僕たちの戦いは――
前回のあらすじ(簡略版)
奇跡的に【スコルチャード】発動を阻止することが出来たユットだが
その代償として怪我をしてしまい療養生活を強いられる
無事怪我も感知し療養生活も終わり、エリーも正式にパーティーに加わった
マスター主催の祝賀会に参加するために
レーネ、エリーと共にギルバーへ向かうのだった・・・
ステータス画面『ユーネスト』
総合魔術レベル38
チャームレベル20
ファレムレベル30
筋力レベル5
俊敏性レベル5
その他1
ステータス画面『レーネ』
レベル???
ステータス画面『エリー?』←パーティー仮加入
レベル???
「あら! ユットちゃぁん! 待ってたわよぉ!」
いつもより若干テンション高めなマスターはそう言いながら僕に抱き付こうとして来たんだけど、レーネにあっさり阻止され、僕が苦笑いを浮かべていると、軽い銃声音が何発も鳴らされ一瞬ビックリしたけど、すぐにその音の正体がクラッカーだとわかり安心すると同時に祝われていることを実感してつい頬が緩む。
『緊急クエストお疲れ様!』
『お前らのお陰だ!』
『怪我治ってよかったな!』
『よっ、町の英雄!』
「美人で強くて頭脳明晰のレーネちゃん凄いよ~!」
「どさくさに紛れて自分で自分を褒めないでよレーネ」
ギルバーに集う冒険者たちからの労いの言葉に紛れて自作自演するレーネに呆れながらも席に座ると料理と飲み物が運ばれてくる。
「ど、どうぞ」
そのオドオドとした聞き覚えのある声に僕は思わずウエイトレスさんに目をやると、ウエイトレス姿のダークエルフの少女が料理と飲み物を持ってきてくれた。
「か、可愛い」
思わずそう言ってしまう程可愛い、なんてことの無いオーソドックスなウエイトレスの衣装がとても似合っている。特に褐色の肌に白いフリルの組み合わせがすごくいいと思う。
「は、ハズかしいです」
そう言ってダークエルフの少女は頬を赤く染め、配膳の際に使ってた銀色の丸いトレーで自分の顔を隠してしまう。
「ふむふむ、たしかにいい服装ですね。なるほど、白ですか」
「ああ、こりゃあ出来がいいね、よかったじゃないか」
そう言ってレーネはスカートの裾を掴んで中を覗き込む(膝下まで長さがあるのに)のに対してエリーさんは短い袖と二の腕の間に指を入れてそこから脇を覗き込んでいる。そんな2人の姿は完全に酔っ払いのおっさんそのもので(まだ酔ってないのに)ちょっとしたことで照れて顔を隠してしまうダークエルフの少女の初々しさを少しは見習ってほしい。
「あわわ、や、ヤめてくださいぃ」
そんな見た目は美少女、中身はおっさんの2人にセクハラめいたことをされアタフタしてたので(その姿も可愛い)とりあえず僕は2人を止めているとマスターが近寄ってくる。
「うちの店員に変なことするとただじゃすまないわよ」
マスターの威圧的なオーラにさすがの2人もすぐに悪戯を止める。
「ちょうどいいわ『ミミィ』改めてちゃんと挨拶しなさい」
「あっ、はい、マスターさん。えっと、『ミミィ』ってイイます、ミナさんのおカゲで、ここでハタラクことになりました。ありがとうございます。えとえと、これからもよろしくです」
相変わらず話すのは苦手なようで、たどたどしいながらもダークエルフの少女『ミミィ』はペコリと頭を下げてそう挨拶してくれた
「『ミミィ』って言うんだね」
「えと、マスターさんがつけてくれたんです」
僕の問にそう答えるミミィだけど、どういう意味かわからずマスターのほうへ視線を向けると少し寂しそうな顔をマスターはしていた。
「この子、名前がなかったのよ。『奴隷』って呼ばれてたらしいわ、今回の黒幕だった奴らが奴隷として買い取ったらしくてね、それで『黒き翼』に見張り用の人員として派遣されたらしいわ。不憫よね、最初はロリっ娘なんか――って思ってたけど、境遇を聞けば聞くほどあまりに不憫でね、仕方なくうちで雇うことにしたのよ」
「そうなんですか、……ありがとうございます」
「いいのよ、これくらい。……ささっ、湿っぽいのはここまでよ、あんたら今日はジャンジャン盛り上がって頂戴! いいわね!」
マスターの呼びかけにみんなは各々『おお!』って返事をして盛り上がる。
「それじゃあ、ユットちゃんパーティーの緊急クエスト達成祝いとユットちゃんの全快を祝して――乾杯!!」
マスターの掛け声と共に『乾杯!!』と叫び合い、各々お酒やジュースの入ったグラスを傾ける(当然僕はジュースだよ)。
それからは飲んで食べて騒いでまた飲んでって感じでお祭りのようなどんちゃん騒ぎ、正直、お酒の飲めない僕としては酔っ払いたちのノリについていけないけど、それでもすごく楽しくて時間はあっという間に過ぎていった。
「さぁて、名残惜しいけどそろそろ締めるわよ」
マスターの言葉にみんな『えぇぇぇ』とブーイングをするけど、『まだ騒ぎ足りないなら他所でやりな』と威圧され大人しく引き下がる。
「ささ、最後に締めの挨拶だけど、ここは代表してユットちゃんに締めてもらうわ」
「ええ! 僕!? 聞いてないんだけど!?」
