表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/90

私の趣味

私、リリアンヌ15歳。侯爵家令嬢だ。


が、日本で生まれ育ち、平凡な女子高生だった前世の記憶をもっている。

しかも、田舎で、おばあちゃんと二人で質素な暮らしをしていた。


そのせいか、今世でも、どうも、節約モードがぬけきれない。

でも、まあ、節約することはいいことだもんね。その分、本代にまわせるし。


そんな前世での私の趣味は、ライトノベルを読むことだった。

バイト代で買い、同じ趣味の友達と貸し借りしながら、異世界転生、悪役令嬢、婚約破棄…いろいろ読んだわ。


でも、なかでも心をときめかせたのが「溺愛」。

ライトノベルの中でしかお目にかかれなかった「溺愛」。


それを、生で見られるチャンスの中に私は、今、生きている!

ということで、今世の私の趣味の一つは、「溺愛」探しだ。


貴族の令嬢や令息、王子様、騎士、まさに、この世界はライトノベルのごとき世界だから。

本物の溺愛を生で見てみたい!


が、ここで問題。

観察の結果、「溺愛」というのは、目に見えにくいということが、わかってきた。

表面的だけ溺愛に見えても、本当にそうとは限らない。


むしろ、私が今いる、この世界の貴族社会では、わかりやすいくらい溺愛に見える場合は、違う可能性が高いのではないだろうか。

例えば、すごく仲が良さそうに見える婚約者同志が、お互い別の相手がいたりして、びっくりしたり。

数々のにせものを見てきました…。


個人的には、寡黙で不愛想にみえる騎士が、なにより婚約者を溺愛しているとか萌えるんだけど、残念ながら見たことがない。


さりげなく、身近で聞きこんでみたが、いない…。

やはり、貴族は政略結婚が多いからかな。


が、見つける難易度があがるぶん、探しがいもある!


そして、明日は、そのかっこうの場があるのよ! 

王室主催のパーティーだ。


ちなみに、私には婚約者がいないので、幼馴染のラルフにエスコートをお願いしている。


小さい頃は特に、女子高生の前世の記憶が強かったので、同年代の子どもたちが幼すぎて、全くなじめなかった。


が、もしや悟りをひらいてますか? というほど、達観した子どもだったラルフとは、仲良くなれた。

なぜか、前世、女子高生の私が、幼いラルフに一方的に話を聞いてもらっていたのだけれど。


今でも、数少ない私の友人の一人だ。自分で言って、むなしいが…。


ちなみにラルフは、公爵家の嫡男。一つ年上だ。

頭脳明晰で、容姿端麗で、将来有望。なのに、婚約者がいない。

まあ、理由はわかっている。

すごい毒舌だからだ。


彼の外見や条件に魅了され、近寄る女性は多いけれど、もれなく、かわいそうなくらいの打撃をうける。

なのに、近寄る猛者はいまだ、あとをたたず。

みんな鋼のメンタルよね。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