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第23話 最強の歩み方

 ダンジョンに踏み入れた三人が最初に始めたのは状況確認。ダンジョンの構造や材質を調べていた。


「入口は大分綺麗ね。空気に毒性も無いし壁や床に腐食の跡も無い。危険な実験をしていないアトリエで助かったわ」

「……それ故に子供達も油断してしまったのだろうな。わかりやすい危険が見えていればすぐに逃げ出してくれたかもしれないのに」


 危険性が高ければそれだけ強く早く救援・調査要請が役所に届けられる。ダンジョンが出現したのが人口密度の低い村の外れ、危険生物が溢れることも無ければ毒物が漏れ出すことも無く。故に後回し、ハリーも優先事項として認識していなかった。


「4時間経過しても賊および子供達を発見できなければ、1度入口まで戻り状況を整理。捜査状況によって王に追加救援を要請することも視野に入れる。マテリア生徒を発見できたら情報共有後避難させる。現在の目標は以上。質問はあるかい?」

「異論無し」

「こちらもです!」


 装備を整え、探索方針を共有した後入口の大広間を抜けて通路に足を踏み入れる。

 すると境界を越えた者に平等な洗礼が襲い掛かって来た。


「何か来た!!」


 幾本ものツルが通路を隙間なく埋め尽くし蛇の如く蠢き、這いずり、波打ち迫りくる。アンナ達も襲われたツルの激流。


「ここは私が切り伏せようぞ──」

「2人は下がって」


 腰に掛けた細剣に左手を伸ばし、澄んだ鞘を走る音が奏でられると銀色に煌めく刃が姿を現す。


「凍れ──」


 一振り切り上げると切っ先が境界線を描き、踏み入れたツル達は先端から凍り付き発生源に向かって連鎖しながら氷が侵食されていく。蠢く音も静寂へ。目の前に迫っていた脅威が氷の美術品へと変貌した。

 難を逃れた1本が弔い戦のように彼女の右腕に絡みつくが歯牙にもかけられず「パチン」と指を鳴らすと。

 美術品が氷粉へと砕け散り床を埋め尽くした。


「さて、この1本に出所を教えてもらおうか」


 難を逃れたのではなくあえて通した。捕らわれたのではなく捕えた。牽引されていても体幹が微塵も揺れること無く、掴んだ手がかりを握り氷を踏み鳴らす音を響かせながら歩む。