「そう言わず、パーティーのリーダーなわけだし代表してあいさつするのは当然でしょ」
マスターにそう言われ強引にみんなの前に引きずり出される
「よっ、ユット! 世界一!」
「ヒュー、ヒュー」
急な無茶振りに動揺してる僕の気も知らず、レーネとエリーさんがそんな風に囃し立ててくる。
「あー、えーと、とりあえず、僕たちのためにこんな会を開いてくれて、ありがとうございます。(な、なにか気の利いたこと言わないと、いけないんだろうけど、ど、どうしよう、なにも浮かばない)」
「ユット、それじゃあ駄目ですよ! 『最後』なのですからビシッと決めないと」
「わ、わかってるって(ったく、レーネは人の気も知らないで)」
「本当にわかっているのですか『最後』ですよ『最後』、ちゃんと『最後』を締めてくださいね」
もう、そんな『最後』『最後』って、プレッシャーかけなくてもいいのに、言われなくてもわかってる――って、まさか。
あまりに不自然なくらい『最後』を強調してくるので僕の脳裏に嫌な予感がよぎる。
「レーネ、もしかしてだけど、これで『最後?』」
「ええ、残念ですが今回で『最後』です」
残念っていう割にはお酒に酔ってるせいか割と上機嫌に見えるんだけど、まぁ、それはいいとして、ようやく僕はレーネの言う『最後』の意味を察する。
「確認だけど、打ち切り的なことだよね?」
「――世の中、数字が全てですから」
マジかー、そうなるかぁ、普通はここからエリーさんが加入してラスボスのリザさんに向かって物語が始まるところなんだけど、ここまでかぁ、残念。
「(登場人物が揃ってきて、ここからなんだけどなぁ)」
「(そのつもりでしたが、あんまり伸びなかったので、キリが良いこのタイミングでお開きということで)」
「(いや、言いたいことはわかるけど、って言うか、当たり前のように脳に直接話しかけないでくれる?)」
「(いいじゃないですか、最後なのですし、それにユットに助け船でも出そうかと)」
「(助け船?)」
「(締めの挨拶が思いつかなくて困っているようでしたので、アレで締めてみたらどうでしょうか?)」
「(いや、アレって言われてもわからないけど)」
「(アレですよアレ、打ち切りと言えばあれでしょ、私がみんなに言っておきますから)」
そう言われ、なんとなく察した僕はレーネが周りに伝言ゲーム的な感じで呼びかけているのを見つつ、全体に回ったのを確認して息を吸う。
「僕たちの戦いは――」
「『これからだぁぁ!!』」
そんなこんなで唐突だけど僕たちの戦いは一度幕を閉じることになったわけなんだけど、ここまでのことを振り返っても……あまりいい思い出はないけど、それでも今こうして仲間たちと下らないことをやって笑っていられてる。
だからきっと、いい時間を過ごせていたと思う。
END
『おまけ』
これからの僕たちがどうなっていくのか、エリーさんの隠された出自とか、ぶりっ子な新メンバーとか、リザさんとの対決とか、レーネ覚醒とか、ラブロマンス……は無いかな? そんな諸々含めて神のみぞ知ると言うことになるけど、ここまでのご愛読並びに応援ありがとうございました。
若干の不完全燃焼感はあるけど、僕たちの物語なんてこんなもんだろうと最後まで笑ってくれると嬉しいです。
ユット(ぼく)が言うのもなんですが、投稿も遅いし文才もない、たいしたことのない作者のことをこれからもよろしくお願いします。
それでは僕の物語はこの辺で『一度』幕を閉じますが(悪あがきで保険かけておくけど、また会える日なんてあるのかな?)まだ作者の新野は新しい小説を投稿するつもりらしいのでそちらもお暇があれば読んでみて下さいね。
それでは『新野 正の次回作にご期待ください』……なんちゃって。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
今回までの投稿を見てもらえればわかる通り最後は三日連続の投稿となりました。
どうして間をわざわざ空けてまでこうしたかと言いますと個人的な考えではありますが
最後はテンポよく終わった方がこの物語には合っているのではないかと思ったからです。
(だったら、間を空けずにやればいいじゃないと思われた方・・・鋭いですね
そうしたいと思っていたのですが、お察しの通りこの投稿ペースの私では間に合わず
こう言う形になってしまいました。すみません)
色々この物語については話したいと言うか書きたい想いはあるのですが
それはまた活動報告にでも書きたいと思いますので、もし興味のある方はそちらのほうで。
兎にも角にもこんなグダグダな物語を最後まで読んで頂いただけじゃなく
後書きまで読んでくださる読者さんには感謝しかありません。
本当にありがとうございました。
そして、もしよろしければ、これからもよろしくお願いします。
最後に告知ではないですが、次は王道ラブコメ(ハーレム?)物を投稿したいと思っています
是非とも読んで頂けると嬉しいです。
すぐにまた物語を通して読者さんたちにお会い出来ること願っております。
それでは、また違う物語で・・・・・・




