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アイスティーはいかが。

作者: KANTO

「俺は一息つこうとオシャレな喫茶店に入った。すると…そこにはひと目見た瞬間に心に涼しい風が吹き、黒髪ロングの美少女と瞳が触れ合った…」

「俺は喫茶店に入るや否や、彼女の瞳と瞳が触れ合った

その瞬間にすべてが溶け合った感覚を感じ取ってしまった。」


「…こんな感覚は生まれてはじめてだ」


「俺はその後、とりあえず席に座ろうとした、店内はとても落ち着いた雰囲気なのだが、それぞれのお客さん同士がちょうどいい距離感で埋まっていてほとんど満席なのだ。

よく店内を見渡すと、さっき瞳が触れ合った彼女の隣がひとつ間が空いて席があるではないか…!!」


「俺は正直マジか…と思った、せっかく俺は一息つこうとしてオシャレな喫茶店に入ったのに、これじゃ一息つくどころか、美少女の隣の席で適当な飲み物でも飲んで緊張するだけじゃないか…」


「まあでも素敵な女性の近くにいるとよく緊張することはあるが、こんなに瞳が溶け合う感覚を味わった女性の隣の隣の席だなんて、俺はどうにかなりそうだ…。」


「だが正直にいうと俺は本心では喜んでるのだ…!!」


「すると…なんと彼女は俺に語りかけてきたのだ…!!!!!」


・私の名前は、黒崎瞳。


「21歳で黒髪のロングヘアー。」

「外見は、凛としていて、誰もが一眼見ただけで心に涼しい風が吹く。」


・アタシが心の生業としているモノは、喫茶店でアイスティーを飲むひと時。

片手間に心惹かれた本を読むのだけれども、おもしろいか否か、どちらでもこの空間に有れば、至高の本になるものよ。


・そんなことはどうだっていいの、アタシはそんな空間に身を寄せるだけで、全てが調和するの。アナタにもそんな感覚はなくって?


・まぁ、そんなもの無くてもアタシはアタシ


・アナタはアナタ、それでいいの。


・そんなことより、アイスティーを飲んでいかない? ここの店、とっても美味しいの。


「…え?」


・気が向かないのかしら。


・だったら、これ飲むといいわ。


・マスター、ストローを1本くれるかしら。


・ありがとう。


・ほら、(彼女が飲んだアイスティーを差し出される)


「いや、悪いですよ、なにか自分も頼みますよ!」


・アイスティーには気が向かないのでしょう?

 だったら私ので試してみるといいわ、それからあなたが飲みたい物を決めたらいいじゃないのかしら。


「俺は、差し出されてしまったアイスティーを飲むしかないと思った…。

こんな素敵な女性に勧められたら飲むしかないだろ!!!!俺!!!!!」


「あ、ありがとう…。と俺は言った。」


(そっとストローに口を近づけ、冷たさで結露した水滴が滴り落ちたコップ、手がひんやりとしながら、静かに…彼女のアイスティーを飲んだ。。)


・(ひと口飲んだ瞬間に、凛とした涼しい冷たさと共に、心に涼しい風が吹いた。)


・(これはオレが初めて彼女をひと目観たときに感じた感覚だ。)


・「このアイスティーは彼女自身、そのものだった。」


・どうかしら、お気に召して?



・とっても素敵な味でしょ。


・アナタにもわかると、ひと目アナタを観た時にそう感じたわ。



・どう?これから本を一緒に探しに行かないかしら?

とっても素敵な本屋さんがあるの。


・マスターお勘定よ、ご馳走さま。


・いいの、アナタは側にいるだけで。


「俺は彼女に奢ってもらった、そして彼女と一緒に喫茶店を出た。」


・…それじゃあ、いきましょう。



・アナタとは溶け合いそうだわ。

 

「瞳さん!いきなり何を言うんですか…!」


・ふふ、アナタってそういうところあるのね。いいわ、でも言葉の意味ではなくて、私の言葉をそのまま感じて欲しいかしら。


「すみません。。てっきり…。」


・ふふ、アナタのそういうところかわいいって感じる、でもたとえそうだとしても、私はそれでも良いと感じるわ。


「ちょ…瞳さん!」(俺はかなり動揺した。。。)


・いいのよ、動揺しなくて。


・動揺は信じていないものがそこにある時にするものよ、だけど私の事は信じて欲しいな。


・「でも僕たちは、さっきあの喫茶店で知り合ったばかりですし…。」



・形なんてどうだっていいの。

アナタと私、目と目が触れ合った瞬間に感じた、あの溶け合う感覚。

ならその流れに身を任せるべきなのよ。


「そんな事言ったって…僕は…。」


・(瞳さんに急に手を握られた)


・(それまで俺は緊張をしていたが、瞳さんに手を握られたその瞬間から心臓の鼓動が3段階くらい速くなった…。)


・このままのペースで行くとアナタは緊張するかしら、それとも私とこのままのフィーリングで共に居たいと思う?


・「俺は…瞳さんの気持ちが知りたいです…」


・私の気持ち?アナタは私と目が触れ合った時、お互いの瞳が溶け合った瞬間にすべてを感じたはずよ。


・私は、この流れに身を任せるだけよ

 だってこの流れはとても悪くないもの。


・「…俺は! この気持ちをなんて言っていいのか…。

この言葉は、さっき知り合ったばかりの人に言ったらおかしいと思われるのかも…しれないですけど。」


「瞳さんと共に居たい、それが俺の本心です…。」


・ふふ、アナタも、普通の人間ね。

気付いていないフリをしているだけなのよ、素直に心で感じるままに感じるといいわ。


・アナタにとって、感じるのはそれだけよ。

道徳や倫理、世の常識なんてものは、私とアナタが心で感じ合うのに、必要なモノでもなんでもないわ。


・さあ、心の水滴が滴り落ちるくらいまでに

私と溶け合いましょう。


  アイスティーはいかが。


-fin-



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