「はぁ、ビックリした……こんなのがいきなり襲ってきたら先に入った子もただじゃすまないんじゃないの?」

「確かにありえるね。でも、見ての通り攻撃じゃなくて捕獲の動きだった。それにこれは植物。生きている希望が出てきたんじゃないかな?」

「食欲というよる魔力に飢えてるわね。だとしたら私が1番狙われる?」


 自分の事でありながら焦る気持ちは無くただ呆れていた。空元気でも強がりでもなく不安の色は僅かにも無い。それもそのはず。


「私がいる限り心配はしなくていいよ」

「知ってる。レインがいなかったらダンジョン探索に同行しようと思わなかったわ」


 レインの実力が日常の1コマのように排除する程度。怯える理由を探す方が難しかった。

 一本になったツルを握りしめ、導かれた場所は鉄雄達と同じ水路に囲まれた部屋。違うのは冷気につつまれ水路の表面は氷の膜で覆われていた。


「ここは水汲み場なのかな?」

「表面が完全に凍ってるわね。ここまで冷気が届いたということね。水組み場というより入口近くだから先兵を送るための通路と考えた方がいいんじゃないかしら?」

「ここから伸びてきていたようですな。……ん?」


 薄氷から伸びていた唯一のツルを引くと、抵抗感の欠片も無く割れた氷の膜も共に切断されたツルが水面を越えた。


「自切された……判断力があるってことは知能があるってこと。ダンジョンの主だとしたら少しやっかいなことになりそうね」

「長さも短い……正確な位置を悟らせないようともしている」


 千切れた跡ではなく切断された綺麗な断面が姿を現した。

 長さは捕まえた位置から水路の部屋までにほんの数m加算した程度。水中で途切れてしまい目的地までの道標にはならなくなった。

 調査の歩み方は鉄雄達と変化は無く。同じように十字路の中心で思案顔を浮かべて腕を組み進む道の相談を開始した。


「ここからの突入は不可能。となれば2手に分かれて進みますかな?」

「いや、それは悪手だ。敵が知能を持った相手だとするなら、私達を脅威と判断し、戦力を半減させて捕えることが目的の可能性がある。キャミル、君ならどうする?」

「テストのつもり? 行くなら多い方よ。ツタが多いということはそれだけ道にトラップが少ないから。でしょ?」

「そう。道が複雑化していたり危険なトラップで侵食が止まっていると考えられるからね。マナ・モンスターが蔓延っている程度なら涼風と変わらない」


 鉄雄達とは違う選択。

 勘や思いつきで導き出した軽い物ではなく、経験や知識に裏付けられた確信を持った物。加えて圧倒的な実力からしり込みする理由も無い。


「では、急ぎましょうぞ!」

「隊列はゴッズが先頭でキャミルが真ん中でお願いする。あのツルが一番欲しいのは多分キャミルだからしんがりとサポートは任せてほしい」

「頼りになりすぎて眠れそうね」



 後発のレイン達が9時の階段を降り始めた頃。先発していた鉄雄達の視界にも変化が訪れた。


「はぁ……やっと新しい階層に到着したぁ……地の底に到着したんじゃない?」

「結構な時間降りた気がするけど全然景色変わらないな。壁の色が濃くなったぐらいか?」

「3時の部屋から降りてきたからここも3時でいいのかしら? ぐるぐる回りすぎて方角がわかんなくなってきたぁ」


 長い時間を掛けて気が遠くなりそうなほど螺旋階段を(くだ)りに(くだ)って到着したのは通路と繋がっている部屋。行き止まりでないことに安堵をして新たな階層の調査に着手し始めた。しかし――


「「うっ!!」」


 通路に一歩踏み入れた瞬間。二人は同時に苦悶の表情を浮かべ呻き声を上げ二の足を踏んだ。


(嘘だろ……)

(嘘でしょ……)


