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私は今日、死にます。  作者: 赤八汐カケル
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告白

私は今日死にます。


私は病院のベッドで酸素マスクをして横たわっている。

そんな私の周りには、医者や看護師、家族がいた……

家族は私の手を握りながら泣いていた…


(かえで)逝かないで……」

母親が私の手を強く握っていた。


父も弟もみんな私のことを呼んでいた…


そんな私は、3ヶ月前に脊髄ガンの末期だと診断された……

手術は出来ないらしい……


余命宣告された時は、ほんとに絶望的だった。

だって19歳の時に診断された…

やりたいことも沢山あった!恋もしたかった……

友達とお酒も飲みたかった!


それが全部出来なくなった……

挙句の果てに、抗がん剤治療で髪の毛もなくなり、精神的には不安定になった……


でも、私は何とか今まで生きてこれた。


そんな私に希望をくれたのは一人の女性の看護師さんだった。


私は看護師さんに叶わない恋をした……


私はどうやらレズビアンだったらしい


私はまだ思いを告げてない…

私は最後の日に想いを告げようてから死のうと思う……


卑怯だと思うけど、後悔をしたまま死にたくない!と思ったから、告白しようと決めた!


私は1ヶ月前に震える手でラブレターを書いて床頭台(しょうとうだい)に入れた。


今、私はその手紙が入っている床頭台を震える指で一生懸命に指した。


声を出そうとしたが、もう出す力も残されていなかった。


指を指したが、震えてどこを指さしているのかさえも分からない。


その場にいる人が全員が私の指先に注目した。

だけど、わかってくれたのは一人だけだった…


(かえで)さん、ここを開ければいいの?」


小さく頷く。


看護師は楓が指を指した床頭台を開けて、1枚の手紙を出した


「読んで…」

口の動きでそう伝えた。


看護師は察して黙って読んでくれた。


手紙は、看護師の涙でインクが滲んでいた…


沈黙がしばらく流れた。


涙を溢れさせながら、とても嬉しそうな表情を浮かべて言った。

「私で良ければ是非……」


それを聞いて

私は静かに笑って目を閉じた……


その後、私のお墓に一人の女性が訪れた。そして、99本の赤い綺麗な薔薇を供えた。


「楓さん、99本の赤い薔薇が持つ意味って知ってる?」

女は寂しい表情を向けた。


「それはね、永遠の愛なんだって……実は私もあなたの事が好きだったの…だからね、ちゃんと楓さんの分まで生きるから……私が逝くまで待っててね…」

言葉を詰まらせながらそういった。


風が吹いて空には、薔薇の花びらが舞い上がっていた…






























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