第24話 過去の枷と今の武器
新たな技術を手にし、強い自信と足取りで螺旋階段を踏み進む。階段を下りきるとこれまでと違い小部屋に繋がっておらず、大きな空間が視界に広がった。
「部屋? というより通路に出てきたのか? 随分と広──」
トラック三台は余裕で通れそうな程広い通路。敷き詰められたツタによって凸凹した足元や壁と天井、視界の奥には薄暗い通路とは違い誘い込むような一際明るい光が眩いていた。加えて──
「どうしたの足を止めて?」
「……これ以上はダメだ。戻れなくなる」
無風の通路であっても極寒の向かい風に襲われているかのような肌を走る悪寒。崖があれば最悪を想定して近づかないように。事が起きれば自身ではどうすることもできない恐怖を感じ取っていた。
冷や水で満たされたバケツを被せられたかの如く体に帯びていた熱が引いて無理矢理が気持ちが切り替わっていた。
転移前に出会った神の威光。それを前にした時と同様の怯えが全身に駆け巡る。
「大の大人が情けないんだが。怖いんだよ……鳥肌が止まらない。これ以上は本当にヤバイ……」
「……怯えすぎだって。確かにテツは弱いけど斧の力があればどうにかできるでしょ? とにかく何があるだけは見ないと。ひょっとしたら考えすぎかもしれないじゃない?」
(何も感じないのか……? それとも単純に俺が弱すぎるからか?)
鼠は獅子を恐れるが、獅子が鼠を恐れることはない。この先に待ち受ける存在の威圧感が鉄雄にとって何をやっても勝てない存在でも、アンナにとって勝てる相手であるなら臆する理由は無い。大人と子供。年の差が意味を成さない程二人にある実力の差はあまりにも大きい。
もしくは敵の強さを測るだけの警戒心を持ち合わせていないか。
注意深く、冷静に、眩い光を放つ部屋の前で足を止めた。
「っ!? 何……あれ? 大きい……テツよりもクマよりも余裕で大きい!? 」
「あの花がダンジョンのボスってことなのか……? まるで蓮の花の蕾みたいだな……」
広く、高く、地下深くにいることは忘れるぐらい明るく、錬金学校マテリアの運動場以上の広い部屋。その中心に一軒家以上の巨大な花の蕾が悠然と神々しく鎮座していた。大木の如く強靭な茎に支えられ、花の形は蓮に瓜二つで花弁は薄く桃色に染まって輝いているようだった。
「ツタの流れからして全部あいつが伸ばしていたんだ……見て、あそこの床の穴、水が張ってる。それに水の中から這い出ているみたい。あっちも、こっちも、気味悪いぐらいに」
「まさか……この水場って上の水路とも繋がっているのか? それに何だ、あの異様に太くてでかいツルは? あの通路の先から伸びてきたのか?」
砕かれたように空いた穴には水が穏やかに満たされている。
だが満ちていたのは水だけではない、視界に映らない床の下には夥しい量のツルやツタも水の中で禍々しく広がり蠢いていた。
加えて、大樹と変わらない巨大なツルが向かい側の通路を無理矢理詰めたかのように埋め尽くし、巨大花との中間地点で床を突き抜け、水の中で繋がっていた。
「このダンジョンはあの花を育てるための植木鉢ってこと? 状況的にここが最後の部屋だけど子供達がいるなら…………あっ、いた! いたよテツ!」
巨大花の後方、鉄雄達の出入り口とは反対。三人の子供達がからみついたツタによって壁に貼り付けられ捕らわれていた。
「ふぅ……よかった、見つけられて……帰り道も迷う程じゃない。まだ生気も感じられるしこれなら間に合いそう──」
「待てアンナ! これ以上はダメだ。アレは異質すぎる! 俺達の実力じゃ手に負えない!」