 二人の視界に映るのは最初の階層で見た光景とまるで変わらない光景。道の先に十字路があり天井にはツタが張りついて広がっている。

 思わず振り返り、(くだ)って来た階段を視界にいれて、戻って来てないと確認し安堵の溜息をついて心を落ち着ける。変わらぬ光景に嫌気を刺されても進むしかない。

 同じ形で歓迎するということは、同じ脅威が再び襲い掛かってくる可能性を胸に抱き、二度と無様な姿を見せないために鉄雄は黒斧を構えて前を歩く。

 警戒を強めて歩き、十字路に差し掛かると──


「あれ? この道変な感じがするわ」

「本当だ……あっ、床の形が違うな。他と比べて明らかに手が込んでる」


 進行方向右の通路が他とは異なる特徴を持っていた事に気付く。

 正方形の敷石が規則的に三列に並び通路の先まで伸びていた。


「明らかに怪しい……大体こういうのって踏むマスを間違えたら罠が起動したりするんだよな。まぁゲームの中だけだと思──」

「えいっ!」

「ちょっ!?」


 アンナは言い切る前に道端に落ちていた石の破片を通路に放り投げる。鉄雄は迷いの無い動きに目を見開き、唖然とした表情で見送ることしかできなかった。

 床を跳ねて乾いた音が響くと、小石に触れた一枚の床板が発光し、左右の壁に大量の魔法陣が敷き詰められるように出現し、全てから光線が放たれた。

 足元から頭上を越えて通路を埋め尽くし、響く発射音。二人の視界には白く輝く壁ができたように見えた。


「……嘘だろ? ここまで容赦なくする必要あるのか?」

「……すごい……こんな仕掛けも設置されてるなんて……」


 進む者を容赦なく消し去る仕掛けに思わず足を止めて圧倒されてしまっていた。

 数十秒後風を切る鋭い音が止み、焼けた匂いが鼻に届き、通路の先の部屋が再び姿を見せる。


「けどこれじゃあ全力で走っても間に合いそうに無いし、このままじゃ通れない。テツは何か思いつく?」

「通れる想定じゃないな。大体こういう仕掛けって別の部屋にオンオフを操作できる装置があるはずだ。探してみよう」

「ツタの流れ方してこの罠の先が目的地に続いているはずだから、そこまで面倒な構造じゃないね」

「わかるのか?」

「ほら、上を見て。罠の通路から伸びてきたツタが川の流れみたいに別れてるでしょ? つまり他の通路の先からはツタが伸びてきてないってこと」

「おお、大したもんだな」

「まあね! 自然の中で育ったからこの程度簡単よ!(……魔力の流れを読めば大体わかるんだけどね)」


 進める道は二つ。どれだけ道が伸びているのか不安と覚悟を胸に歩を進める。しかし──

 

「この部屋は……何も無い。本当に何もない? 子供達も隠れてない?」

「仕掛けが隠れてる訳でも無いのか? この辺とかは……何も無いな……」

「う~ん……目立った魔力も無いしツタも少ないから外れかしらね」

(これがダンジョンなのか……? あまりにも簡素というか。あの罠があるから適当な造りにしたのか?)


 簡素な一室。障害物も無く空っぽの物置と言える程静かな場所。

 隠し扉が仕込まれているか壁を触り、感触の違いを比較しながら調査するも何も感じ取れなかった。

 変化の薄さ。頭脳勝負な仕掛けがあるかと思っていても肩透かし。罠が無いことは喜ばしくても次に繋がらない意味の無い部屋。

 気をとり直して残りの一部屋へ足を進めると。


「こっちは……おっ! 何かこれ見よがしに置いてあるぞ」

「わたしが見るからちょっと下がってて」


 水路に囲まれた部屋にツタが中央に向かって伸び、渦を巻いて絡まり台座を形成し翠色の水晶が収まっていた。

 

「あの宝石は一体……?」

「膨大な魔力があの宝石に集められてる。ひょっとしたらあの仕掛けのために魔力を貯めている道具かも」

「壊せばあのトラップが起動しなくなるのか?」

「どちらにせよ壊してみないとわからないから行くよ!」

「ちょっ! 迂闊すぎる――」


 一歩踏み入れた瞬間。

 宝石が瞬くように翠色の光がまき散らして輝くと。濃い緑の(もや)が集まり形を作り始める。


「まさかトラップか!?」

「この魔力の動き方……まさか『モンスターコア』だったの!?」

「なんだそれは!?」

「マナ・モンスターを作るための核! このままだと魔力でできたモンスターが現れる!」

「魔力でできた?」


 『モンスターコア』は『マナ・モンスター』を生み出す核となる道具。与えられた魔力が多ければ多い程生み出される魔力生物も強く危険度も上がる。

 長い時間を掛けて溜め込まれた魔力は大きな蕾を形成し、人の頭を平気で包み込める大きさのラフレシアの形をした一輪の花が誕生した。

 台座から落花すると、花托から人の腕以上に太い四本のイバラ状のツルが伸びて自立する。花の中央から液体が零れ落ちるとそこには焼けるような音と共に緑色に変色した床が出来上がる。

 宝石のような輝かしい形から気味の悪い自足歩行する異形の植物に生まれ変わってしまった。

 ただ、鉄雄は異形の植物と自分の持つ黒斧を冷静に何度も見比べていた。


「……つまりは魔力の塊だよな?」

「そう! 溜め込まれた魔力が多ければ強くなる話だから注意――あ……」

(わらわの出番ということじゃな)


