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(第二章を始めました)だれか溺愛見せてください。ちなみに、溺愛を見たいだけで、溺愛してもらいたいわけではありません。   作者: 水無月 あん
第一章

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これぞ、逸材?

パーティ場面が続きます。

人影に隠れながら、ささっと歩き始めたわたし。


が、すぐに、

「すみません」

と、声がした。


私じゃないよね。誰も知らないし、しかも背景に同化しているはず!


ということで、また歩き出そうとすると、

「ミラベル侯爵家の御令嬢リリアンヌ様ですよね?」

と、はっきりした、声が聞こえた。


えっ、それって私?!


思わず、声のほうを見ると、長身の若い男性が立っていた。

亜麻色の髪に、整った顔立ち。

私を見つめる、落ち着いたこげ茶色の眼差しは、えらく真剣だ。


全く見たことがない人だけど、もしや、何か、私、しでかした?!


貴族社会には疎く、溺愛のターゲット以外覚える気もないので、侯爵令嬢とは思えないほど何も知らない。

どうしよう。知らないうちに、失礼なこと、してしまったのかな?


先手必勝で、先に謝るか?!


なんて、思っていると、

「は、…はじめまして。トルイド伯爵家のジャン・トルイドと申します!」


と、直立不動で挨拶された。えっと、声がちょっと裏返ってますが?


「リリアンヌ・ミラベルです。えっと、はじめまして…」

と、一応、挨拶をかえしてみる。


これで良いのかな?


「突然、失礼かと思ったのですが、どうしてもお話したくて声をかけさせていただきました」


「え? 私と?!」

思わず、びっくりして問い返してしまった。だって、そんなことを言われたのは初めてだもんね。


その人は、なぜか頬を赤らめて、うなずいた。


背も高く、多分、年上のようだけれど、なんか、かわいらしい人だなあ。


と、思った瞬間、私の溺愛観察スイッチが入った!


まず、真面目で、不器用そうなところが好感度が高い。

きっと、ヒロインを一途に溺愛するんだろうなあ。素敵!


しかも、この容姿! ラルフとは違うタイプの美形だ。


一体、どこに埋もれてたんだろう? というような、逸材ね。

是非、だれかを溺愛して、私に見せて!


おっといけない。本人を目の前にして、妄想がひろがり意識がとんでた。


ジャンさんは、まだ頬を赤らめたまま言った。

「実は、本屋で何度もおみかけしたことがあって…。私も本が好きなので、お話しできればと思ってたんです。あの本屋は掘り出し物があるので、ぼくもよく行くんです」


確かに! あそこは、本当、おもしろい本があるんだよね!

もう、ジャンさんに一気に親しみがわいてきた。

だって、好きな本屋が一緒だなんて、本好きとしては嬉しい。


「どんな本を読まれるんですか?」

思わず、聞いてみた。


ジャンさんは、はずかしそうにしながら言った。

「小説なら何でも読みますが、特に恋愛ものが好きです…」

耳まで赤くなっている。


ジャンさん、なんて、かわいいんでしょ!!

恋愛小説を読む、寡黙な美青年。ギャップもあって、いいわ!

ちっとも恥ずかしがることなんかないのに。


なので、

「私も恋愛もの読みます。なかでも、溺愛が好きなんです!」

と、胸をはって言ってみた。


すると、目を見開いたあと、ふわりと微笑んだ。

なんて、素敵な笑顔。

これぞヒロインに向けてほしい笑顔だわ!


不定期更新ですみません! 読みづらいところも多いと思いますが、読んでくださっている方、ありがとうございます!

ブックマーク、評価、いいねをくださった方、励みになります。ありがとうございます!

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