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序盤に出てくる怪しい人は犯人じゃない・・・ことが多い

前回のあらすじ(簡略版)

放火犯としての疑いが晴れて釈放となったユット

めでたし、めでたしとはならず疑われた汚名をそそぐために

真犯人を自らの手で捕まえることを決意した矢先

レーネに無駄遣いの気配を感じ問い詰めていたのだった・・・



ステータス画面『ユーネスト』

総合魔術レベル15

チャームレベル20

ファレムレベル3

筋力レベル5

俊敏性レベル5

その他1

ステータス画面『レーネ』

レベル???


「申し訳ございません」

「(どうせそうだろうとは思ったけどホントこのヒロインは)……いくら使ったの?」

「5万ほど」

「5万!? 3日でそんなに使ったの!?」

「違いますよ! 私を見くびらないでください一晩に決まっているでしょう」

「いや、何威張ってんの!? 威張ることじゃないからね、それで結局僕がいない間にいくら使ったの?」

「10万ほど使いました」

 平伏するレーネを見て呆れながらも僕はカードをタップして確認してみると20万ぐらいあったジェニーは7万330ジェニーになってた。

「どう見ても10万以上使ってるんだけど」

「四捨五入して約10万使いました」

 もうこのヒロインはダメかもしれない。

 この期に及んで数字を小さく言って罪を軽くしようするこの態度、どうすれば反省するんだか、困ったものだよ。

 まぁ、そうは言っても貯金のほとんどはレーネが解体した肉を売ったお金だから許してあげないこともないけど、ちょうどいい機会だし少しきつめに言っておこう。

「しばらく食事は水だけね」

「それだけはご勘弁を死んでしまいます」

「そんな簡単には死なないでしょ(と言うか、むしろ殺しても死にそうにないのに)それが嫌なら今日中に手がかりを見つけ出してよ、怪しい物とか怪しい人とかでもいいよ」

「なるほど、タイムリミットがあるのなら本気を出さざるを得ませんね」

 聖剣を抜いたレーネは剣先を地面に突き刺すと青白い光と共に魔術陣が浮かび上がる。

「ちょ、レーネ!? 街中で魔術の使用は厳禁なんでしょ?」

「心配いりません、これは攻撃魔術ではありませんので」

 そう言うと、瞬く間に魔術陣は大きく広がり半径30メートルくらい広がったところで消えてしまう。

「レーネ? 一体何を?」

「簡単な探知魔術ですよ。魔術陣内の中で指定した対象を見つける魔術です。今回対象にしたのは一定以上の魔術レベルを持つ人物、そしてそれに引っかかったのが――」

 魔術の説明をしながら足元に落ちてる小石(直径10センチ)を手に取ると、プロ野球選手並みのダイナミックなフォームでそれを投げた。

「イッタァ!?」

 30メートルぐらい離れた木に向かって投げた小石が直撃したんだろう、木の枝に紛れていた人に直撃して木から落ちてくる。

「――あいつです」

「なんでドヤ顔!? いや、すごいよ。魔術を使ってるとは言えこの距離で狙ったところに当てるなんてすごいけど、なんで当てちゃうの!?」

「怪しかったので」

「怪しいって、魔術レベルが高くて木の上にいたってだけで小石をぶつけられたらたまったもんじゃないよ!」

 とにかく急いで被害を確認しないといけないと思った僕はとりあえずレーネへのツッコミはその辺にして木から落ちた人に駆け寄る。

「大丈夫ですか!? 意識はありますか!?」

「ええ、なんとか」

 直撃したせいか、落ちた時に挫いたかわからないけど痛そうに足をさすっていた女性はそう言うと駆けよった僕に顔を向ける。

「え!? あの時のお姉さん?」

 色白で茶色い髪に穏やかそうな大きな瞳を見た時、居酒屋のトイレで会ったお姉さんだと思ってそう言ってしまう。

「えっと? あっ、トイレの少年君ですか? 奇遇ですね」

「そうですね、奇遇ですね……じゃなくて!? すみません怪我させてしまったみたいで」

「ユット、謝る必要はありませんよ、なにせその人物は怪しい人物なのですから」

 普通に歩いて近寄って来たレーネはお姉さんを鋭く睨みながらそう言った。

「怪しい人物って、このお姉さんは優しい人なんだよ。怪しいわけないでしょ」

「何を言っているのですかユット、知り合いのようですけど、どう見ても怪しいですよ。まず木の上に登っていること自体普通に怪しいですし、何より隠蔽魔術を使っていたのですから怪しいですよ」

「隠蔽魔術? それって、シーフとかが使う使用者が見えにくくなる魔術だっけ?」

「ええ、そうです。隠蔽魔術を使い更に念を入れて木の枝に紛れる。そこまでするには何かしらの理由があるはずですが、ここは見ての通りの焼け野原、そんなところでこんなことをする理由がありません」

「そんなことないんじゃない、魔術が使えるってことは僕たちと同じ冒険者ってことだろうし、普通に放火犯を見つけるために捜査してただけでしょ」

「見てくださいユット、2、3日前ならこの辺りは冒険者だらけでしたが今は私たち含めても数える程度、理由は単純、この辺はすでにあらかた見終わり手掛かりがないことを突き止めているからです。それでもここに来る人間と言えば、ユットのように拘置所に入っていてここを探せていないなんて特殊な人間じゃない限り2通りでしょう。探知魔術も使えない冒険者が根気よく探しているか、現場の様子を伺いに来た犯人かのどちらかでしょう、なにせ犯人は現場に戻るそうですからね、そしてその女の魔術レベルなら探知魔術を使うことが出来るはず、なのにここで隠蔽魔術を使って木の枝に紛れていたとなればこの女が真犯人ということでしょう」

 僕としてはあの優しかったお姉さんが犯人何て思いたくないけど、レーネはどこぞの高校生探偵に負けないぐらいの決め顔でそう言った。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

今回は展開的にいつもより少ないページ数になってしまいすみませんでした。

放火犯を捜すお話は長編(当社比)を予定しています。

オチまで読んでいただければ幸いです。(ちょっとシリアスもあるかも?)

誤字脱字ありましたらご報告いただければ助かります。

ブクマ、感想、評価など頂ければとても励みになります。

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