 杖を構えたアンナの視線が黒斧に向けられると言葉が止まり、杖を握る力が緩む。

 襲い掛かられる前に鉄雄は黒い斧を前に構え、黒い霧を発生させる。

 モンスターはその霧に触れた先から体が溶けるように消えていく。だが逃げるという行動が入っていないのか一直線に二人の元に襲い掛かり、距離を縮める度に花は溶けて、最後は霧のフィルターに遮られるように宝石が床に落ちて軽やかな音が響き渡った。


「本当にこの力便利だな。マナ・モンスター相手なら相性抜群じゃないのか?」

「想像以上の力……本当だったらこの宝石を壊したりして倒すんだけど、無傷で手に入れられるなんて思ってもなかった」


 宝石を拾い上げてまじまじと回しながら確認すると思わず笑みを浮かべ大事に鞄の中にしまい込む。このダンジョンに来て初めての収穫物でもある。


「さてと、別の部屋に繋がる道も無いみたいだからこれで先に進めるか確認しに戻ろっか」

「そうだな、これで変化があればいいんだけど……」


 しかし現実は想像と違い、同じように小石を投げて確認するが光線によって埋め尽くされる。


「変わらないわね……そうだ! さっきの黒い霧で通路を埋め尽くせば通れるようになるんじゃ!」

「確かにそうかもしれないな! よし、行け!」


 斧の黒刃から霧が溢れ通路の床から天井まで満たされ魔力が奪われる通路が完成する。視認性は悪くなるがそんなことは些細な事と二人は受け入れる。


「念のため小石を投げてっと……」


 床の発光も薄い。二人の胸に期待が溢れるが、希望を打ち抜くように光線は放たれる。線は若干細くなっているが駆け抜けるには自殺行為。そして、これまで敵無しの黒霧が散らされてしまい自然と眉が下がってしまった。


「……上に戻ってもう1つの階段を使うしかないのかしら?」

「申し訳ないがアレを登ったら俺は完全に体力尽きて役に立たなくなりそうだ……」


 確信を持った行動が無へと帰した焦燥感は大きく。尻餅を付いて恨めし気に罠の通路を睨む。

 鉄雄の弱音に文句は言えなかった。アンナは体力に自信があるが、また長い階段を上って同じように下る想像をしたら動いていなくても足に疲労が出てきそうだった。

 不安を隠して挑んだダンジョン探索。子供達を助けるという使命を持っていても限界はある。


「よく考えたら、テツは平気でもわたしはあの霧の中進めないじゃない……あきらめたくないのに、どうしようもないことってあるのね……」

「……いや、まだ試してみたいことがある」

「何か策があるなら何でも言っていいよ。わたしじゃ情けないけど何にもできなさそうだから」

「斧に秘められた力がこれだけでない可能性もある。一度霊に会ってくる」

「だいじょうぶなの? さっきは都合の良い力じゃないって言ってたけど?」

「ただ悩んでるよりかはずっとましだ。それに今は状況が落ち着いている。やれることはなんでもやってみるべきだ」


 戦闘状態でない心の余裕。目の前のトラップはダンジョンが出す問題。自分にできることと向き合うにはうってつけ。諦めるにはまだ早い。鉄雄も子供達を見捨てたい訳じゃない。優先順位がはっきり決まっているだけ。

 床に座り胡坐(あぐら)をかいて目を瞑り、斧に眠る霊魂に出会う事を意識する。すると、夢に落ちていくように。意識が飛び──



「要件はわかっておるが、こうして会いに来てくれるとは悪くないのお」


 堂々とした佇まいで石の玉座に腰を掛けて、下卑た笑みを浮かべて鉄雄を歓迎する。


「なら話は早い、魔力吸収であの通路をどうにかする方法はないのか?」

「無理じゃな。吸収速度よりも術の速度が速過ぎて無力化が間に合わん。横から風穴を開けられて終いじゃな」

「やっぱりそう都合良くいくもんじゃないか……」


 悩み、落ち込む表情に高揚感を覚える彼女は、言うべきか言わないべきか葛藤していた。いや、教えることは決まっているが狙うはタイミング。聞かれたから素直に教えるでは存在理由が辞書と変わらない。


