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100日後にNTRれる幼馴染  作者: 12月24日午後9時
21/107

あと80日

NTR進捗状況

ヒロインが輝にやられそうになっていたところを駿と協力して助け出した。


田中 ただし :主人公、駿は他人の彼女に手を出さない。

橘  すず  :幼馴染、寝取られる。

金谷 駿しゅん :イケメン、クラスでは人気者、幼馴染とフラグ建築中。他人の彼女に手を出さない。

黒川 てる  :チャラい、イケメンの取り巻き、幼馴染と無理やりフラグ建築中。ヒロインをヤリ部屋のカラオケ屋に誘い込むも返り討ち。


学校に着くとただしは早速、駿しゅんにあいさつする。

「お、おはよう、駿くん。」

「おお、ただしー、いいとこに。頼む、今日の化学の課題見せてくれよー。俺、完全に忘れてたんだって。」

駿が大げさに正にすがりつく。緊張していたのがバカらしくなるくらいに屈託のない駿の返事につい正は笑ってしまう。

「まだ、昼休みがあるだろ。ちゃんと教えてあげるから、自分でやろうよ。」

「ほんとかー、俺マジでバカだから、絶対見捨てんなよ。」

今まで見たことのない組み合わせにクラスが妙な緊張感で話の成り行きを見守っていた。だが、どうやら本当に正と駿が仲良くなったことが分かると今度は何が起こったのか知りたがる質問が二人に集中した。

「へへ、正は俺の命の恩人でさ。見てくれよ、この腕の包帯。俺のためにこんなに傷だらけになって。」

「いや、違うよこれは鈴のため、じゃなくて自転車で転んだだけだから。」

そう言って誤魔化す正だったが、痛々しく腕に巻かれた包帯と正に救われたという駿の言葉が尋常ではない何かが起こったのではないかと余計に憶測を呼ぶことになった。

そんな教室の後ろで誰にも見られないように入る人の影があった。その人影を駿が睨むように見ている。

「お、おはよーっす。」

てるが恐る恐る駿にあいさつする。駿と目が合ってしまったことで無視するわけにもいかず、輝は何かを誤魔化すようなご機嫌伺の苦笑いを浮かべる。

その輝のあいさつを駿が誰もが分かる形で無視する。まるで、わざと輝にあいさつさせるようにプレッシャーをかけた上で冷たくあしらうような露骨な態度に周りは何かを察した。一部の女子は正を加えた男の三角関係を強く主張していたが、クラスの大半はもっと深刻な事態を予想している。


「鈴ちゃーん、駿がいじめるよー。」

だが、さすがは輝といえるのだろうか旗色が悪いと感じると御しやすいすずに絡み始めた。昨日、自分が鈴に何をやったのか忘れたかのようなその態度に、正は怒りがわく。輝にとっては押しの弱い鈴は今まで散々利用してきた都合のいい相手、その延長線でしか昨日の出来事をとらえていないのだろう。正は一言言ってやろうと立ち上がる。それを駿が止める。

「ここは、オレに任せてくれ。大丈夫だ、あいつが一番嫌がるやり方で復讐してやる。」

駿が人の悪い笑顔で頼もしいことをいう。

「あ、あの、わたし、もう。」

鈴は輝を拒否したいが強い言葉が言えず、強引な輝の思惑にはまっていた。そこに駿が割り込む。

「よー、輝。こんなとこで他の女の子にちょっかいかけるなんて、彼女に悪いだろ。」

駿が親し気な口調で、しかし輝が触れられたくないポイントを突く。

「えっ、彼女って、俺そんなのいねぇし。」

「そんなことないよな、毎日家に彼女連れ込んでるって、輝のおばちゃんが言ってたぞ。」

クラスがシンとなる。惚れた晴れたはよくあることだ。しかし、輝は鈴につきまとうのを付き合うためのステップだとクラスでは受け止められていた。冗談っぽく輝が言うのはそういうキャラだからで、実際の胸の内は切実なものだと信じていた同級生も少なくない。

「二股じゃん。」

「なにそれ、ひっど。」

特に女子からの視線が鋭い。奥手で遠慮がちな鈴に猛烈にアピールする輝を応援していた同級生はその裏切りが許せない。

「ちょっと、輝。あんた言ってたよね。鈴のことマジだから応援してって。」

その言葉に正は驚く。思った以上に輝は外堀を埋めにきていた。なんなら日曜に強引に関係を持ち、クラスでは告白が成功したとでも喧伝すればすべては輝の悪だくみ通りに進んでいた可能性もある。だが、その裏工作が今や輝の首を絞めている。

「彼女と昼間っからおっぱじめるから、お隣から苦情が来るっておばちゃん愚痴ってたな。」

クラスの中でも正義感の強い男子が輝に詰め寄る。

「おい、輝。お前、最近、悪い噂聞いてたからまさかと思ってたけど、他校の女子ともめてるってのもほんとかよ。」

クラスの中では輝の真偽不明の噂で盛り上がる。

悪い先輩に女の子を紹介している。カラオケ屋で強引に関係を求めてくる。動画を売って稼いでいる。怪しいスマホ屋を紹介して来る。

やがて、追い詰められた輝は鞄を取り逃げ出した。

鈴が受けた恐怖はこんなものではなかった、だけど今はたくさんの味方ができた気がして、もはや輝のことなど気にする必要はない。そう思えた。

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