中央に咲き誇るは巨大な花。そう、花。爪も牙も持たない。人の身を優に超える花弁が見えるだけ。見るだけなら観光名所として映えるだろう。しかし、異様な存在なのは身に染みて理解している。最初の洗礼は超遠距離の水路を通っての捕縛。あれでも数は多いと感じていた鉄雄は最悪の想像が既に済んでいた。ひょっとしたらそれが最高の想像かもしれない程。
危険と本能と敵意が詰め込まれている。
「ここまで来てせっかく見つけられたのに帰るなんてできない! テツとの約束もまだ! 邪魔するのは許さない!」
本能的に理解してしまっていた。帰ることができる最後のチャンス。もしもこの部屋に踏み入れてしまったら想像の範囲で収まらない出来事が待っているだろうと。
この場所に立てていることが与えられた最後の奇跡なのだろうと。
だが、その奇跡を前進に使いたいアンナにとっては、何度も撤退を提案する鉄雄に煩わしさを覚え語気も強まる。
「そうじゃない! ここまで無事に来られたのが最後の奇跡なんだ。ここから先は運なんて意味が無い。意地にならないでくれ……! あの子達はアンナとは何も関係無い、この村とだって。どうして命を賭けるような真似をするんだ? 死んだら……終わりなんだぞ?」
ここが最初の階層で伸びてきたツルの本体だとするなら。この床の下に潜むツルの数は一体何十本、いや何百、何千とあるのか。もしもそれらが同時に襲い掛かって来たら? 斧の力で処理しきれなかったら?
命を捨てるような行動を選び続けるアンナに鉄雄は親心に近い子供を嗜める感情が湧いていた。
「俺はアンナが今一番大事なんだ。怖くて怖くてこれ以上は進めないんだよ。いくらこの斧にすごい力が秘められていたとしても俺がビビってどうしようもないんだ。だから戻ろう。な?」
神野鉄雄は勇者ではない。むしろ怖いモノから逃げてきた臆病者。どれだけ理想を身に纏っても、最後の一押しとなる心が無い。
半端な気持ちじゃ絶対に何も成しえないことを理解している。だから「逃げる」カードだけは絶対に手元に残してある。最悪を身に受けないように。
けれど、アンナと鉄雄では気持ちの矢印が真反対に向いている。
最も怖いのはアンナがいなくなること。歪でも手にした新たな絆が失ってしまうかもしれない恐怖。もしも別れてしまえばその空虚を埋めることなど今の鉄雄はできない。
その必死で不安な表情に彼女は一つ大きな呼吸をして決意を固めた。
「…………わたしにはね、もう家族がいないの」
「え?」
「父さんは行方不明で今も帰ってきてない。母さんも小さいころに病気で死んじゃった」
突如として聞かされる主人の家庭環境に鉄雄は言葉を失う。家族に見放された人間と家族を失った人間。甘えと苦難。まるで真反対の二人。
「家にいてもずっと1人で、食事をするときも1人で、笑いあって、話しあって、いつもあったわたしの毎日が消えていって。ずっといっしょにいてくれると思ってたのにいなくなった。楽しいことがあっても話せなくて。教えたいことがあっても話せなくて。怖いことがあっても頼れなくて…………あんな寂しい気持ちを他の誰かにだってさせたくないの」
ポツポツと話されるアンナの過去に黙って耳を傾ける鉄雄。情けなさで叫んで逃げ出したくなる塵芥な心を抑え込み。彼女と向き合う。危険だと理解していながら歩を進めていた理由だと。使い魔として知らなければならない事だと察したから。
「できたはずなのにやらないと、ずっと頭の中に「どうして?」が残るの。村の人達だって助けられる力があるなら自分で助けたいと思ってるはず。でも、そうじゃない! 誰もが大事な誰かを守れる力を持ってる訳じゃない! もしもあの時なんてもう考えたくない! わたしのできる最高で生きたいの! だから――!」
言葉を繋げる度に感情の蛇口が開かれていく。言葉に過剰に乗せられた感情が彼女の表情を強く彩らせ、瞳から涙が溢れそうになる。