「ケガする前に撤退するのが──」

「方法が無いとは言っておらんぞ」

「何か別の方法があるのか!?」


 深く食いつく姿に目尻が下がりそうになる。目の前にいるのは自分がいなければ戦い方も分からない子供。

 縋るような行動に彼女の心の内は陽気で満ちていた。


「お主に教えたのはほんの一部にすぎん。魔力を吸うだけがこの斧の力の全てではない。術式そのものを破壊する力もある。それを利用すれば煩わしい光線を射出する魔法陣を全て破壊できる。幸いにもカラクリ仕掛けの物理罠ではないようだからの」

「そんなことまでできるのか!?」

「無論。してその方法は──」


 十字路の真ん中で穏やかな呼吸をする鉄雄。その様子を興味深く観察するアンナ。斧の霊魂と意識を繋げる姿を初めて見て思い浮かぶのは瞑想。目を瞑り不動の状態。ただ、あまりにも隙だらけで心配を覚えた。


「テツ……? 随分と寝つきいいのね?」

「おぉっ!? …………こんな状況でも夢みてる感じになるんだな」

「わっ! 急に起きないでよ! それでだいじょうぶそうなの?」

「ああ、試してみる価値は大いにある。見ててくれ! おりゃ!!」


 渾身の力で通路の手前の床に振り抜き、砕ける音と共に刃を深々と食い込ませる。


「わわっ! いきなり何を!?」

(刃の先から触手を伸ばすように、刻まれた術式に侵食して砕くイメージか……)


 アンナの小言も耳に届かない程集中する。

 斧から高濃度の黒い霧が溢れると根を張るように糸状に左右の壁に伸びて亀裂模様に広がり通路の先まで壁を覆い尽くす。

 全ての魔法陣に余すことなく黒い亀裂が侵食する。魔力を奪う霧とはまったく異質の力にアンナは瞠目(どうもく)する。


「え……こんなことまでできるの!?」

(このまま、元々存在していた術式の刻印に絡みつくようにして……消し去る!)

  

 鉄雄にだけ届いたガラスが割れる透明感のある破砕音。最後の旋律を奏でるかのように連続して響き、静寂が訪れる。


「よし、上手くいったか……!」

「確かに何か変わった気がするけど見た目じゃわからないね」

「これで上手くいったか確認できるさ」


 自信を持った言葉と表情で放り投げられる三個目の小石。乾いた音を通路に二度三度と響かせ床が発光する。しかし、続きは無い。どの場所からも光線は放たれず、障害を消し去った。

 警戒した瞳も徐々に綻びアンナは腕を勢いよく上げ、鉄雄は手を強く握り締めて得意顔を浮かべた。


「やるじゃない! これで先に進める!」

「待て待て。俺が先に行ってちゃんと解除できてるか確認するから」


 障害を一つ砕く毎に、一つの自信が付けられる。

 気後れしていた心に気迫が湧き始める。

 自身が切り開いた道、最初の一歩を踏みしめる感覚。心の奥底で求めていた欲望。最低価格と決め付けられた鉄雄は徐々に自信を手に入れ始めた。


「大丈夫そうだ! この部屋にもトラップは無い! でも次の下層に降りられる階段がある!」

「わかった! すぐ行く!」


 順調に然したる苦労も無く、熱烈な歓迎も忘れそうになるぐらいに足取りは軽く。異質な力に恐れることも馬鹿らしく思え、斧に眠る力を受け入れ始めていた。

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