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100日後にNTRれる幼馴染  作者: 12月24日午後9時
19/107

あと82日

NTR進捗状況

ヒロインが誘われたカラオケ屋を主人公は晄を使って警察に潰させようとする。


田中 ただし :主人公、お願いティーチャー。

橘  すず  :幼馴染、寝取られる。

金谷 駿しゅん :イケメン、クラスでは人気者、幼馴染とフラグ建築中。

黒川 てる  :チャラい、イケメンの取り巻き、幼馴染と無理やりフラグ建築中。ヒロインをヤリ部屋のカラオケ屋に誘い込む。

黒田 おう  :汚っさん、女子生徒をいやらしい目で見ることに定評のある男性教員。今回は正義の味方。


分厚い雲が覆う空を見ながら半そでには肌寒い気温にただしは体が震えた。いや、これは緊張しているからだ。これから行うことを考えると心細くなるのも仕方ない。失敗できない今日一日の計画を頭の中でなぞる。すずてるにカラオケ屋に誘われているのは日曜日、今日中にカラオケ屋に警察が踏み込めば中止にできる。

来た。繁華街の外れからおうが歩いてくる。親に反抗して家に居づらい高校生、特に女子高生が夜にたむろしていそうな場所を舐めるように見て回っている。まずは予定通り、正はなるべく自然に、偶然を装っておうに話しかけた。


「ぬふふぅ、本当にここに入っていったのか?えーと。」

「田中ですよ、先生。そうなんですよ、なんだか家出中みたいな女の子が不良っぽい男たちに誘われて。」

正はおうを例のカラオケ屋に誘導することに成功した。もうカラオケ屋は目と鼻の先だ。

「む、不良。いや、むう。たしかに家出中の女子高生は惜しい、いや安全が気になるが、不良たちがいるとなると先生には。」

しまった、この男は見た目通りの秘められた力など持っていない貧弱な中年教師、荒事になると分かったら逃げてしまう。

「いえ、違いました。不良って言うのはちょっと言い過ぎで、ひょろひょろの男が一人でした。」

「何をしている、田口。女の子がピンチなんだぞ、こんなところで怖気づいている暇などない。」

急に鼻息荒く言い出したおうは堂々としたがに股でカラオケ屋へと入っていった。それに正も続く。

「田中ですよ、先生。」


受付は意外にも小ぎれいでいかがわしい目的で使われているカラオケ屋にはとてもではないが見えなかった。確かにいかにもヤバそうな見た目をしていたら女の子が逃げてしまうから当然か。受付に立つ男性が愛想よく挨拶をする。

「いらっしゃいませ、二名様ですか?」

「ぬふ、いや我々は、」「はい、二名です。ドリンクはセルフで、一時間コースでお願いします。」

おうの言葉を遮って正が話を進める。

「先生、とりあえず。穏便に侵入して現場を押さえることを優先しましょう。」

正が小声でおうに進言する。おうはよく分からないままうなずき、そのまま案内された部屋へと向かう。


「ぬふふぅ、それでそれで、家出女子はどこにいるんだ。」

部屋に着くとおうが待ちきれずに正を急かす。部屋に案内されている間に店内を観察していた正はちゃんと目星をつけていた。

「大丈夫ですよ先生。もうすぐです。」

興奮して先走ろうとするおうを落ち着かせ現場を押さえるべく動き出す。

正は廊下の奥、カラオケ屋にも関わらず窓ガラスが無い部屋へと向かう。やっぱりだ。外側からカギをかけるタイプの扉になっている。恐らく事に及ぼうとしたときに逃げられないよう内側からはカギを開けられないようにしているのだ。正は扉に耳を当てる。防音構造で内容は聞き取れないが部屋の中で騒いでいるのが聞こえる。よし。

「それじゃ、先生。1、2の3で扉を開けます。そしたら、先生はカッコよく飛び込んで女の子を助け出してください。僕は後から入って男の注意がそれている隙に足止めします。」

「ぬふふぅ、カッコよくか。まかせたまえ、田辺。」

「田中です。」

そう返事をすると、正は数字をカウントする。おうが飛び込んだら直ぐに扉の鍵をかけ警察に連絡する。婦女暴行の現場に教師が踏み込み、しかし不良たちにボコボコにされていると言えばさすがの警察も動かざる負えまい。おうの知り合いがいる警察署の番号は登録済みだ。おうの名前を出せば説得力も増す。

「1,2の3。」

「ぬっふー。待ちたまえ、私も仲間に、いや、非道は許さんぞ。」

おうは勢いよく部屋に飛び込み何故か前転しながら部屋の奥へと消えて行った。すぐさま正は扉を閉めようとする。だが、意外な声に踏みとどまる。

「なにしてんスか?せんせー。」

声の主は輝だった。まさか、明日も控えているはずなのに二日連続でイケるのか?正は驚き成り行きを見守る。

「むっ、女子、女子いない。輝、なんだ、お前か。」

何故かおうが輝の名を親し気に呼ぶ。おかしい、輝と主に駿がおうの鈴誘拐を邪魔したはずなのに、おうは相当に輝のことを恨んでいるはずだ。

「あー、なんすかせんせー。報酬のはなしっすか。こんなとこまで来ないでくださいよー。」

輝が早合点しておうの返事も聞かずに話を進める。報酬?いったい何の?

「む、そうだ輝、お前、あの鈴とかいう生徒に恩を売る手伝いをしたらピチピチの元読モ女子高生を紹介すると言ったのに、あれから私を避けおって。私がどれだけ危ない橋を、」

「はいはい、忘れて無いっスよー、ただちょっとせんせーと話してるとこあいつに見られるとまずいんで。でもちゃんと紹介しますよ。5マンぽっきりでいける子を。」

「む、五万円、金をとるのか、しかし、ピチピチの元人気No1読モ女子高生を五万なら。」

「まかせてくださいよ、ちゃんと元女子高生、紹介しますから。」

微妙に二人の会話がかみ合っていないが、しかしそんなことは重要ではない。輝とおうが繋がっていた、全てが仕組まれていた。奇しくも疑心暗鬼になっていた正の予想は当たっていた。しかし、それは最悪を意味していた。ここで警察を呼んでもおうは輝と口裏を合わせて嘘の通報ということになってしまう。計画は失敗だ。正のことなどすっかり忘れ幻の読モ女子高生を夢見るおうを置いて正はその場を離れた。

どうするどうするどうする。もう明日まで時間は無い。

家出風の女の子とひょろっとした男の子が仲睦まじく部屋から出てくる。ぶつぶつとつぶやく正を気味悪そうに見て避ける。しかしそんなことは重要ではない。



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