。リリーが手にいれたがっている本のタイトルを母に教えてもらった」


「あっ、そういえば、エルザおばさまに聞かれたことがあった! 手に入らない本で、読みたい本はどんな本って?」


エルザおばさまは、

「そう、その時、リリーに聞いた作者とタイトルを忘れないよう急いでメモして、ラルフに渡したの」

と、フフッと微笑んだ。 


え? 結構、いろいろな作家さんの本をあげたような気がする…。 


「でも、探したけど、全然手に入らない。そしたら、ロイが、王妃様に頼まれて、リリーのためにマクシミリアンっていう作家の絶版本を手に入れたと母から聞いた。なので、ロイに聞いてみた。そしたら、王女の話し相手を引き受けてくれたら、報酬に、希望する絶版本を渡すと言われた。それで引き受けた」


「ええっ、そうだったの?! 言ってくれればよかったのに」


「来週の誕生日に、いきなり渡して、驚かせたかったから…」

と、恥ずかしそうに、ラルフが目をそらした。


ラルフの気持ちがうれしくて、心がほんわりとあたたかくなる。


…が、王女様はどうなった?


「でも、今日で、王女様と契約が終わりということは、帰られたの?」


「いや、まだ、いるだろ」


「じゃあ、まだ行くんだ」


「いや、契約が終わったから行かない。まあ、ロイは延長を頼んできたけど断った」


「え、仲良さそうだったのに、いいの?」

私が二人の様子を思い浮かべて言った。


「仲がいい? いや、普通だろ」

と、ラルフ。


「いやいやいや、すごく仲良さそうに見えましたけど。そして、すごくお似合いに見えましたけど。

それに、ラルフ、笑いかけてたし。ほら、女性に笑うのって珍しいから、びっくりして…、って、あ」

思わず、私の口から、ためこんでたものが、勝手にポロポロとでてしまった。


「はああ?!」

ラルフが、驚いたように声をあげた。


読みづらいところも多いと思いますが、読んでくださった方、ありがとうございます!

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