第一話~昔話~
この作品はとあるライブアプリで書いてみてほしいと要望があったため書いてみたお試しの作品です。今後、この作品を連載として続きを書いてほしい人がいればメッセージで教えてください。その他自分に他の方法で要望ができる方はそちらでも構いません。
「おばあちゃん!おばあちゃんなにかお話しして」
と子どもたちが椅子に座っている老婆に駆け寄った。
「そうだね・・・少し昔の話をしようかね・・・」
そういい老婆は読んでいた本を膝の上に乗せて言った。
―60年前―
「これじゃない・・・俺が求める究極のハンバーガーじゃない・・・」
俺はハンバーガー店で人気だと店員に言われて頼んだハンバーガーを食べながら言った。
「おい!坊主!」
と大柄でがっちり体系のエプロンをした男が俺の席の横に立っていた。
「なんか文句があるように俺様が作ったハンバーガーを食嫌がって!」
と言いながら男は手を上に振り上げた。
バン!!
男は俺の使っているテーブルを叩いた。
「当然だ・・こんなクソまずいハンバーガー出してよく恥ずかしげもなく金をとってそんな態度がとれるものだな・・・」
「なんだと!この坊主!!」
「そういうのならここで俺がこれと同じハンバーガーを作ろう・・・店主も作ってお客に審査してもらえばすぐにわかるさ」
「いいだろう!ほえ面かかせてやる!」
そういって俺は荷物からエプロンを取りキッチンに入るときにエプロンをした。
「せいぜい頑張るんだな!」
と言いながら店主はニヤニヤ笑いながら俺を見ていた。俺はそれを横目で見て材料や調味料・食器・調理器具を確認した。
「それじゃ始めようか!」
店主がそう言い俺と店主が一斉に調理を始めた。
―20分後―
「俺様から出させてもらうぜ!?」
「あぁ・・・かまわない」
と俺と店主は話し、店主がお客にハンバーガーを出した。
「まぁ・・・いつも通りだな」
とお客は言った。
「なるほどな・・・」
俺は軽く笑いながら言った。
「なんで笑ったんだ!」
「店主・・君ならわかるだろ?さっきの言い回しからするとそのお客はここの常連なのだろ?だから店主に有利と思ったのだな・・・まぁ関係ないけどな・・・」
というと店主は苦々しい顔をして俺をにらみつけた。俺はその様子をハンバーガーを運びながら横目で見ながら言った。
「どうぞ・・・」
俺はハンバーガーをお客の前に置いた。
「あれ?これって同じハンバーガー?」
「えぇ・・・調理方法は少し違うが食材は同じだ」
「店主のハンバーガーと全然違う・・・」
そういいお客は俺が作ったハンバーガーを食べた時だった。食べたお客さんの目が見開いた。
「このハンバーガーの肉汁はすごい濃厚なのにあっさりしてるそれにレタスのこのシャキシャキ感店主のほうはにがいと思えた玉ねぎが甘く感じる・・・」
「レタスのシャキシャキは水に浸しておいて一番最後に水を切って使い玉ねぎは包丁ではなくこのスライサーで繊維を切るようにスライスしてそのあと塩もみしてから氷水に15分つけたものを使ったため味をよくしたんだ」
「で・・・でもどうして・・・」
「どうして食べたい味が分かったのかってことか?」
「それは・・お客の表情や声歩き方や皮膚の状態・・そういうのを見たり聞いたりしてお客の満足のいくものを提供する・・それが料理人だ・・ハンバーガーとは言え加えたり減らしたりすることでかなりの種類がある・・お客のそういうものをくみ取りお客の満足のいくものを出すのがプロってものだ」
と俺がいうと店主は近づいてきた。
「なんで俺様がそこまでしなきゃならねぇんだ!そんなの客がメニューから決めりゃいいだろ!」
「それは違うな・・・メニューに食べたい味がなければ適当なものを頼むしかない・・それでは客の満足度は低い・・・」
と俺が腰に両手を当てながら言った。
「それができないあなたはプロじゃなくアマチュアなのだよ」
「く・・・」
と店主は少し悔しいような顔をしながら言った。
「確かに・・・この青年のハンバーガーのほうが食べやすい・・・」
「それで!判定はどうなんだ!」
「そ・・・それは・・」
そういってお客が選んだハンバーガーは俺のハンバーガーだった。
「な!」
店主はそう言って地面に膝をついた。
「だけどまぁ・・」
俺は財布からハンバーガー代を出しカウンターに置いた。
「今後は修練を怠らずに料理をすることだな・・・この金はそれへの投資だと思ってくれ・・・」
「投資って普通に代金払っただけじゃねぇか」
「こんなまずいものに金を払ってもらえるだけありがたいと思え」
「・・・・・」
店主は歯をかみしめるような顔をして俺をにらみつけた。
「それじゃ出るかな・・・」
俺は小声で言い荷物を持って外に出た。
「えっと・・・確かこっちから来たからこっちか・・・」
俺はそういうと右の道を歩き始めた。
「あそこも味がなぁ・・・あれじゃ作り方とかもわかっちまうし・・・俺の求める究極からは程遠いなぁ・・」
そういいながら空を見ながら歩いていた。
「なかなか見つからないものだよなぁ・・・次の街にどんなハンバーガーがあるかな・・・もっとおいしいハンバーガーだといいのだけどなぁ・・・器具とかさっきの店で洗えたのがよかったけど・・・」
そういいながら俺はタオルで汗をぬぐった。
「次の街までかなり距離があるな」
といいながら歩きながら地図を見た。
―5時間後―
俺は休みがてら料理に使う器具をメンテナンスをし、包丁を研ぎ石で研いだりした。それから1時間くらい時間が経ち、俺はメンテナンスを終えた器具をしまった。
「よし・・・行くか・・・」
俺はそういって立ち上がり歩くのを再開した。
「俺の舌に合う究極のハンバーガー探しに旅に出てもう一年か・・・こんなに探しても見つからないって・・・さすがアメリカだなぁ・・・すっげぇ広い・・・」
そう言いながら歩みを止めずに進んだ。
―それから5時間後―
「これはやべぇな・・・夏だったら最悪だ・・・中古車でもいいから車買ったほうがいいかもなぁ・・・去年は俺が気に入る車なかったから仕方がなかったが・・・さすがにもうやばいな・・・」
俺はそう言いながら水を飲みながら歩いた。