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石畳   作者: 細波みずき
2/3

石畳 分岐1 トウコちゃん

  L字廊下の先で女の子が泣いている。

4人の先生が慰めたり塩をまいたりしている。


小学校低学年の女の子が怖い話を聞かされてないてしまった。

おそらくだがこんなところだろう。



先生たちに諭される。

見物してないで教室に戻れと。



その日以降、L字廊下の先は家庭科室を使う授業のある時以外

侵入禁止になった。



後日、聞いた話だ。


女の子が先生にどういう証言をしたのか。

それを先生に聞きに行った別の女の子の同級生がいた。


当然先生は話さなかった。

直接女の子になにがあったか聞いたそうだ。


「以前からL字廊下の先で友達と遊んでいた。

休み時間はいつもそこに行った。

トウコちゃんっていう女の子。

トウコちゃんと竹馬や一輪車をして遊んだ。

廊下だが人目につかず、先生も生徒も訪れない。

しかし同じクラスの男の子に、

いつも休み時間にどこにもいないから不信に思われ、

後をつけられた。

『そんな鏡に一人で話しかけてなにやってるの?』

男の子に声をかけられた。

トウコちゃんは気づいたらいなかった。

その日から休み時間は他の友達と遊ぶようになったが

ある日気づいたらまたそこでトウコちゃんと遊んでいた。

『トウコちゃんと遊んでいたら友達に不信がられるからもう遊ばない。ここには来ない』

って言ったら怒ったトウコちゃんに追いかけられた。

またその日以降そこでは遊ばなくなったが、気付いたら再び家庭科室前に来ていた。

怖くなって泣き出した。男の子が気づき、先生を連れてきた」



そんな話だった。


小学1.2年生の証言、しかも又聞きの話だからどこが脚色されているかも分からない。



ただ、キレイに登場人物が出そろうのはすこし気味が悪い。

笑う女の子、泣く女の子、怒る女の子、追いかける女の子。


もしかしたら床の傷、3点の穴は関係ないのかもしれないし

そのトウコちゃんなる霊の想いが3点の変化する穴を作り出したのかもしれない。



自分が霊に出くわしたとかそんな話ではないところが

怪談らしいといえば怪談らしい。


結局、トウコちゃんを見たのもその女の子一人だけなのだから。







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