第2話 別世界との接触
大和に乗り込んだ富士の艦長は簡単の声を挙げた。
「なんともこの艦は涼しい物なのですなぁ」
「空調という温度調節器を使い温度調節を下げております。」と伊藤中将が言う。
「短刀直入に聞きます。貴方方は一体何者ですか?」
「私達は昭和20年西暦でいうと1945年から来た者です。、」
「なんの冗談を今はそんな事を言ってる場合では…」
しかし富士の艦長は伊藤中将の真面目な顔に冗談を全く感じる事が出来ず、腹を割ったようだ。
「では呉に来てもらいます。宜しいですね?」
「はい、さらなる話はそこで。しかし陸軍部隊25万への攻撃はやめていただきたい。」
「わかりました。そこは私が話を通します。」
その後連合艦隊は呉へ行くこととなった。
そして呉に着いた後伊藤中将率いる幹部は東京へ行きそれ以外は休息になった。幸い、大和達の存在やその他の事実も隠してくれることとなった。
そして新たに事実がわかった、大和などは老朽化をしてないということだ。さらに航空機や戦車もである。これによりこれらの未来兵器を研究してそれらを開発していく事が決まった。
そして転移先の世界であるこの日本は元いた日本とは大きく異なっていた。日本列島はどうやらプレートの位置のズレにより本州が太平洋側に大きく膨らみ元の日本と比べ関東平野などの諸平野が大きく広がっている。それにより食料自給率は110%を超えている。人口はなんと1億4000万人ほど。さらに史実と違い、越後山脈や日本アルプスに大量の鉄鉱石が発見された。さらに瀬戸内海や日本海や伊豆大島近海などで油田が発見されている。そして歴史も近代史が大きく変わっていた。江戸幕府が崩壊したのが35年も早まっていることだ。これはロシアの不凍港獲得へ向けた動きが史実よりやや活発でそれを恐れたイギリスが日本を開国させ味方につけようとしたからだ。なぜ直接支配しなかったのかは諸説あるがイギリスはアフリカやインドでの植民地支配や度重なる戦争で遠く離れた極東の日本を支配するのは難しいと判断したからという説が有力である。何はともあれ日本は開国。その後近代化に積極的ではない幕府を西日本諸藩が連合を組み攻撃。イギリスが陰ながら支援していたせいか西日本諸藩連合は勝利した。諸藩は天皇中心としイギリス型国家を建設した。国名は史実と同じ大日本帝国となりイギリスは日本を近代化させていった。そして1894年清国との間で日清戦争が発生。これに勝利しそのまま勢い付いてロシアと1896年日露戦争が発生。大きな損害を受けつつも度重なる増援により戦線を突破極東ロシア軍を壊滅させた。そして史実同様に第一次世界大戦が発生。日本はロシア戦線とフランス戦線へ大規模な派出を決定し派出をしたがロシアで共産主義革命が発生。それに伴う戦乱の最中ということだった。
来た時に沈没させた船はロシア革命に干渉してきた日本に対し共産主義側が掌握したバルチック艦隊の残存艦だった。