「……わかった。それ以上は話さなくていい」
アンナの本心一つ一つが意図せず鉄雄を酷烈に責め立てる。置かれた状況の違い。我儘で異世界で一人きりになった自分がなんとも矮小で空疎だと気付かされた。
彼女が称賛されたい為に評価の為に無茶をやろうとしている。そんな上辺だけの行動理由ではないことに慚愧の念を抱いた。
自分のことよりも他人のために動く彼女に比べて、自身はどこまでも自分本位であることに忸怩たる思いが溢れる。
(主人が命がけで他人の人生救おうとしてるのに大人で使い魔な俺が逃げようとしてどうする! )
「逃げる」という手札は今この瞬間に破られた。
二人が最後の部屋の前に到着した頃。後発で追いかけて来た三人も足を止めていた。
「どうやら最下層まで到着できたようですな」
「ここまでマナ・モンスターが多いとは思わなかったわ。でも、『ダンジョンコア』さえ見つかった以上丸裸も同然!」
「時間は……13時02分。どの階層も似た形だったのが幸いしたね」
銀の懐中時計を開き現在の時刻を確認し、ここに到着するまでの歩みを想起する。
ウツボ型、バラ型、サボテン型、植物由来の形を模した魔力生命体が数多く彼女達の前に立ちはだかった。
しかし──
「激情に滾りし業火よ! 我が想いに応え障害を滅する爆炎となれ! 竜の火炎!」
通路に敵が大量にいれば。
キャミルの右手から放たれる火炎放射により通路は炎で埋め尽くされ、火が消えたその場には灰しか残らず、壁や天井に張り付いていたツタも焦げ落ちた。
「他の部屋に被害がでなければいいのだが……」
「誰に向かって言ってるのよ。通路を燃やす程度に加減ぐらい楽勝よ」
自信に満ちた言葉通り突き当りの部屋に届く直前で炎は止まっており部屋の中には舞った灰が紛れ込む程度。
こうして彼女達が進んだ背後には魔光石の光が遮られることない石の通路だけしか残っていない。
さらに──
「水路は凍らせておいた。これで背後から襲ってくることもないだろう」
時折見られた堀に囲まれた部屋の水辺は厚い氷塊によって蓋がされた。
彼女達が歩む道に障害も敵も灰燼と化し、退路を阻む者は氷塊と化した。
「さてと。早速掌握して……このダンジョンを安全なモノに……んん?」
人の顔の大きさはある水晶に指を当て擦って動かすと、映写機のように壁に画像が映し出される。しかし、望んだ動きがだせず、キャミルは口元に指を当てて思案する。
「何かあったのか?」
「これコアじゃないわ。正確に言うなら外部端末ね。ここからダンジョン内の操作や管理に干渉するにはパスワードが必要みたい。今調べられるのは精々ダンジョンの構造ぐらいね」
「それでも大きな成果だ。地図が見られるだけでもありがたい」
慣れた手つきで水晶を擦り操作すると。ダンジョンの全体図が映し出される。
その全貌に三人は言葉を失った。
「……嘘でしょ。ここって」
「素人が手を出せるような場所じゃありませんぞ……!?」
「戻れなくなる前に早く見つける必要があるね」
自分たちがいる場所がこのダンジョンのどこに当たるのか。それを理解してしまった。
アンナが呼吸を落ちつけて、鉄雄の心も湧いてきた頃、改めて二人は顔を合わせて話し合う。
「俺もできる限りは協力はするけど、作戦か何かは考えてあるのか?」
「もちろん! 名付けて『速攻作戦』!」
その作戦名によって想像できる状況に鉄雄は怪訝な表情を浮かべる。
「すばやくあの子達の所に向かって拘束を解いて急いで脱出! どう?」
「……却下! 絶対近づく途中と解いてる最中に大量のツルに捕まってお終いだ。ここからあの子達までどれくらい距離があると思う? 50mは優に超えているぞ?」
