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桜と歩む

作者: 棚田 純

この本を、手に取ってくださった方に有難う御座います。この本は、短い話ですが。話は、ぎっしりと細かく書いている部分があります。もし、読みづらいなと思う方は、あらすじに書かれている通り別のサイトで掲載しています。

では、宜しくお願いします。

春にこんにちは。

僕は、人であることを恐ていた。

百年を通して、不死の病と呼ばれた僕が。今では、子ができ 人に愛されています。どうしてでしょう。何故でしょう。

妻は、明るい人です。僕が泣いている時、緊張して不安な状態でも。

「大丈夫。」

たった一言。そのたった一言が何故か、救われるのです。

―死なないのは愛されなかったから?

その言葉は、僕の心を蝕んでいきます。それでも、妻は離れませんでした。

子供は、すくすく育ちました。僕は相変わらず情けないです。それでも妻は、離れませんでした。

つい、僕はひとつ言ってしまいました。それも、酒に酔った勢いで…。

「さえ。お前さ…」

「ん?」

「どうしてそんなに前向きなんだ?」

と言うと1週間程、喋らなくなりました。

僕は、会社に行く時間が長くなり行く時と帰る時に会うだけ。僕は、後悔と疲労の日々に暗くなりました。

なんて、酷い人間だ!と。そこで、僕が妻を支えることにしましまた。妻が喋らくなって1週間程。

妻は、少しずつ喋るようになりました。そして、僕は会社との多忙な日々に今まで社員の飲み会のお誘いを拒否することが上手くできませんでした。

それが今では、

「すみませんが、今日は妻と一緒にいたいので…。」

「あっそう?じゃあ…」

と少しずつ、少しずつ。断り方を覚えました。そして、妻と子との関係を取り戻しつつありました。やがてあの日が来ました。

大晦日は大掃除と決めていたうちの家族は、それぞれの部屋を掃除して最後にリビングを掃除しました。

紹介していませんでしたが、うちには息子と娘が居ます。姉と弟という2歳差の元気な子供がいます。

その子供が、泣いて、喧嘩して、仲直りして、笑って、怒って、と…どこにでもいる?って言っちゃったら変ですけど、家族って不思議だなって思います。

そんなこんなで、片付けをしていると。

妻がこんなことを言いました。

「なんで…貴方はそんなに前向きなの?」

と。まるで、夫と妻の立場が入れ替わったかのように言いました。

あっ。そうか…。僕も…。僕も…。と、ようやく気づくことができました。妻は、家の家事やら育児に疲れているのにも関わらず顔を両手で軽く叩いて「よし!私が凹んでちゃあ駄目だ!頑張らなきゃ!」

って自分を励ましてたんだ…。だとすると、あの時。僕に「大丈夫。」って言ってたのは励ましているのではなく、自分に声をかけていたんだと自分勝手だった自分が相手の気持ちを気づくことができたのです。そして、僕の酔った勢いで言ってしまった「どうしてそんなに前向きなんだ?」という言葉にひどく気づ付いたのでしょう。

―なんで…なんでわかってくれないの?私が独りで抱えてたと思うの?貴方だけが抱えている悩みだとは思わないで!

と。心の奥に閉まってたものが放たれてしまったのだろう。

じゃあ…今度は、僕が妻に伝えよう。

「そうだな。なんでだろうか?僕は、自分勝手だった。さえにも子にも迷惑をかけた。ずっと…ずーっと。でも、気づいたんだ。独りで抱えていても何も変わらないって…」

すると、妻は何かに気づいたかのように見上げた。そして、話は続けた。

「お互い、やり直さないか?」

とダサいが、妻は涙ながら頷いた。

娘の千恵が「母さん、泣いてるよどうしたの?あっ!父さん!母さんを泣かしたな!」

「違うよ!違うよ!」

「じゃあ、なんで泣くのよ~!」

と姉の後ろから息子の優が「そうだ!そうだ!」と。言う姿にさえは、二人を抱きしめてあげた。

耳元でこそこそ話をし始めました。

僕は、妻の方へ近づくと。

「ダメよ!ここから先は、立ち入り禁止!」

すると子供たちが妻を守るように。

「父さんはあっち行って!」

と追い出すのです。

「なんだと~」

と言っているとちょうど窓を開けていたので窓の外から桜の花びらがひらりと入り込んでくるではありませんか。僕達家族は、掃除の最中に見つけた。家族の大切さと春が来ていることに気づいたのです。

妻と子と共に微笑んで、もう一度歩みだそう。そして、子供が自立するまで見届けよう。そう願う様に…。

改めまして!春にこんにちは。

この本を、最後まで読んでくださり誠に有難う御座いました。

私は、人の大事にしているものとはなんだろう。と考える時と考えずに本能のままで書く場合があります。ですが、今回は“家族”をテーマに考えました。ただ、読者の方もお気づきだとは思いますが、『不死の病』についてのは、元々ファンタジーにしようとしたところ、気づいたら別の話になっていたのでそのままにしました。

ではまた、何か別の作品で読んでくださる方は宜しくお願いします。

改まして、有難う御座いました。

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