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私は今日、死にます。  作者: 赤八汐カケル
8/8

暖かい世界を求めて

私は今日死にます。


私は、人間と言われる生物が縦に約一万人並んだ、遥か上の世界で生まれた。そこは生物という生物が凍えてしまうような寒さだった。私はこの世界よりも下の世界に興味を持った。でも、残念なことに私はこの世界から下に行くと溶けてこの世に存在していたのだろうかと疑ってしまうほどに綺麗にいなくなってしまうだろう…地上と言われる場所に近づけば近づくほどに私は小さくなり、やがて消えてなくなるだろう。そんなのは絶対に嫌だな…



凍えるような寒さで体を大きく成長させながら悩み、そして、一筋の希望を見つけた。この世界で大きく成長すればいいのだと。夏という季節が来ても耐えられるぐらいに大きく大きくなり、消えてなくならないように、強く成長すればいいのだと。


それから、私は、この世にない、暖かさというものを感じるために一生懸命に寒さに耐えて、上へ上へ更なる極寒の地へと向かった。もう死んでしまいたいぐらい、寒い。でも、夏を迎えられるほどに私は強くなるのだという決意が私を支えてくれた。きっとこの世界での地獄を耐えれば、きっと、絶対に報われると、そう信じて私は、耐える。


もう何時間たっただろうか…そろそろ限界だ…もう大分大きく成長した、もういいだろう。そう思い、上へ行くのをやめて、六花形(ろっかけい)の形の体を寒い空へと身を委ねた。


灰色で寒い世界の中で自分の体はフワフワと舞い落ちる。ふと横を見ると、自分より遥かに小さい仲間たちがフワフワ舞い降りていく。


暫く落ちていくと、灰色の寒い世界が少し暖かい灰色の世界に変わった。私は、感動して少し溶けてしまった。きっと、人間はこれを()というのだろう。でも、もし、涙としたら、身を削って泣いているのだ。きっと、人間には想像もつかないだろう。身を削るほどの感動を私は感じているのだ。


段々と六花形の体は感動で溶けていく、誰よりも大きくした体が…極寒の地獄を耐えながら、大きくした体が、感動して溶けていく…


でも、私は満足している。暖かさと言われるものを感じることができてとても幸せだ。


いつの間にか灰色の世界が遥か上にある。なんて、美しいのだろうか。仲間たちが純白の体を一面に漂わせている。まるで、極寒の灰色の世界から垣間見えた、星々よりも綺麗だ。例えるなら、灰色の宇宙に純白というもっと目立たないはずの色が不思議に煌めいて、一面に散りばめられ、フワリと私と一緒に漂っている。

何て美しいのだろうか。私は、また、感動して身を溶かす。


ふと私は下を見た。


そこには、見たこともない色が点々と輝かしている。これを黄金色というのだろうか?黄金色のものが点々と遥か上空の私たちを導いている。更に私は、溶ける。


何て幸せなのだろう。私には目がないが、人間が言う、視覚からは純白の星々と黄金色の星々が見えて、私を溶かす。そして、感覚からは心地よい暖かさが私を包み込んで溶かす。


あ~幸せだ。これならもう死んでしまってもいいほどに心地がいい。


地上につく頃には、大きな六花形だった姿が、溶けて小さな六花形になっていた。


私は、ゆっくりと初雪草の葉っぱにそっと降り立った。


何て、暖かいのだろうか。小さくなった体が感動と快感で溶けてどんどんと涙になる。あ~何て幸せなのだろうか


神様、ありがとう。私に最初で最後の祝福をくれて…そう心の中で感謝すると私は、全身が涙となった…

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