「それなら斧の力を使ってズバーンって切り落とせば安心して助けに行けるじゃない……」
「よく見ろ、この斧の刃渡りであの極太大樹をどうやって切り落とす? 何百回打ち付ければ良いと思う? 絶対気付かれて最悪360°全体から大量のツルが襲ってくるかもしれないんだぞ」
あまりにも簡単に呆気ない終末が想像できてしまう。ただの魔力の塊を卒業した存在に黒斧の力は有効とは言い切れない。加えて鉄雄に木こりの経験は無い。いくら切れ味が良くても望んだ結果は訪れないだろう。
「おまけに床に広がってるツタを見てくれ、通路と比べて青々としてる。ひょっとしたら動き出してもおかしくない」
「むぅ……わたしが気付かないところまでよく見てる……」
床に空いた穴から幾千ものツルが這い出る予想。間違いではない。最初の階層で襲って来た脅威がここで起きない理由を考える方が難しい。
子供は三人、襲い掛かるであろう脅威を退けながら抱えて逃げる。
さらに、不規則な網目模様に広がるツタ。通路や天井に這っていた堅く茶色いものとは違い成長を予見できる程青々と柔らかさを思わせる緑色のツタが侵食していた。
冷静に挙げられる事柄に不可能であるとすぐに納得させられるアンナ。
「……それじゃあ、『燃焼作戦』はどう?」
「一応聞いておこう」
「ここに来る前に作っておいた道具があるでしょ? それで花を燃やすことができれば安全にあの子達を助けられる。と思うんだけど」
鞄の中から取り出される赤い球体。名を『フェルダン』炸裂することで周囲に業火を発生させる火の爆弾。例え巨大な花であろうと直撃させれば燃やし尽くせる力があると自負している。
「確かにあの蕾が全ての元凶なら、燃やすことさえできれば安全にあの子達を助けることができそうだな」
希望的観測にしてもそれ以外の突破法が思い浮かばないお粗末なもの。手持ちのカードはあまりにも少なかった。
「決まり! ならさっそく──!」
「待った、アンナは入らない方がいい。行くなら俺だけだ」
「えっ? どうして?」
「魔力を感知してツルが迫ってくるんだろ? ならアンナは踏み入れたらわざわざ捕まりに行くようなもの。魔力の無い俺なら足元や動きに注意していれば襲われないはずだ」
「色々と考えすぎな気がするけど……だって今は平気じゃない」
二人が気付くことはないが全ての状況が追い風となっていた。
今二人がいる道は光線のトラップがある階層に繋がっている。侵入者を容赦なく貫き滅却する光線は通る者全てに平等。故に横壁と床のツタは巻き込まれ天井方面に伸長したツタだけが生き残り、階段の部屋を出られなくなったツタは淘汰され栄養も水分を行き渡ることなく化石のように固まってしまい生を終えている。結果この場にいても探知の対象となっていない。
戦力を補うために設置したマナ・モンスターは最悪の相性で瞬殺。本来ならば毒液や毒の粉で致命的な傷跡を残していたはずであった。
なによりの問題は別方向よりレイン一行が圧倒的な実力で内部を蹂躙することで防衛行動のリソースが大量につぎ込まれる羽目になる。
だが、それでも最後の領域に踏み込むことだけは別。
危険度が低かろうとも行動優先は塗り替わる。鉄雄の考えは間違っていない。これが最後の確実に逃げられるチャンス。
「今は今だ、通路と部屋の境目が境界線だと考えるのが自然だな。一歩入れば想像以上の何が起きてもおかしくない。だから予想できることを洗い出して作戦もちゃんと詰めておこう」
冷静に言葉にしても怯えは消えていない。いくら心が滾っていても成功体験の無さが不安を呼ぶ。座っていても足の震えは隠せていない。
