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第1話 アルケミーバザール開催!

~調査メモ~

『アルケミーバザール』とは?

ライトニア王国で開催される錬金術に関する物を中心に売買する市場である。

毎年2、4、6、8、10、12月。偶数月の第1、3、5週の月の日に開催される(6、18、30日)

ただし、12月30日は年末ということもあって24日にズレる。

錬金学校マテリアの生徒も参加していることも多く、普通のお店では買えないような商品が並ぶことも珍しくない。

 7月6日 月の日 10時00分 マテリア寮前


 今日は待ちに待った『アルケミーバザール』の開催日!

 沢山の屋台が学校の校庭や、王都の中央広場、西と東を結ぶ大通りに数え切れないぐらい並んでる。

 とっても賑やかで普段見ない格好の人も沢山いてみんな興味深そうに商品を見てて、きっと外の国からやって来たんだなってすぐにわかった。

 このバザールでは錬金術で作られた色々な物を沢山の人が自由に売ってるのが特徴だって聞いたけど、想像以上で驚いてる。怪我や病気によく効く薬はもちろん、冒険に必要な特別な武具や道具、キラキラ輝く装飾品や宝石、錬金釜で出来立ての料理やお菓子を売ってるお店もある。

 次は何があるんだろうってどんどん気になって足が速くなって──

 

「アンナ~! あんまりはぐれるなよ~! 今日は情報収集がメインなんだから」

「わかってるって! むしろテツ達が遅いって!」


 ちょっと小言を言ってくるのはわたしの使い魔で異世界人の男性。ちょっと夢見がちで涙もろいところがあるカミノテツオ。わたしは「テツ」って呼んでる。ちなみに漢字の名前もあるみたいでそれだと「神野鉄雄」お手本見ながらじゃないと書けないからこっちはあんまり使わないんだけどね。


「むしろはぐれた方がいいんじゃないかな? 3人でまとまって回るよりも時間を決めて後で集まって情報交換する方が効率的だと思うけど?」

「う~ん……まぁ、それも悪くないか……流石に王都で迷子はありえないか……」

「ひょっとしてそれを心配してたの……?」

「いいや、アンナちゃんといっしょにいられないのが寂しいんだよきっと」


 それともう1人、テツをからかったのはわたしのお世話をしてくれる使用人のセクリ。ダンジョンで封印されているのを見つけたホムンクルスで、テツが言うには両性具有(りょうせいぐゆう)って男と女の両方の特徴を持ってる存在なんだって。

 セクリは人類の保全? って役割を目的に創られたみたいだけど、まわりを見渡せばわかるとおりたっくさん人がいるからその役目は意味なくなってしまったの。新しい役目としてわたしとテツのお世話をお願いしたからいっしょにいることになったというわけ。


「否定はしないがな。平日俺は仕事、アンナは学校。帰ったら予習復習、食事にお風呂。のんびり一緒に何かする時間はない。休日に至っては先週はレクスにあげたし、その前はアンナの実家、さらにその前はアメノミカミのごたごた。全然一緒に何かする機会が無かったからな」


 まっすぐこういうことを言われると照れる……!

 テツはわたしのこと好きなのは聞いたけど、使い魔だからってわけじゃないみたい。何がきっかけでそうなったのかはわかんないけど、好かれるのは主として安心できるし誇らしい。


「それじゃあお昼はみんなでいっしょに食べるとして……12時になったら寮の前に集まろっか。わたしは大通り、セクリは中央広場、テツは校庭ね」

「わかった、任せてくれ」

「了解だよ!」

「任務はわかってる?」


 今日のアルケミーバザールはただ買い物するだけが目的じゃない。もっと大切で大事な任務があるんだ。


「試験のライバルになりそうな人を探しておくこと」

「どんな風に販売しているか、商品の傾向や価格を調べておくこと」

「うん! よろしい!」


 錬金学校マテリア、わたしが通うこの学校には昇格試験がというのがあってランクを上げていくと何か恩恵が受けられたり、何より卒業の資格も貰えるみたい。

 ちなみに『ブロンズ』『シルバー』『ゴールド』『プラチナ』の4段階あって最高が『プラチナ』。

 今わたしは『ブロンズ』受けているのは『シルバー』になるための昇格試験。

 内容は「『アルケミーバザール』にて売り上げ1位を達成すること」! 期間は12月24日までで5ヵ月ぐらいあるんだけど参加可能回数は12回。今日はお客として見て回るから残り11回。

 1回でも達成できれば合格。だから、無理して毎回参加するんじゃなくて情報収集をしっかりやってから売り上げ1位を取れるような商品を調合しよう。ってテツが言ってくれたからわたしも賛成した。


「それじゃあ……バザールを楽しも~!」

「「おお~!」」


 でもやっぱり楽しまないとね! 数え切れないぐらいのワクワクで溢れてるバザールを試験のためで見てまわるなんてつまんなくなるもん!

本作を読んでいただきありがとうございます!

「続きが気になる」「興味を惹かれた」と思われたら


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