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100日後にNTRれる幼馴染  作者: 12月24日午後9時
72/107

あと29日

NTR進捗状況

駿と鈴が噂になるも、駿が強く否定する。


田中 ただし :主人公、駿は親友の彼女に手を出さない、ヨシ。

橘  すず  :幼馴染、寝取られる。

金谷 駿しゅん :イケメン、クラス意外でも人気者、幼馴染とフラグ建築中。漫才が好き。親友の彼女に手は出さない。

暗い客席と対照的にステージだけが明るい。ステージの上を目立たせるというよりも観客を見えづらくすることでステージに立つ素人に毛が生えた程度の高校生の緊張を取り除こうという配慮なのだろう。確かにその配慮はありがたい。何度目かの人前での漫才だがいつも緊張で言葉が出なくなるのではないかと、そんな悪い可能性が頭をちらつく。そんな緊張に表情が凍るただしだったがそれでも出だしさえ何とかなればうまくやれる自信はあった。その出だしを担当するのが隣の駿しゅんだ。表情はいつも通り。しかし、だからと言って油断してはいけない。駿もこんな場面は初めてなのだ。そして、チャンスは一回きり。失敗して残念だったね、でも頑張ったね、では終わらないのだ。

この場を仕切っている大学生ぐらいの場慣れした男の人が再確認している。

「はい、今回は東京U-18漫才大会の予選です。予選なのですが、今回は皆さんのネタだけを評価します。最初に自己紹介などはしなくていいです、時間が押していますから。ネタは一つのみ、長さは関係ありません。ネタが終わった段階で下がってください。では一番のコンビから、どうぞ。」

急き立てられるように、正の前の組がステージの袖から照明の下へと出ていく。目の前の背中が消えて急に広くなった視界が正の緊張感を煽る。妙なアドリブはいらない。練習通りに。それだけを今は考える。


「すいませーん、警察です。ちょっといいですか?」

駿が警官役で気真面目そうな表情を作る。

「えーヤダ、イケメンじゃん。あたしナンパされちゃった。」

ワザとらしい女声で正がそんな駿に答える。馴れ馴れしい押しの強いギャルっぽさが出せていると自信を持つ。そんな正のギャル役に駿の警官役は努めて冷たい態度で接する。

「いえ、捜査のご協力をお願いしたいだけで。」

「あ、あたし、塩酸です。」

「どうも、本官は水酸化ナトリウムです。」

「やだー。相性ばっちりー。どうしよう熱くなってきちゃった。」

「いえ、混ざると中和して水とえんになっちゃうんで。あとそれ、中和熱なんで、ちょっと離れてくれます?」

「えー、やだー。もっと突沸するぐらい中和されたーい。」

「いえ、跳ねると危険なんで。それでですね、この辺でさっき人が殺されて、溶けて死体も残ってないんですよ。」

「知りません、たんぱく質とかあたし全然関係ないんで。」

「でも、塩酸ってたんぱく質を溶かせますよね。」

「いえ、よくわからないです。もう行ってもいいですか。」

「でも、目撃者がいるんですよ。白煙が立ってて、刺激臭がしたって。塩酸の特徴ですよね。」

「あいつが悪いのよ!お前は毒劇物だから管理が重いんだよって廃液処理しようとするからー。」

「はい、容疑者確保しました。はい、大変興奮しているので、酸化耐性の容器に入れてください。はい。」


とりあえず、何とか最後までとちらずに終えることができた。予選の結果は後日ということなので今日はこのまま帰ることになる。

「なんか、まだまだできた気がするんだけどな。」

「ああ、もっとテンポとか、ネタへの入り方も面白くできたよな。」

今までは形にすることに一生懸命でネタの完成度に対して妥協があった気がする。まだまだやれることはたくさんある。そう思うとなんだかじっとしていられない。

「よし、帰って練習しよう。」

「そうだな。」

駿も同意して一緒に歩き出す。同じように情熱を持ち、同じように夢中になる。この二人ならきっとやれる。正はそんな気がしていた。

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