あと78日
NTR進捗状況
ヒロインと正がいい雰囲気だったが晄に邪魔される。
田中 正 :主人公、もうラブラブですし。
橘 鈴 :幼馴染、寝取られる。
黒井 光 :小学生、クソガキ
黒田 晄 :汚っさん、女子生徒をいやらしい目で見ることに定評のある男性教員。
塾の自習室では鈴との貴重なひと時を正は楽しんでいた。
「ほら、ここ間違ってるぞ。」
「もう、いじわる。ちゃんと教えてよ。」
晄に成績のことを指摘された鈴は急に今度の中間試験が気になりだしこうして昨日から正に見てもらいながら勉強している。
正にとっては晄に邪魔された鈴とのひと時を再び取り返すチャンスのため熱心に鈴の勉強を見ていた。自然と鈴と正の会話が恋人のようなそれに変わっていく。
これはもっと積極的に行くべきなんじゃないか。正は思った。だって今は二人っきりだし、なんならここは二人の新婚住まいみたいなもの。昨日の妄想のおかげですぐに最高回転まで回りだした正の頭のエンジンは正の奇行を前へ前へと推し進める。机に向かって真剣に向かう鈴の横顔を盗み見る。かわいいい。思わず誰かに自慢したくなるが、自慢すれば嫉妬心が抑えられなくなるからもちろんそんなことはしない。でもどうしてもというなら。正は相手のいない自慢話を心の中で延々と行っていた。
正は周りを見る。よし誰もいないな。こんなチャンスだ。むしろ何もしないと、鈴が女としての魅力がないのではと不安に思うかもしれない。正の自尊心と欲望がぎりぎりのつり合いが取れる行為として、消しゴムを取るつもりが相手の手をつかんでしまうというべたなアクシデントを故意に行うことにした。恋と故意って似てるよね、つまりこれはワザとだけれど恋のせい。僕のせいではない。恥ずかしいポエムが自然と心の中であふれてくる。正は相当バカになった自分の頭を少しも疑うことなくその考えに従った。
「おっとー。消しゴムはどこかな。」
正の消しゴムは目の前にある。にもかかわらず鈴のいる隣へと全力で右手を伸ばす。正の不自然さに手を握られた相手は思わず本音を返してしまった。
「キンもー。」
正の頭は急ブレーキの摩擦で削り取られ、一瞬、思考に空白ができる。だが再び動き出した頭がその言葉の主が鈴ではないことを教えてくれる。横を見るといつの間にか鈴と正の間に割り込んだ光が座っていた。正は鈴を見ながら手を掴むのが照れくさくてつい目線をそれしたまま手を伸ばした。そのせいで、その右手はしっかりと光の手を握っていた。
「なんだ、光か邪魔だぞ。小学生はもう遅いから帰らないとだめだぞ。」
本音を取り繕わず、早くいなくなるよう手で示す正に、意外なものを見るように光は驚く。
「なんだよ、正、急にちょーしこきだして。鈴お姉ちゃん、こいつね今鈴お姉ちゃんの手を握ろうとしてたんだよ。」
光は取りあえず鈴に正のキモさを報告するが返ってくる反応は芳しくない。
「そうだね。ダダくん、いけない子だね。」
鈴の表情に光は何かを察する。一度、鈴と正の顔を見比べ少し考えたのち、鈴に甘えた声で言う。
「鈴お姉ちゃん。もうお外暗いから一人じゃ帰れないよ。」
何言ってんだこのクソガキ。夜になったら喜んでエロ本の自販機でも覗きに行くクソガキの分際で。
「そうだね、お姉ちゃんが送ってってあげようか。」
しかし、生真面目な鈴は持ち前の責任感を発揮して光に手を差し伸べる。
せっかくの放課後イチャイチャタイムだったのに、目の前を僕の代わりに光の手を握って鈴が行ってしまう。本当なら僕がその手を握っているはずだったのに。だけど、まあいい。これからチャンスはいくらでもやってくる。なにせもう恋人同士みたいなものなのだから。
正は余裕の表情で考え直した。そのせいで、一瞬振り返った光の表情の意味を測り損ねた。