「……ねえ、こんなことは言いたくないけど。どうしてそこまでやる気がコロコロ変わるの? さっきまでは逃げる気満々だったのに、今は助ける気満々。テツの考えてることがよくわからないんだけど……」
唯一磨かれていた保身のための危険を見抜く力、最悪を想像する能力。焦って動く時は必ず失敗を経験していた。いつからか失敗しない動きを選ぶようになってしまう。理想の大人を目指す為と考えていながら、アンナに嫌われることが一番の失敗だと心の奥底の一抹の感情が言っている可能性もある。
だからこそ主体性の無い手の平返しにアンナは不信感を覚えてしまう。
「そんなの──」
「わたしのためだなんて言わないでよ。人の命を助けるのに誰かの期待に応えたいとか聞きたくない。使い魔だからってわたしを理由に何でも決めようとしないで。テツはどうしたいの?」
図星故に口を噤んでしまう。言い訳がましい正義感はあっても、成すだけの力も勇気は無い。
自分でやりたいことをやっている人間とやりたいことを何一つできなかった人間の差。彼女の向ける瞳は残酷なまで純粋でまっすぐで、鉄雄がいつの間にか無くしてしまったものを見せつけられているようで。
「俺だってっ……! 堂々と助けたいって口に出したい。でもな、何も持ってないんだよ! 空っぽの無力な人間が! どんなに正しい事を理想的な事を言っても、誰の心にも響かない! 何かに縋らなきゃ誰かの所為にしなきゃ前に進むことすらできない! 前に出ようとしたら失敗する人生しか歩んできてないんだよ……」
子供のように八つ当たりな口調で思いを吐露する。
誰にも認められず、誰にも必要とされない。努力をしても要領が悪い。他人の劣化版。何もかもが普通に届かない。犯罪行為に走ればまた違った道を進んでいただろう。しかし、他者の痛みが分かる人間だった。真面目と言えば聞こえはいいがただ性根が腐りきらなかっただけの男。
それが神野鉄雄が歩んできた平坦な人生。
「……やっとテツとちゃんと向き合えたような気がする。でもやっぱりテツも助けたいんじゃないのよ。まったく大人になると変なことばっかり考えるようになるのかな?」
「え?」
「そ・れ・に。もう力は持ってるでしょ。見ないふりはやめて自分の物だって認めたら? どんな道具だって手にした人の物なんだから、卑屈になるのはやめて! それを作った人にも失礼だって!」
アンナが指す先は離す事の無い黒い斧。自身が変われるかもしれない鍵、大事な人を守れるかもしれない武器。強い力と弱い自分。分不相応が故の悩み。
それを吹けば飛ぶような埃のように簡単にあっさりと押し流した。
「いいのか? 最低価格な俺の、身の丈にあってないようなすごい力でも?」
「まったく、ずいぶんと大きなことを言うんだ。どんなにすごい力を持った道具でも使う人が未熟なら意味ないっていっつも聞かされたんだから。手にした物とちゃんと向き合って、自分の体の1部分になるまで使い慣れてようやく手にしたって言えるの」
多くの物を生み出し、多くの者に授けた。作り手としての言葉。
「言ってくけど今のテツがその斧を使ってわたしに襲い掛かっても勝てないよ。見ての通りわたしは強いからね!」
胸を張って得意顔でそう宣言する。冗談か本気か真意は不明にしても。
「ふふ……確かに調子に乗っていたかもな」
顔は緩んだ。
「さてと、話を戻すけどあの花をどうするの? なんとなくだけど作戦はできてるんじゃないの?」
「ああ、一応はな。使える物は全部使っても向こうの動き一つでどうなるか分からない。あの子達を助ける為には手札が足りないかもしれない。でも、結果なんて想像できるわけが無い」
「上等よ。これが錬金術士と使い魔、初めての共同作業と言ったところね!」
このダンジョンに来て初めて二人の目指す方向がハッキリと重なった。




